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放射線科・放射線腫瘍学部門

研修分野の名称と責任者

名称:放射線科・放射線腫瘍学部門研修分野

責任者:近畿大学医学部放射線医学教室・放射線腫瘍学部門教授 西村 恭昌

研修分野の目的と特徴

臨床研修2年次に行う放射線科選択研修プログラムであり、臨床腫瘍学の立場から悪性腫瘍の画像診断および放射線腫瘍学の基礎を修得することを目的としている。将来、放射線腫瘍学、腫瘍外科学、あるいは腫瘍内科学を志す研修医には、十分な研修を行うため3ヵ月以上履修することを推奨する。
なお、放射線診断学部門との研修の相互乗り入れは可能で、個々の希望に沿った研修が可能である。放射線科での研修希望者は、あらかじめ医学部附属病院放射線取り扱い者の教育訓練を受け、その資格を取っておくことが必要である。

研修期間

1ヵ月~6ヵ月

研修内容と到達目標および研修の評価

  1. 一般目標 (GIO)
    放射線腫瘍学を理解し、放射線治療を適切に行うために必要な基本的知識、技能、態度を習得する。
  2. 行動目標 (SBO)
    1. 放射線治療の基本的な考え方を学ぶ
    2. 頭頸部腫瘍の診察、胸腹部腫瘍の診察、婦人科・泌尿器腫瘍などの問診および所見をとれる。
    3. 治療計画に必要な腫瘍の画像診断を習得する。
    4. 骨転移、脳転移などの緩和的照射の2D治療計画が行える。
    5. 通常照射法のCTによる3D治療計画が行える。
  3. 方略
    1. 放射線治療全症例を対象とする症例検討会および抄読会に参加し、放射線治療の考え方と放射線治療計画の実際を学習する。
    2. 初診担当医として放射線治療の新患の問診および診察を行い、代表的な疾患の診察のポイントを理解する。
    3. 担当患者の画像情報を学習し、2Dおよび3D治療計画を行い、指導医に修正してもらう。
    4. 臨床各科とのキャンサーボードに出席し、集学的治療における放射線治療の役割を理解する。
    5. 担当医以外の照射中の患者の診察を行い、放射線治療に伴う急性期合併症の対処法を堅守する。
  4. 評価 担当医として経験した腫瘍の症例数、2Dおよび3D治療計画の症例数を以下の一覧表に記入し、研修症例の量的把握を行う。症例検討会、抄読会、およびキャンサーボードの出席状況および代表的症例のレポートをもとに、指導医が総合的に評価する。
    経験が期待できる疾患
    画像診断と放射線治療   担当症例数 2Dおよび3D治療計画数
    原発性脳腫瘍    
    頭頸部腫瘍    
    食道癌    
    膵癌・胆道癌    
    直腸癌    
    肺癌    
    乳癌    
    膀胱癌、前立腺癌    
    子宮癌    
    骨・軟部腫瘍    
    悪性リンパ腫、白血病    
    転移性脳腫瘍    
    転移性骨腫瘍    
    上大静脈症候群    
    全身照射    
    腔内照射    
    組織内照射    

定員および研修施設の選択方法

定員:2名 研修施設の選択は研修医の希望による。

研修施設と指導者

施設名 定員 指導責任者 外来患者数(日) 病床数 備考
近畿大学医学部附属病院 2名 放射線腫瘍学部門 西村 恭昌 教授 60-80 6 リニアック2台
近畿大学医学部奈良病院 1名 放射線科 岡嶋 馨 准教授 20-30 0 リニアック1台

