テュートリアル Unit 6 「病因・病態 I」

第6週 炎症
(平成16年12月13日〜18日)

  2004年12月16

事例の解説を掲載しました

目 次

週の担当教員 週の教育目標 週の時間割 事例とその解説
事例発表会 参考書 ホームページへのリンク

 週の担当教員名簿・連絡先

Unit 主任: 宮澤 正顕 (免疫学教室 教授)

週担当教員、実習指導担当者:

宮澤 正顕 (免疫学教室 教授)
義江 修 (細菌学教室 教授)
伊藤 浩行 (病理学教室 教授)
佐藤 隆夫 (病理学教室 教授)
松村 治雄、河原 佐智代 (免疫学教室 講師)
河合 潤、木村 雅友 (病理学教室 講師)
加藤 光保 (免疫学教室非常勤講師、筑波大学 教授)
塩沢 俊一 (免疫学教室非常勤講師、神戸大学 教授)
前西 修、筑後 孝章 (病理学教室 学内講師)
阿部 弘之、金成 安慶 (免疫学教室 助手)
古田 朋子、竹森 久美子、伊藤 龍生 (病理学教室 助手)

 週の教育目標 :
 週の一般目標

 生体防御反応としての炎症反応を制御する分子群と細胞のはたらきを理解し、組織傷害の発生と修復のしくみを、時間経過を追って説明できるようにする。

 週の行動目標

  1. 皮膚を例に、組織傷害に対して直ちに修復反応の起こるしくみを説明できる。
  2. 急性炎症の発生と終息の過程を、血管反応と細胞の動員に分けて順を追って説明できる。
  3. 急性炎症の4主徴(発赤、熱感、疼痛、腫脹)を言え、それぞれの起こるしくみを簡単に説明できる。
  4. 急性炎症反応の主要なケミカルメディエーターを、それらの由来と分子構造から大きく4群に分けて挙げ、それぞれが末梢血管に与える効果を血管の部位別に分けて説明できる。
  5. 炎症を慢性化させる要因を、侵襲側と宿主側に分けて説明できる。
  6. 肉芽を構成する細胞を挙げ、肉芽腫とは何かを説明できる。
  7. アレルギー反応の4分類を説明でき、この分類の問題点も指摘できる。
  8. 代表的なヒトの慢性炎症性疾患を3つ挙げ、それぞれの特徴的病変を説明できる。

 事例における行動目標

  1. 代表的な自己抗体の例を挙げ、それが高い頻度で検出される疾患を言える。
  2. 自己免疫反応が慢性炎症に結びつくしくみを説明できる。
  3. 慢性炎症反応による組織破壊のしくみを言える。
  4. 抗炎症薬をその作用機序に基づいて分類し、代表例を挙げることができ、それぞれの副作用を言える。
  5. 「医原性」の免疫不全症がどのような場合に起こるかと、日和見感染症を説明できる。
  6. 慢性炎症性疾患の治療にメトトレキサートが使われる理由を説明できる。

 週の時間割表
 (12月15日〜20日)

日付

12月13日(月)

12月14日(火) 12月15日(水) 12月16日(木) 12月17日(金) 12月18日(土)

1時限目

9:00〜10:00:
テュートリアル
10:00〜10:30:
自習

医学英語
(松村)

9:00〜10:00:
テュートリアル
10:00〜10:30:
自習

講義 9
炎症の制御
(義江)

9:00〜10:00:
テュートリアル
10:00〜10:30:
自習

事例発表会
2時限目

講義 1
侵襲と組織修復
(宮澤)

講義 4
炎症のケミカルメディエーター
(宮澤)
自習
(宮澤)
講義 10
炎症の形態
(伊藤)
自習
(宮澤)
週末試験
3時限目 講義 2
細胞増殖の制御
(加藤)
講義 5
ケモカインと7回膜貫通型レセプター
(義江)
講義 7
アレルギー反応
(宮澤)
実習
炎症の形態
(病理学)
講義 11
膠原病・リウマチ入門
(塩沢)
4時限目 講義 3
細胞増殖の制御
(加藤)
講義 6
リンパ球の体内循環とホーミング
(義江)
講義 8
アレルギー反応
(宮澤)
実習
炎症の形態
(病理学)
講義 12
膠原病・リウマチ入門
(塩沢)

 

