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産婦人科は女性の生涯の健康をサポート

女性のライフサイクルには男性と異なる劇的な変化があります。
思春期の初経に始まり、妊娠・出産という人生最大のイベント、さらには閉経、という生物学的に重大な変化を何度も経験しながらの一生は、男性にはないドラマチックなものです。それだけに女性の健康は医学的にも非常に繊細なバランスのうえに成り立っており、少しの変調でも女性特有のトラブルにつながるという側面があります。産婦人科はこのような女性の生涯を健康面から支えることを使命とした分野です。
その中には、内科的要素、外科的要素、産科的要素、心療内科的要素、アンチエイジングなど、幅広い領域が含まれており、自分の個性や興味に合わせた医療を生涯、追求することが可能です。

産婦人科は私たち人間の再生産に関わる唯一の科です。

生物には、「個の保存」と「種の保存」、という大きな二つの目的があります。
このうち、医学のほとんどは「個の保存」を助ける役割を担っていますが、産婦人科は「個の保存」と「種の保存」の両方に関わる唯一の分野です。
子供さんができにくい両親を対象とした不妊治療は究極の再生医療であり、また、妊娠・出産という素晴らしいイベントを支える周産期(産科)部門は、ときには「超救急」の緊迫した側面を持つとともに、お産の喜びをご両親と分かち合える他にはない幸せな分野でもあります。人類が子孫を残し続ける限り、産婦人科は必要とされ続ける医学の最重要領域です。

産婦人科ってどんな科?

周産期、生殖、腫瘍

産婦人科は周産期生殖腫瘍のおもに3つの分野から成り立っています。
このため、産婦人科独特の再生産に関与する分野とともに、内科・外科を含めた女性プライマリケアを基本とする分野です。

周産期医学

妊娠・出産を担当する領域で、産婦人科の花形です。

妊娠・出産は多くの場合は自然の営みであり、未来の担い手である健康な赤ちゃんを授けるという楽しい仕事です。しかし、ひとたび胎児やお母さんに何か起こると、分刻みでの対応が明暗を分けるという非常に厳しい面も持っており、これに生きがいを感じて頑張っている産婦人科医も多くいます。日本は世界でも有数の「安全な」お産ができる国で、それは、産婦人科医が他のどこの国よりも熱心に勉強して医療に取り組んできた成果です。

ところが、それが「お産は自然で安全なもの、異常が起こるのは医療の失敗」といった誤解を生み、産科領域で訴訟が頻発し、若い医師が産科を敬遠する、という不幸な事態が起こりました。しかし、この傾向は、一般の人の産科への理解が進んだこと、産科救急のさまざまな制度が立ち上がり現在も多くの試みが続けられていることから、流れは大きく変わりつつあり、産婦人科への入局者も増加しています。本来、周産期領域は、プライマリ医学の中でも最重要でもっともやりがいのある領域です。

ぜひ、若い先生が安心して医療に取り組めるように学会全体でサポートしています。

生殖医学

 周産期(産科)と並んで産婦人科固有の領域ですが、産科とはまた少し雰囲気が違なり、こちらは患者さんとじっくり向き合って、忍耐強く治療を続ける必要があります。

赤ちゃんができにくい、という状況は多様な医学的・社会的背景を持っていて、患者さんはいろいろなプレッシャーに曝されています。不妊治療を専門とする産婦人科医はそのような患者さんに精神面でも寄り添いつつ、同時に的確な診断を下して治療法を選択する必要があります。今、医学ではiPS等を使った細胞治療・再生医療が話題になっていますが、患者さんの卵を培養して受精させ、体に戻す、というのは究極の再生医療であり、産婦人科はこれを20年も前からおこなってきました。

「妊娠」という、自己ではないある意味では「異物」を体内で育てる現象は、本当に不思議な謎に満ちた営みであり、この神秘を解明して、子供に恵まれない人の役に立てる、という真理の究明が臨床に直結する魅力的な分野です。

