パッチテストについて

近畿大学医学部皮膚科 立林 めぐ美、 加藤麻衣子




「パッチテスト」って何ですか?

 接触皮膚炎、接触蕁麻疹、薬疹などの原因を調べる検査法の一つです。症状や疑われる原因物質によりいくつか方法があります。


プリックテスト

 野菜を触ると手がかゆくなる、薬を飲むと蕁麻疹が出るというような、原因物質に触れた後、数分で症状が出てくる即時型反応の原因を調べる検査です。腕にプリック針という特殊な針(図1)で皮膚に傷をつけ、検査する物質を塗りつけます。15分たってかゆみや紅斑が出たら陽性です。

 

 (図1)プリック針 これで、皮膚に軽く傷つけますが、出血もなく痛くありません。

パッチテスト

 一番よく使われる方法です。フィンチャンバーと呼ばれるシート(図2)を使い、背中や腕に検査する物質を2日間貼り付けます(図3)。2日後にはがし、1時間後と翌日に判定を行ないます。検査には4日間を要し、その間できるだけ激しい運動や汗をかく事を避けていただきます。あまり激しい運動をすると判定の前にはがれてしまったり、汗で濡れてしまうとそのせいで赤くなってしまい判定できなくなってしまうからです。

 

    (図2)フィンチャンバー         (図3)背中にはりつけます。

光パッチテスト

 光を浴びる事によって生じる接触皮膚炎や薬疹の、原因を調べるために行ないます。パッチテストと同じように2日間背中に検査する物質を貼り付け、3日めと4日目に判定を行ないますが、検査する物質を二ヶ所に貼り、その片方にだけ3日目に光を当てます。

 

 

「パッチテスト」で何が分かりますか?

 接触皮膚炎、いわゆる「かぶれ」の原因をつきとめることができます。
うるしかぶれやイヤリングなどの金属アレルギーは接触した部位に強いかゆみと紅斑が出るので、かぶれた事にご本人もすぐに気がつきます。しかし、それほど強い症状が出ない場合には気づかずに接触しつづけていることがあります。
化粧品や外用剤がその代表です。少しかゆかったり、顔が赤くなる程度で、なんとなく化粧品がどれもあわないと感じていらっしゃる事もあるようです。
化粧品や外用剤にはさまざまな成分が含まれており、また同じ成分が多くの化粧品や塗り薬に共通して使われているため、原因物質を特定し完全に取り除かないと症状は改善しません。パッチテストで陰性だったからといってそれにかぶれていないとは言い切れませんが、「かぶれ」の原因をつきとめるには欠かせない検査です。
自分の体を使う検査である事、手間と時間のかかる事が欠点ですが、他の検査では代用ができません。

 

 

かぶれやすいものってどんなものがありますか?

よくかぶれるものとして「うるし」、「ぎんなん」、「さくら草」などの植物、「イヤリング」ヤ「ネックレス」などの金属、「毛染め」や「パーマ液」、「ゴム手袋」などが有名です。

特に最近、天然ゴムに含まれる「ラテックス」という蛋白によりアレルギー性のショックを起こす例が報告されており注意が必要です。医療器具にはゴムがよく使用されているため、気づかずに治療を受けてショックを起こし、海外では死亡例も報告されています。ラテックスはマンゴー、バナナ、アボガドなどの果物と交差反応を示す事も知られており、ゴム手袋をはめると手がかゆくなる、これらの果物を食べると口の周りが腫れるといった症状のある人は要注意です。

また、特殊なかぶれとして「色素沈着型接触皮膚炎」という、かゆみも紅斑もなく色素沈着だけが生じることがあります。歯磨き粉や口紅による口唇の色素沈着、お線香や香料による顔面の色素沈着などです。

 

 

今まで使っていたものなら大丈夫?

 今まで使っていたものでも急にかぶれることもあります。今までに触れて何ともなかったものでも安全とは言い切れないのです。かぶれやすいといわれているうるしやぎんなんを触る時には直接触らないように手袋をしたり、かぶれないように予防する事が大切です。いったんかぶれてしまうと、原因物質に触るたびにかぶれてしまいます。かぶれを治すことはできても、かぶれないようにする薬はありません。