事例とその解説

 事例1 (月曜日に提示)
 A君は15歳の男の子です。小さい頃から時々発熱を繰り返し、その度におしっこが赤茶色に濁っていました。腎臓の病気だと診断され、プレドニゾロンと言う薬を一日おきに 10mg飲んでいます。先日、自転車で通学途中に転び、右膝にケガをしました。その後膝が腫れ上がって曲げられなくなり、病院で関節に溜まった液を抜いて貰いました。関節液は黄色く、白い濁りが沢山混じっていて、白く薄い膜のようなものやヒモのようなものも含まれていました。その3日後から、またおしっこが赤く濁り、入院することになりました。

 キーワード (討論で取り上げて欲しかったポイント)
 □ 15歳、男児
 □ 発熱の反復
 □ 血尿
 □ プレドニゾロン
 □ 膝のケガ
 □ 関節が腫れる
 □ 関節液の濁り
 □ 関節の腫れと血尿の関係

 学生への質問
 1. おしっこが茶褐色に濁るとはどういうことでしょう?色の原因は何ですか?色が付いているだけでなく、濁っているのは何故でしょう?
 2. プレドニゾロンとはどのような薬ですか?どのような場合に使いますか?
 3. 自転車で転んで膝にケガをすると、必ず関節が腫れ上がるのでしょうか?
 4. 関節液の中に見えた、膜状やひも状の白い濁りは何だと思いますか?
 5. 関節が腫れ上がったことと、おしっこが赤く濁ったことに、何か関連があると思いますか?

 解説
 今週は「炎症」を取り扱う週です。事例は関節炎から始まりました。しかし、関節炎が発端ではありません。事例の男児は、小さい頃から「発熱を繰り返して」います。何かの感染症を反復していたのでしょうか?また、発熱を起こす度に血尿が出ていたようですが、両者の間に何か関連があるのでしょうか?
 血尿とは、尿中に赤血球が異常に増加した状態を言います。診断には、中間尿 10mlを 1,500回転・5分間遠心し、その沈渣を顕微鏡で調べます。通常、400倍の1視野に赤血球が5個以下ならば正常と考えます。血尿には、肉眼で見て尿が赤色ないし茶褐色を呈する肉眼的血尿と、上記の鏡検でわかる顕微鏡的血尿があります。また、常に血尿が見られるものを持続的血尿、時々血尿が見られるものを間歇的血尿と言い、区別することもあります。
 血尿の原因は多様です。老人で肉眼的血尿をみたとき、最も注意しなければいけないのは悪性腫瘍の存在です。尿路系の癌の他、大腸癌・子宮癌などの浸潤により、血尿を生じることもあります。血尿を生ずる疾患としては、尿路結石もあります。膀胱炎もしばしば血尿の原因となり、通常は排尿時痛・頻尿や膿尿(白血球が混入した尿)を伴います。尿路系の炎症では、細菌感染によって起こる前立腺炎・腎盂腎炎・尿道炎も考慮する必要があります。この事例は若年者ですので、糸球体腎炎(特にIgA腎症)・多発性嚢胞腎・腎結核などが考えられます。肉眼的血尿に蛋白尿・貧血を伴い、急速に腎不全に進行する症候群として、急速進行性糸球体腎炎があります。この病態の糸球体形態像は、壊死性半月体形成性糸球体腎炎 (necrotizing crescentic glomerulo-nephritis) が典型像です。
 プレドニゾロンは人工合成コルチゾール誘導体で、強力な抗炎症作用・免疫抑制作用を持つグルココルチコイドの一種です。原発性糸球体腎炎の治療にも用いられます。以前から血尿があったこと、「腎臓の病気」と診断され、プレドニゾロンを処方されていたことから、糸球体腎炎の存在が疑われます。
 自転車で転倒した後に起こった膝の関節炎は、関節液の濁りが強いことからも、感染性の関節炎であった可能性が考えられます。今週は炎症のコースなので、関節の腫れ・浸出液の貯留と言った所見から、「急性炎症反応のしくみ」へと学生の興味を振り向けて頂けたらと考えます。また、濁った大量の関節液はフィブリンを含んでいたと考えます。白い膜状・ひも状の物体は、「線維素性炎」によって形成されたフィブリンでしょう。

