教室紹介

解剖学教室は、1999年に重吉康史が、神戸大学医学部より着任し、新たなスタートを切りました。重吉康史の主な研究分野は、時間生物学chronobiologyです。時間生物学は周期性を持つ生命現象、すなわち生物の持っているリズム現象を扱う学問です。その中で も、約一日の周期を持つリズムをサーカディアンリズム(慨日リズム)と呼びます。私たちの教室 では主に齧歯類を用いて、サーカディアンリズムの研究を行っています。また、形態学の技術を用いて、神経系全般についての研究を行っています(研究紹介を参照)。教育面では、系統解剖学、組織解剖学、神経解剖学、発生学、骨学の講義、実習を行っています。

体内時計と中枢神経系の研究を行っています。

体内時計の周期は個体によって、異なります。しかし、おのおのの個体で観察するとその周期は非常に正確です。そのぶれは周期の1%以下です。このような約一日という長い周期のリズムが、複雑な仕組みを持つ生物の内部で正確に作り出されるのは驚愕すべき出来事です。

 哺乳類の体内時計の中枢は脳の視床下部の視交叉上核に存在します。個体の死に至るまで続く体内時計の正確な振動現象がどうして生まれるのかは、最近になってようやく分子のレベルでわかってきました。しかし、何故、哺乳類においては、視交叉上核と呼ばれる神経核に体内時計の中枢が存在するのか、また、視交叉上核はどの様な点でリズム形勢に有利なのかといった問いに対する答えは与えられていません。いかにして、生物時計は環境のリズムに同調するのか、また、生物時計から発信される信号がいかなる経路で、行動、睡眠、ホルモンリズムといった現象につながっていくのかといった事も大きな研究の対象です。

 また、体内時計以外にも、形態学的技術を用い、中枢神経系について研究を進めています。睡眠、行動、記憶、発生、神経系での遺伝子発現制御、蛋白発現制御などに挑戦したいと思っています。(欲張り過ぎかとも思いますが。)

お誘い

気楽にのぞきに来てください。 学生さんも、お隣さんも気楽にのぞきに来てください。大学院生、研究生募集中です。