それぞれの疾患についての写真は、ブルー字をクリックしてください。



「光老化」って何ですか?

「光老化」という言葉はなじみが少ない言葉と思いますが、「老化」という言葉はみなさんよくご存じのことと思います。
人が年をとるときに起こる体の変化を「老化」といいます。例えば皮膚ですと、しわが増えたり、皮膚がうすくなってはりがなくなり、髪の毛が薄くなったり、しらがになったりします。
ところが「光老化」というのは、長い期間日光に当たり続けた、顔や首の皮膚にみられる変化をいいます。具体的には、皮膚の色が黄ばみ、「しみ」が増え、太くて深い「しわ」が増え、皮膚のつやがなくなり、かさかさと乾燥してきます。さらに「皮膚癌」も発生しやすくなります。
この「光老化」は日光の中の紫外線に長い期間当たることによって起こってきます。
特に日本人では、日焼けしやすいスキンタイプ I の人 は、紫外線の悪い影響を受けやすいので注意が必要です。
私どもの「光老化」(しみ) 外来では、「しみ」や「皮膚癌」の診察と治療、さらにはそれらの予防も行なっています。

 



「しみ」にはどんな種類があるのですか?

よくみる「しみ」として、「肝斑」、「雀卵斑 (そばかす) 」、「ソーラー・レンティゴ (日光黒子) 」、「光線性花弁性色素斑」などがあります。

「肝斑」 は中年女性の顔、特に目の回りにできる褐色の色素斑です。原因としては、妊娠、避妊薬の内服など女性ホルモンの異常があげられていますが、紫外線に当たることによって悪化します。

「雀卵斑 (そばかす) 」 は、色の白い子供の顔にできる点状の淡褐色斑です。やはり紫外線に当たることによって悪化します。

「ソーラー・レンティゴ (日光黒子) 」 は、名前は聞き慣れないと思いますが、お年寄りの顔や手足にできる比較的大きな褐色の色素斑で、しばしば色素斑の上に「いぼ」ができて盛り上がってきます。

「光線性花弁性色素斑」 も聞き慣れない名前と思います。海水浴などで長時間日光に当たって、ひどい水ぶくれができたあとに背中や胸に残る、「こんぺいとう」のような形をした黒色や茶色のしみです。

その他「しみ」に似たものとして、「ほくろ」、「あざ」、「皮膚癌」などがあります。

 



「しみ」の治療はどうやるのですか?

私どもの皮膚科ではレーザー外来が有名ですが、レーザーが有効な「しみ」として、「雀卵斑 (そばかす) 」、「ソーラー・レンティゴ (日光黒子) 」、「光線性花弁性色素斑」があります。

「肝斑」はレーザー治療では再発しやすいため、違う方法で治療します。ビタミンC製剤と抗プラスミン剤を内服し、色素細胞を抑制する作用のある外用薬を皮膚に塗ります。さらに後述するサンスクリーン剤を使用して紫外線の影響を排除しなければなりません。

いずれもきちんとした治療をすれば有効ですが、患者さんに病気や治療方法をしっかりと理解していただくことが一番重要です。治療のやり方やその後のスキンケアなども大事です。したがって経験のある皮膚科医が治療を担当すべきと考えています。

 



「皮膚癌」にはどんな種類があるのですか?

「光老化」に関連した皮膚癌としては、「有棘細胞癌」、「基底細胞癌 」、「メラノーマ 」、前癌病変として「日光角化症」があります。

「有棘細胞癌」 は悪性度の高い癌の一つです。「やけど」や「けが」のあとに発生することもあります。頭・顔・手足に潰瘍を伴った腫瘤ができ、急激に大きくなります。

「基底細胞癌 」 は比較的良性の癌です。にきび様あるいは小さなほくろ様の病変から始まり、長い時間をかけて徐々に大きくなります。顔に好発し、色は黒色調のものが多く、潰瘍化することもあります。

「メラノーマ 」 は俗に「ほくろの癌」ともいわれる悪性度の最も高い癌の一つです。日本人の場合、他の皮膚癌に比べて、光に当たる部位よりも手のひら・足の裏によくできます。多くは、黒色の腫瘤で短期間に大きくなり、出血したり色がしみ出たようにみえます。

「日光角化症」 は前癌病変ですが、顔や手足などの光のよく当たる場所にできる、小さいいぼ状の腫瘤で、しばしばそのまわりの皮膚が赤くなっています。進行すると前述の「有棘細胞癌」になることがあります。

 



「皮膚癌」の治療はどうやるのですか?

早期に発見し、早期に切除するという手術治療が原則です。また場合によっては、病変部の一部を切り取って、病理検査の結果を待ってから手術する場合もあります。いずれにせよ、皮膚癌が疑われた場合できるだけ早く皮膚科医の診察を受けて下さい。

 



「光老化」は防げるのですか?

以下に述べる方法によって、完全にとはいきませんが、かなりの部分は防ぐことができます。まず紫外線に当たる時間をなるべく少なくすることです。また外出は紫外線の強い正午前後1時間を避けることです。外出時には日傘、帽子、サングラスを着用し、可能ならば長袖・長ズボンを着て下さい。日常の散歩や買い物などの外出でも油断しないで、日常用のサンスクリーン剤を使用して下さい。スポーツやレジャーなどで長時間屋外にいる場合はより効果の強いサンスクリーン剤も使用して下さい。前に述べたスキンタイプIの人は、ほかの人よりも細心の注意が必要です。






「光老化」(しみ) 外来について

近畿大学医学部皮膚科 川田 暁