研究室
第3研究室
近畿大学医学部眼科学教室第三当研究室(角膜チーム)では、人工角膜、角膜感染症、創傷治癒を対象に研究を行っています。
人工角膜に関しては、重症のStevens-Johnson症候群の患者さんに対し、歯根部利用人工角膜(Osteo-odonto-keratoprosthesis, OOKP)による治療を施行しており、現在まで長期の良好な成績を収めています。これは、自己の犬歯根部に光学部を埋め込み、口腔粘膜を移植した眼表面に移植する人工角膜手術で、本邦においては現在、当科でのみ施行可能な術式です。研究室では犬歯に代わる人工物を使用する新たな方法の開発を目指し研究しています。
角膜感染症に対して、迅速に起炎菌を同定するために、通常の鏡検、培養検査の他にReal time PCR法を行っています。これは、眼表面の涙液、眼脂などの少ないサンプルよりDNAを抽出し、細菌、真菌、ウイルス、アカントアメーバDNAの同定、定量を行う方法です。抗菌薬点眼開始済みのために、培養検査で起炎菌同定不可能な症例に対しても、有用な方法です。
角膜ヘルペスの研究においては、マウスヘルペス角膜炎モデルを用い、抗炎症物質、抗腫瘍因子、ビタミン剤等、多岐にわたる薬剤を用いて、角膜ヘルペスの再発を抑制する点眼薬、内服薬の開発を目指しています。ヒトにおいて角膜ヘルペスは、精神的ストレス、紫外線、熱ストレス、寒冷などにより再発を繰り返す場合があり、角膜瘢痕が永続的な視力障害を引き起こします。角膜へルペスの再発を抑制する方法の開発は、重要課題です。
角膜の創傷治癒研究においては、角膜から発現する種々の因子の生理的メカニズムなどを研究することにより、実際の臨床で問題となっている角膜疾患の病態の解明や、新しい治療法へのアプローチを目指しています。また、より深い病態の解明のため基礎の教室と共同実験を行っており、少しずつ成果がでてきています。