 事例2 (水曜日に提示)
 入院後の検査で、血清総蛋白質は 6.0g/dl(基準値: 6.7〜8.1g/dl)、血清アルブミン濃度は3.1g/dl(基準値: 4.1〜5.1g/dl)、肉眼的血尿の他、7.8g/dayの蛋白尿が出ていることがわかりました。全身に軽いむくみもあります。プレドニゾロンの投与を 70mg/dayに増量したところ、肉眼的血尿は消失しましたが、蛋白尿は続きました。血清の免疫学的検査で、抗核抗体が陽性(1:80)、血清IgG1, IgG2, IgG4とIgAは低値、腎生検では、糸球体毛細血管壁とメサンジウムに、びまん性かつグローバルにIgG, IgA, C1q, C3の沈着を認めました。また、血清補体の検査で、C4が全く検出できませんでした。

 キーワード (学生の討論で取り上げて欲しかったポイント)
 □ 血清総蛋白質
 □ 血清アルブミン濃度
 □ 血尿
 □ 蛋白尿
 □ むくみ
 □ 抗核抗体
 □ 腎生検
 □ メサンジウム
 □ びまん性、グローバル
 □ 補体
 □ C4が検出できない

 学生への質問
 1. むくみとは何ですか?むくみがある時、皮膚にはどのような変化が起こっていますか?
 2. 血清アルブミン濃度が低下する原因には、どのようなものがありますか?
 3. 蛋白尿が出る原因は何でしょうか?
 4. 腎生検はどのような場合に行いますか?
 5. 糸球体にIgGやC3が沈着していることは、どのようにして検出するのでしょう?また、これら
沈着の意味するところは何ですか?
 6. 補体の活性化経路で、C4はどのような位置にありますか?

 解説
 肉眼的血尿に蛋白尿を伴い、低蛋白血症とむくみの症状が出ていますので、糸球体に障害が起こっていることは間違いありません。糸球体の障害により、多量の蛋白質が尿に漏れて血清蛋白質濃度が低下し、むくみなどの症状が出た状態を、ネフローゼ症候群と呼びます。低蛋白血症でむくみが生じる原因は、血管内外の水分移動を「血漿膠質浸透圧」をキーワードとして理解することで説明がつくはずです。ここは、今週の講義でも十分に解説します。
 腎生検による糸球体沈着物検出は、前週までの免疫学的知識の応用として理解出来なくてはいけません。いわゆる「免疫組織化学」の技法を使います。糸球体にIgGとC1q, C3が同時に沈着している場合、一般に「免疫複合体」形成を介して腎炎が起こっているものと考えます。腎生検で糸球体病変の拡がりを記述する場合、この事例のように「びまん性」とか「グローバル」という用語をよく使います。腎臓全体の糸球体における病変の分布を見て、ごく一部の糸球体が傷害されているが、正常な糸球体も多く見られる場合、病変の拡がりは限局性(focal)であると言います。逆に、腎臓全体で殆ど全ての糸球体が傷害されている場合が、びまん性(diffuse)な病変です。これに対し、個々の糸球体を見て、糸球体系蹄の全体が冒されている場合をグローバルと言い、一部の系蹄だけが冒されて、正常の系締も多く残されている場合は、分節性(segmental)な病変であると言います。免疫複合体による糸球体血管壁の傷害機構については、今週の講義で詳しく解説し、典型的な組織像や蛍光抗体像も提示します。