婦人科腫瘍

 産婦人科のもうひとつの大きな柱は腫瘍です。世界で2番目にたくさん行なわれている女性の手術は子宮全摘術(一番は帝王切開術)と言われていますし、固形がんに対する化学療法をもっとも早く取り入れたのも産婦人科です。

子宮頸がんに対する手術は100年前から日本が世界をリードしてきました。また、卵巣癌の手術は腹腔内の広範囲に及び、大動脈周囲のリンパ節や横隔膜の切除等は産婦人科医が行いますし、外科の先生に協力していただき、腸管・肝臓・脾臓等の多臓器を対象とした切除も行う、大変大きな手術です。一方で、腹腔鏡手術からさらにはロボット手術への流れも世界的に盛んになっており、2010年からは世界でもっとも多く行われるロボット手術は子宮全摘術になりました。

当科は腹腔鏡手術では前星合教授の時代から日本をリードして来ましたし、また、私は前任地でロボットでの子宮頸がんに対する広汎子宮全摘を東京医科大学に続いて日本で2番目に導入しました。このように婦人科腫瘍学は手術・化学療法を中心に日々、進化しており、さまざまな治療法を実践できる分野です。

産婦人科と基礎研究

医学の進歩は実は地道な基礎研究に支えられています。

これまで患者さんを通してしか見て来なかった疾患も、基礎的な方向から見る、まったく違った見え方があります。子宮筋腫って女性の半数以上に出来るけど、なぜ、そんなに高頻度に出来るのだろう?女性は10か月もの間、免疫学的に異物である胎児をどうして拒絶せずに育んでいけるのだろう?なぜ、ちょうど良い時期に陣痛が起こって分娩になるのだろう?これらのいずれもまだ解決されていない問題です。一見、臨床と関係なさそうな基礎研究は、やってみると夢中になるほど魅力的で、これまでの自分の臨床医としての疾患のとらえ方を大きく深めてくれます。

そして、自分が行った基礎研究が臨床に応用されて(トランスレーショナルリサーチと言います)、世界中の患者さんを救うのに役立ったら素晴らしいことです。私は臨床医も出来れば一時期はじっくりと時間を取って、自分のテーマを持って産婦人科のさまざまな未解決問題にチャレンジしてほしいと思いますし、大学院を含め、その機会をどんどん作って行きます。


国内・海外留学

 最近の若い先生はあまり留学したがらなくなった、という話も聞きますが、それまでとまったく異なる環境・文化に身をおいて異なる分野を学ぶことは、自分の幅を広げるためにも大変、貴重な経験です。是非、武者修行の期間を持って欲しいと思います。

海外留学には基礎部門での留学が一般的ですが、臨床部門でも特殊な技術を身につけるために留学することもあります。留学先で得た新しい知識や技術は、自分の将来だけでなく、産婦人科全体にとっても重要です。私は、米国NIHで免疫学を学び、これをもとに臨床へのトランスレーショナルリサーチを行ってきました。

また、後輩にはバイオインフォーマティックスを学んできた先生もいて、免疫とこれを融合する形で新しい分野の研究が進みました。一方では、フランスで腹腔鏡の悪性腫瘍手術を学んできた同僚とは、一緒に腹腔鏡手術・ロボット手術を進めることが出来ました。留学はそこで得たものを武器としてさらに独自の仕事に発展させる機会です。

国内でも海外でも是非、新しい世界を体験してそれをキャリアアップに生かして欲しいと思います。

産婦人科は臨床的にも学問的にも魅力あふれる分野です。

 ここまで述べてきましたように、産婦人科はさまざまな領域をカバーし、しかも高い独自性・専門性を持った本当に魅力的な分野です。

一生の仕事として決して不足はありません。

是非、我々と一緒に新しい産婦人科を作ってみませんか?
待っています。

お問い合わせ
近畿大学医学部産科婦人科学教室

〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL 072(366)0221  内線3215  / FAX 072(368)3745   MAIL sanfu@med.kindai.ac.jp

担当 小谷泰史

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