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近畿大学医学部 腎臓内科
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腎臓内科受診

腎臓病や高血圧症は「沈黙の殺人者」とも呼ばれます。これは、しばしば御本人が気づかない、
すなわち無症状のままで病気が進行するからです。生死に関わるような、
末期腎不全に至ってから、あるいは脳心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞、心不全など)を
発症してから初めて症状が出ることもよくあります。
自覚症状がなくとも、普段から血圧を測定したり、尿検査を受けたりという習慣をもつことをお勧めします。

こんな症状がでたら一度受診されることをお勧めします

  • たんぱく尿を指摘された方
  • むくみを自覚された方
  • 複数の降圧薬でも血圧が下がらない方
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主な疾患

慢性糸球体腎炎

蛋白尿や血尿といった検尿異常のある方で疑われます。日本人ではIgA腎症と呼ばれるタイプのものが最もよくみられます。基本的には腎生検を行い、糸球体腎炎の診断と重症度を判定した上で治療方針が決まります。
放置すると慢性腎臓病となる危険性が高いです。

慢性糸球体腎炎

急速進行性糸球体腎炎

糸球体腎炎のうち、最重症のものを指します。蛋白尿や血尿がみられ、数週-数ヶ月の間で急激に腎不全が進行します。透析療法が必要になる方もいます。
なるべく早期に腎生検を行い診断および重症度判定をした上で、治療方針を決める必要があります。
ステロイドパルス療法や血漿交換療法といった高度な治療法が選択されることもしばしばです。

慢性糸球体腎炎

ネフローゼ症候群

大量の尿蛋白が出る結果、血液中の蛋白質が減少し、むくみや胸水、あるいは腹水が出現します。
放置すると慢性腎臓病となります。
基本的には腎生検を行い、病型診断を行った上で治療方針が決まります。腎臓そのものの病気だけでなく、糖尿病、全身性エリテマトーデス、アミロイドーシスといった病気により引き起こされることもあります。

ネフローゼ症候群

急性腎障害

高度の脱水、ある種の薬剤(消炎鎮痛剤、抗生剤、ヨード造影剤など)、あるいは尿路閉塞などにより、急速に腎臓の働きが低下する状態です。
早期の診断と原因の特定を行い、対策・治療を行うことが重要です。一時的に血液透析が必要となる方もいます。

急性腎障害

慢性腎臓病

様々な原因で不可逆的に腎臓の働きが低下した状態です。原因疾患の中では、糖尿病性腎症が最も多くを
占めます。
腎不全の進行を抑制するために、高血圧症、貧血、
血液の酸性化、カルシウム・リンの異常などへの対処が重要です。
これには、医師だけでなく、看護師、薬剤師あるいは栄養師を交えた集学的治療が行われます。
末期腎不全に至ると、腎代替療法が必要となります。

慢性腎臓病

高血圧症

日本人には4000万人以上の高血圧症患者がおり、あらゆる疾患の中で最も患者数の多い病気です。
血圧上昇の原因が特定できない本態性高血圧症と、原因が明らかである二次性高血圧症に分類されます。
二次性高血圧症の中には腎機能低下、腎臓の血流不足、あるいはアルドステロンやコルチゾールといったホルモンの過剰分泌により生じているものがあります。
これらの中には、原因に対する直接的な治療により、高血圧症そのものが治癒してしまうものもあります。
若年での高血圧症や、複数の降圧薬を内服しても血圧が下がらない方は、一度専門的な検査を受けることをお勧めします。

高血圧症

腎代替療法

末期腎不全においては、腎臓の働きを代替する治療法が必要となります。
腎代替療法には血液透析、腹膜透析および腎移植があります。
当科ではそれぞれの長所や短所について、時間をかけながら十分な情報提供を行っています。
治療法の選択については、患者様の希望を最大限に生かすよう努めています。

腎代替療法

腎疾患以外の血液浄化療法

人工透析部では、神経疾患であるギラン・バレー症候群や重症筋無力症、あるいは劇症肝炎、術後肝不全に対して血漿交換療法、潰瘍性大腸炎に対して白血球除去療法、高コレステロール血症に対してLDL吸着療法などを施行しています。
全身性エリテマトーデスに対しては、血漿交換療法の他に、免疫吸着療法が行われることもあります。
また、敗血症性ショックに対してエンドトキシン吸着療法も行っております。

腎疾患以外の血液浄化療法

慢性腎不全

慢性腎不全は様々な原因で不可逆的に腎臓の働きが低下した状態です。自覚症状が少ないため、気づかないまま病状が進行してしまう場合も多くみられます。
慢性腎不全は、その原因が何であっても時間とともに徐々に悪化してしまいます。腎機能の低下に伴い、不要な老廃物、水分、塩分、カリウムなどが排泄されず体内に蓄積してきます。また、貧血、血液の酸性化、カルシウム・リンの異常なども生じます。

腎機能が正常の10%未満まで低下すると、尿毒症と呼ばれる様々な症状があらわれます。自覚症状としては、
全身倦怠感、食欲低下や吐き気などがあり、血圧が上昇したり、むくみが生じたりといったこともみられます。
また、肺に水がたまる胸水や肺水腫を生じると呼吸困難が生じます。
放置すると意識障害、呼吸不全に陥り、高カリウム血症による不整脈も現れ、最終的には死に至ります。
これら重篤な事態が生じる前に、腎代替療法を開始する必要があります。腎代替療法には血液透析、腹膜透析および腎移植があります。