 ところで、血清学的な検査から、本事例が補体C4の欠損症であることは、この時点で明らかです。何度か強調してきたように、テュートリアルにおける事例の解析は、「病名当て」が目的ではありません。ここでは、この事例が補体C4欠損症であるとわかった時点から、その病態発生を理解することが主眼となります。
 補体系の活性化機構は、既に前々週に詳しく講義してあります。また、過去の事例で補体欠損症は何度か採り上げてきました。C4は、免疫グロブリン分子が抗原と結合した後、古典経路による補体活性化の初期に機能する分子です。抗原と結合した免疫グロブリン分子によってC1複合体の活性化が起こると、C1sによって最初に切断・活性化されるのがC4です。C4の大断片であるC4bは、近くにある蛋白質(例えば細菌の表面分子や免疫グロブリンそのもの)に共有結合し、同じくC1sによって切断・活性化したC2の大断片、C2bと複合体を形成して、C3転換酵素活性を獲得します。これが古典経路による補体活性化の初期過程です。従って、C4の欠損状態ではC3転換酵素が形成できず、古典経路による補体系の活性化は起こりません。
 その結果、C4欠損症では細菌などに対して易感染性になると考え勝ちですが、意外なことに、最も多く見られる症状が全身性エリテマトーデス(SLE)様の自己免疫病変、即ち皮疹や関節炎、そして糸球体腎炎です。これは、補体古典経路の活性化が、流血中の免疫複合体の除去に重要な役割を果たしているためと理解されています。即ち、赤血球やマクロファージ・好中球の表面には補体レセプターCR1(CD35)があり、これはC3bと共にC4bとも結合します。流血中の免疫複合体はCR1を介して赤血球に結合し、肝臓や脾臓でマクロファージ系細胞に取り込まれることにより、処理・除去されます。C4欠損では、流血中の抗原・抗体複合物にC4bが結合できず、C3も活性化されませんから、CR1を介する循環性(circulating)免疫複合体の除去が行われません。このため、流血中に免疫複合体が長く留まり、腎糸球体に沈着して免疫複合体腎炎を起こすと考えられます。
 この事例では、自転車事故による感染性関節炎の発症後、血尿が出現しましたが、これは関節腔で増殖した細菌の菌体成分に対して抗体産生が起こり、それによって形成された免疫複合体が、C4欠損のため一気に流血中に増え、腎臓に沈着していったものと推測できるでしょう。
 なお、古典経路による補体の活性化が起こらない条件でも「炎症」(関節炎や糸球体腎炎)が生じる原因は、免疫複合体による炎症反応の惹起には、実際には補体の活性化よりもFcレセプター機能の方が重要であること、細菌感染に対しては、抗体と古典経路による補体の活性化よりも、マンノース経路の役割がより重要であることなどによって理解が出来ます。免疫複合体による炎症反応の惹起に、補体活性化よりもFcレセプター機能の方が重要であることは、講義でも解説しますし、平成13年度のテュートリアルのページでも解説してあります。


 事例3. (金曜日に提示)
 遺伝的検査を行ったところ、A君は HLA A24, B38, Cw7, DR13で、C4AQ0, C4BQ0のホモ接合であることがわかりました。家族歴を聞いてみると、両親は健康で特段の病歴はありませんでしたが、父方の叔母二人が、全身性エリテマトーデスの診断を受けていました。蛋白尿の持続に対して、静注免疫グロブリン大量投与療法が行われ、尿蛋白は 0.9g/dayまで減少しました。

 キーワード (学生の討論で取り上げらて欲しかったポイント)
 □ 遺伝的検査
 □ ホモ接合
 □ 家族歴
 □ 全身性エリテマトーデス
 □ 静注免疫グロブリン大量投与

 学生への質問
 1. ホモ接合とはどういうことですか?
 2. 補体の異常があると思われるのに、どうしてHLAの検査をしたのでしょうか?
 3. 全身性エリテマトーデスとはどのような病気ですか?
 4. このような病気は、家族内に集積する傾向があるのでしょうか?
 5. 補体欠損症とSLEには、何か関係がありますか?

 解説
 補体第4因子C4(とC2)の構造遺伝子は、MHC領域内、クラスI遺伝子領域とクラスII遺伝子領域の間に存在します。従って、HLAの遺伝子型とC4の遺伝子型は連鎖して遺伝すると予想されます。実際、ヒトのC4にはアミノ酸配列上の多型が知られていますが、C4の多型はHLAクラスIおよびクラスII分子の多型と連鎖しています。
 ヒト第6染色体のMHC領域には、1染色体当たり二つのC4遺伝子座、即ちC4AとC4Bがあります。C4A、C4Bの両遺伝子座は、何れも機能的なC4分子をコードしていますから、普通の人は最大4種類のC4分子多型を発現していることになります。C4の完全欠損のためには、これら4つの遺伝子座が全て欠損型となることが必要ですので、その頻度は高くありません。実際、C4部分欠損症に較べ、C4の完全欠損症は極めて稀です。
 C4欠損で全身性エリテマトーデスの症状・所見が出てくることは既に触れました。C4欠損だけでなく、C1q欠損症やC2欠損症でも、それぞれ頻度は異なりますがSLE症状が出てきます。逆に、SLEの発症感受性遺伝子の一つとして、C4遺伝子が挙げられています。C4欠損症に起こるSLE病態を、「多様な原因によって生じるSLEという症候群の一部」と考えるか、SLEという独立の疾患があり、C4欠損症はSLE病態の一部を示すに過ぎないと考えるかは、大変興味深い点です。
 流血中の免疫複合体によって起こる病変に対し、最近欧米の一部の臨床家を中心に、静注用免疫グロブリン製剤を一日 1g/kgで二日おきというように、大量投与することが試みられています。この静注免疫グロブリン大量投与(ivIg)療法の理論的基礎は、血管壁の内皮細胞に発現するFcRnレセプターをブロックすることにより、流血中の免疫複合体の血管外組織への移動を妨げ、組織傷害を抑制すると共に、脾臓・肝臓のマクロファージ系細胞による免疫複合体の除去(クリアランス)を促進すること、およびFcレセプターを持つ炎症細胞の活性化を抑制することであると言います。しかし、その理論的根拠、実際的効果とも、まだ完全な立証には遠いと言うべきでしょう。