研修施設と指導者

  1. 近畿大学医学部附属病院放射線科・放射線腫瘍学部門
    1. 指導責任者:西村 恭昌 教授
      主任指導医:柴田 徹 准教授
      指導医および上級医氏名(内指導医3名):金森 修一 講師、中松 清志 医学部講師、小池 竜太 医学部助教A、西川 龍之 医学部助教B、立花 和泉 医学部助教B
    2. 受け入れ人数:2名
    3. 研修の方法および特徴
      • 外来:
        放射線腫瘍学は、放射線科外来にて、指導医とともに放射線治療中あるいは治療後の経過観察中の患者の診察を行なう。消化管造影、CT、MRIによる各種悪性腫瘍の画像診断や、二次元および三次元放射線治療計画を行なう。
      • 病棟:
        放射線治療を行う入院患者を受け持ち、指導医の監督下で、積極的に診療に当たる。化学放射線療法中の患者に対しては、プロトコールに従って化学療法を行う。また、指導医とともに患者、家族への病状説明にも同席し、治療法に関するインフォームドコンセントを得る。
      • カンファレンス:
        放射線治療カンファレンス、他科とのカンファレンス、抄読会、教授回診に参加し、積極的に発言、質問をする。
    4. 研修の週間スケジュールおよび研修関連教育行事
    5. 基本的には以下の週間スケジュールで研修するが、画像診断に重きをおきたい研修医には、放射線診断部門と調整のうえ、適宜画像診断の検査・読影業務に就くことも可能である。また、近畿大学奈良病院放射線科(指導責任者;岡嶋馨准教授)での研修も可能である。
      研修期間中に学内外で行なわれる各種学会、研究会、セミナーなどには積極的に参加してもらう。日本医学放射線学会および関西地方会、日本医学放射線学会冬季セミナー、日本放射線腫瘍学会および夏季セミナー、関西Cancer Therapistの会、近畿放射線医学フォーラム、南大阪核医学研究会などは、特に研修医が参加すべき研究会である。
    6. 週間スケジュール
      8:00 病棟処置
      9:00 病棟処置
      13:30 外来、小線源治療
      16:00 教授回診
      18:00 医局会、抄読会、研究発表会
      8:00 病棟処置
      9:00 放射線治療外来
      13:30 外来、治療計画
      17:30 放射線治療カンファレンス
      8:00 研修医読影カンファレンス
      9:00 放射線治療外来
      13:30 放射線定位照射
      17:00 画像カンファレンス
      8:00 病棟処置
      9:00 放射線治療外来
      13:30 外来、治療計画
      16:00 CT、MRIの読影
      8:00 病棟処置
      9:00 消化管造影検査
      13:30 外来、治療計画
      16:00 CT、MRIの読影
      8:00 研修医全体カンファレンス
      9:00 病棟処置
       
  2. 近畿大学医学部奈良病院
    1. 指導責任者:岡嶋 馨 准教授
      主任指導医:西田 千嘉子 診療講師
      指導医氏名:長谷川 博一 診療助教・廣井 啓二 診療助教
    2. 受け入れ人数:1名
    3. 研修の方法および特徴
      1. 外来:
        画像診断は、指導医とともに各種画像検査の適応、画像検査の実施、読影法を学ぶ。放射線腫瘍学は、放射線科外来にて、指導医とともに放射線治療中あるいは治療後の経過観察中の患者の診察を行なう。二次元および三次元放射線治療計画も行なう。
      2. カンファレンス:
        画像カンファレンス、放射線治療カンファレンス、他科とのカンファレンスに参加し、積極的に発言、質問をする。
    4. 研修の週間スケジュール
      週間スケジュールは、指導責任者と各研修医が個別に相談の上、研修医の希望にそったスケジュールとする。

研修責任者から一言

高精度放射線治療装置の進歩により、現在放射線腫瘍学はダイナミックな変貌を遂げている。近畿大学では平成17年に放射線治療機器の更新が行われ、IMRT、定位照射、小線源治療などの最新の高精度放射線療法が可能で、それらの初期研修が可能である。がん患者の増加に伴い、集学的治療における放射線療法の役割は増加しており、将来放射線腫瘍学、腫瘍外科学、あるいは腫瘍内科学を志す研修医にとって貴重な研修となるはずである。
全身にわたる各種悪性疾患の放射線治療を研修するのにわずか1~2ヵ月では不十分なことは明白であり、将来がん治療を志す研修医は放射線科・放射線腫瘍学部門を3ヵ月以上2年次の研修科に選択することを推奨する。