近畿眼科先進医療研究会

平成29年
3月22日(水)6月2日(金)8月19日(土)10月4日(水)
平成28年
4月13日(水)8月22日(月)9月8日(木)10月8日(土)
10月28日(金)|12月2日(金)|12月5日(月)
平成27年
2月21日(金)3月5日(土)7月18日(土)11月13日(金)
12月19日(土)
平成26年
1月24日(金)3月1日(土)5月30日(金)6月26日(木)
11月1日(土)
平成25年
3月2日(土)6月15日(土)10月3日(木)10月19日(土)
平成24年
1月21日(土)2月29日(水)3月4日(日)4月21(土)
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平成23年
4月8日(金)4月15日(金)6月8日(水)6月10日(金)
6月30日(金)
平成22年
3月27日(土)7月16日(金)7月21日(水)8月18日(水)
9月5日(日)9月15日(水)9月18日(土)
平成21年
2月1日(日)4月11日(土)9月12日(土)12月19日(土)

第37回近畿眼科先進医療研究会

日 時:
平成27年12月19日(土)16:00~17:00
場 所:
円形棟3階 小講堂
講 師:
大阪大学大学院医学系研究科 認知行動科学研究室
七五三木 聡 先生
対象者:
近畿眼科先進医療研究会会員

研修テーマ:『広域視野情報の統合過程から考える
視知覚の形成機構 』

大阪大学大学院医学系研究科

認知行動科学研究室

七五三木 聡 先生

 

私たちが、瞼を開けてその前に広がる世界を見ることができるのは、脳の神経活動が見たモノ(網膜像)を視覚イメージとして意識化しているからに他ならない。何の苦労も無く見えてしまうために、見るための脳情報処理はとても容易なことのように思えてしまうが、実際に見る世界は、形・色・動きなど多種多様な属性の情報が混在しており、複雑で膨大な情報処理を必要とする。視覚系は各属性に特化した情報処理経路を設けてそれらを同時処理するとともに、各経路の情報を階層的に処理(並列階層的情報処理)しながら経路内・経路間で情報を統合することで、高速かつ合理的な視知覚形成を実現している。
しかし、①視覚イメージを意識化する過程においてどのような情報処理が行われているのか、②それにはどれくらの時間を要するのか、③関与する視覚領域、神経回路、ニューロンとはどのようなものなのか、などの問題が未解決のまま残されている。そこで、これらの問題の解明を目指して、同一の視覚刺激を用いたヒトの心理物理実験とネコの視覚生理実験を実施した。視覚刺激として、円形グレーティング刺激(ターゲット)とその周辺のアニュラスグレーティング刺激(マスク)を、それぞれ50ミリ秒間呈示した。ターゲットとマスクの刺激間隔を変化させると、ある特定の刺激間隔で刺激されたターゲットの見えは著しく妨害(マスキング)された。これは脳内におけるターゲットの情報処理が妨害されたことを意味し、それに対応した神経活動を示す視覚領野およびその神経活動の形成に関わる神経ネットワークが視覚イメージの意識化に重要な役割を果たすことになる。初期視覚系ニューロンには、受容野刺激によって誘発された反応が、受容野の周囲に呈示された刺激によって減弱する現象が知られており、受容野周囲抑制と呼ばれている。一次視覚野(V1)ニューロンの受容野周囲抑制の時空間特性は、ヒトのマスキング現象の時空間特性とよく対応していた。また、その受容野周囲抑制がV1へのフィードフォワード入力とともに高次領野からのフィードバック入力により形成されていることも明らかになった。そこで本講演では、これらの結果から考えられる視知覚形成の神経機構モデルを発表し、「ニューロン-神経回路-機能発現」を結びつけながらレベル縦断的な議論を展開したい。

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