事例理解の参考になるHP
テュートリアルコース 過去の事例を参照する
先々週の事例解説を見る
先週の事例解説を見る

リウマチ情報センター
Online Mendelian Inheritance in Man
(ヒト疾患遺伝子情報の総合検索サイト)
リウマチ情報センター 「リウマチQ&A」
難病情報センター 「悪性関節リウマチ」
北里大学 内科診断検査アクセス 「慢性関節リウマチ」
岡山大学医学部附属病院中央検査部インフォメーション 「補体、Immune complex」
岡山大学医学部附属病院中央検査部インフォメーション 「自己抗体」

事例発表会

 週の事例に関し、土曜日1時限目に発表会を行います。「事例の全体像(グループとしての解釈)」と「この例から学んだこと」を、学生がOHPシートを使って発表します。発表に使うOHPシートは、原稿を持参すれば免疫学講座で作成します。

 参考書

 このコースでは特に教科書は指定しません。講義に当たって毎回詳細なプリントを配布し、講義内容がテュートリアルの事例や実習のテーマと密な連携を保つよう配慮しているので、必ず講義に出席しその内容を理解するよう努めて下さい。参考書としては以下に挙げるものがありますが、この分野の進歩は早く、古い教科書には現在では間違であることが明らかな理論や実験結果が記載されているので、この点でも講義で最新の知識に触れることが重要です。

 1)Charles A. Janeway, Jr. , Paul Travers, Mark Walport, and Mark Shlomchik: Immunobiology, The Immune System in Health and Disease, 5th Edition.  Garland Publishing ., New York. (この教科書は大変優れており、最新の知識を一貫したスタイルでわかりやすく記載しています。但し、Fcレセプターに関する記述など、最近の進歩が速い部分では理解が間違っているところもあるので、講義を注意して聞いて下さい 。)

 2)笹月健彦 監訳: 免疫生物学 免疫系の正常と病理 第5版、南江堂 (上記教科書の訳書ですが、翻訳によって却って分かり難くなっている部分もあります。)

 3)澤井高志・内藤 眞・名倉 宏・八木橋操六 編: エッセンシャル病理学 第5版、医歯薬出版 (病理学の教科書ですが、その炎症・免疫・感染症・アレルギーに関する部分は生体防御学のエッセンスを上手く盛り込んでいます。第5版の「免疫とアレルギー」及び「感染症」の章は、宮澤が新たに執筆して、全面的に稿を改めました。)

 4)山本一彦 編: 自己免疫疾患 (New メディカルサイエンスシリーズ)、羊土社 (これ自体が、最新の免疫学の教科書として使える内容を持っています。テュートリアル室に備えられています 。)

 5)平野俊夫 編: 免疫の仕組みと疾患(イラスト医学&サイエンスシリーズ)、羊土社 (最新の研究成果をヴィジュアルに纏めてあり、特に病気との関係が理解し易くなっています。)

 6)Marc Da ron: Fc receptor biology.  Annu. Rev. Immunol. 15:203-234, 1997.(Fcレセプターに関する最新の知識はこれを参考にして下さい。)

 7)山村雄一、岸本忠三、R. A. Good 編: 岩波講座・免疫科学9 免疫と病気 I、岩波書店 (やや旧い本ですが、先天性免疫不全症候群の基本的な考え方や分類・病態はこれで分かります。発症メカニズムについては記述が旧いので、最新の知識は講義から得てください。)

 7)東野英明・宮澤正顕 他編著: 医学生のための薬理学、南山堂 (薬理学の教科書ですが、「免疫抑制薬・抗アレルギー薬・抗リウマチ薬」の章には、免疫学の基本知識と免疫応答の薬物による制御のしくみを、最新の知識に基づいて纏めてあります。)

ホームページへのリンク

近畿大学医学部ホームページ
免疫学教室ホームページ

便利なリンク集

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