当科では、腎代替療法を開始する前に、それぞれの治療法に関する詳細な情報、長所・短所を十分に説明し、
個々の患者様に最も適した治療法を提供できるように努めています。

慢性腎臓病

血液透析

血液透析は、日本で現在最も広く行われている透析療法です。
血液透析では、血液を体外に取り出し、ダイアライザーと
呼ばれる透析器(人工の膜)に通すことによって、血液中の不要な老廃物や水分を取り除き、血液を浄化します。
きれいになった血液は、再び体内に戻されます。
血液透析では、血管に針を刺して血液を連続的に取り出す必要があるため、あらかじめ手術によって、前腕の動脈と静脈を皮下でつなぎ合わせてシャントと呼ばれる血流の豊富な血管を作ります。
通常、週2-3回、1回当たり3-4時間の透析が必要です。

血液透析

腹膜透析

腹膜透析

腹膜透析は、内臓を覆っている「腹膜」を利用して血液をきれいにする透析療法です。お腹の中に透析液を貯留すると、腹膜の毛細血管から血液中の不要な老廃物や水分がゆっくりとしみ出してきます。
数時間ごとに透析液を交換することにより、血液を浄化します。このためには、あらかじめ透析液を出し入れする管(腹膜灌流用カテーテル)をお腹に植え込む手術が必要です。
寝ている間に器械を使って自動的に行う方法(略称APD)と、日中に数回透析液バッグを交換する方法(略称CAPD)があります。
個人差はありますが、血液透析と比べ、透析導入後も残っている腎機能を長く保つことができ、尿が出なくなる時期を遅らせることができると言われています。
腹膜透析は在宅治療が基本となるので、月に1-2回の通院で治療を行うことが可能です。

当科で行う主な特殊検査

腎生検

糸球体腎炎、ネフローゼ症候群あるいは原因不明の
腎障害について、診断確定と重症度判定を目的に、
腎臓の組織を採取する検査である腎生検が行われます。

当科では超音波(エコー)にて腎臓の位置を確認しながら、針生検を行っています(経皮的エコーガイド下腎生検)。
患者様にはうつ伏せになっていただき、背中側から数回生検針を刺入します。検査時には局所麻酔薬を使用しますので、強い痛みを伴うことはありません。
検査後は止血を確実にするために、丸1日ベッド上で安静に過ごしていただきます。

腎生検

内分泌負荷試験

各種ホルモンの異常によって血圧が上昇する、内分泌性高血圧症の診断を確定する目的で行います。ホルモンの状態を確認するためには、単なる採血や、24時間蓄尿のみでは不十分であるために、負荷試験を行う必要があります。種々の薬剤を内服や点滴によって投与し、その後採血することによって、これらの薬剤に対するホルモン値の変動を評価します。当科では、カプトプリル負荷試験、デキサメサゾン抑制試験、迅速ACTH負荷試験などを施行しています。

腹膜機能平衡試験(Peritoneal Equilibration Test;PET)

腹膜透析を施行している患者様を対象に1年に1度行っています。当科ではTwardowskiらにより考案された方法を基に
fast PETを行っています。
この検査を行うことにより、患者様自身の腹膜が透析を行うのに適したものなのかどうか、腹膜透析の継続が可能か中止すべきかを知ることができます。

当科で使用する主な薬剤

副腎皮質ステロイド

強力に炎症を抑える作用があり、急速進行性糸球体腎炎、IgA腎症をはじめとする糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などの治療に用いられます。腎生検の結果、腎内に強い炎症が証明されれば、短期間(通常3日間)に大量のステロイドを点滴で投与するステロイドパルス療法という治療法が選択される場合もあります。ステロイドには様々な副作用が知られており、投与量が多い間は入院していただく必要があります。

副腎皮質ステロイド

免疫抑制薬

ステロイドのみでは病勢が抑えられない場合、ステロイドが投与できない場合などに選択されます。
シクロスポリンA、ミゾリビン、シクロフォスファミドといった薬剤がよく用いられます。

免疫抑制薬

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)

アンジオテンシンUは血圧上昇、動脈硬化、組織線維化などをおこすホルモンであり、腎臓のみならず心臓、血管などの障害を悪化させます。ACE阻害薬やARBはアンジオテンシンUの作用を抑制することにより、これらの臓器障害を進行させないようにしてくれる薬剤です。もともとは血圧を下げる薬として開発されましたが、腎臓病においては尿蛋白の量を減らし、腎保護作用を発揮することが知られています。

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)

赤血球造血刺激因子製剤(ESA)

腎臓からはエリスロポイエチンというホルモンが分泌され、血液中で酸素を運搬する役割をもつ赤血球の産生が促進されます。腎不全になるとエリスロポイエチンの分泌が低下することにより貧血となります。これを腎性貧血と呼びます。貧血は腎不全を進行させてしまうだけでなく、心臓の働きも悪くしてしまいます。
そこでESAを投与することにより、不足しているエリスロポイエチンの作用を補い貧血を改善させます。

赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
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