「臨床と研究」誌より依頼あり、2010年8月30日寄稿
私の診療経験から
運動器医療を取り巻く医業類似行為
@ 千葉地裁国家賠償訴訟
平成15年、千葉地裁に国家賠償訴訟が提訴された。全国保険鍼灸師マッサージ師連合会と125名の鍼灸マッサージ師が国と民法委任を認めない健保組合を訴え、柔道整復師には認められている療養費の受領委任払いを鍼灸マッサージ師に認めないのは不当な差別であり、国民の権利も侵害するものであるから精神的慰謝料請求、謝罪広告、受領委任払いを要求したものである。これに対して平成16年1月判決があった。
判決内容は、柔道整復師に認められている受領委任払いは、そもそも不正請求や逸脱施術を見逃す危険性が大きく、健康保険法上容認し難いものであるが、昭和11年に患者の保護を図る必要から特例として認められたものであり、現在その合理性には疑義がある。しかし柔道整復は応急手当てなど、医師の同意なく施術できるので、その限りで医師の代替的機能を有し、何より対象となる疾患は、発生原因が明確な外傷に限られ、他疾患との関連が問題となりにくい。
ゆえに特例的措置として拡大されない範囲で運用されれば合理性がないとまではいえないというものであった。原告すなわち鍼灸マッサージ連合の敗訴であるが、その内容を要約すると@柔道整復師に認められている受領委任払いは健康保険法上容認し難い。
Aしかし柔道整復師が扱えるのは発生原因が明確な外傷に限られ、他疾患との関連が問題となりにくい。
Bゆえに拡大されない範囲なら合理性がないとはいえないというわけである。
それに対して鍼灸マッサージには@受領委任払いを認めることは適当ではない。その理由として鍼灸マッサージの療養費対象疾患の多くは外傷性疾患ではなく発生原因が不明確。鍼灸マッサージの場合治療と疲労回復などの境界が明確でない。施術を行う前に保険者が至急要件の確認を出来ない、というわけである。
柔整側にとっては一見喜ぶべき判決ではあるが、そうでもない。受領委任払存続の前提が実態と大きくかけはなれていて、もし同じ裁判官が鍼灸マッサージに受領委任払を否定した理由である@外傷性疾患ではなく発生原因が不明確なものがほとんどであり、それに対してA「疲労回復」施療が実は接骨院でも中心であるという実態を知ったら、直ちに受領委任払いを否定するに違いないからである。
A 受領委任払制度
さてこの訴訟に出てくる柔道整復師への受領委任払制度について簡単に述べると、判決には「昭和11年に患者の保護を図る必要から特例として認められたものであり、現在その合理性には疑義がある」というわけであるが、昭和11年当時はいわゆる整形外科医なるものは1000人程度であったから柔道や労働現場で骨折や脱臼が発生したら応急の整復や固定は誰か経験のあるものにやらせよう、警察官は皆柔道整復の経験があるのでちょうどよい、退官した彼らを認定しよう、ついてはその場で患者さんに支払わせるのではなく、柔道整復師が後で患者さんの代わりに支払いを受ければよい事にしようと認められたあくまで特例である。しかし施療内容も請求額も患者さんが知らないでよい制度であることから水増し請求や架空請求といった不正請求の温床となり、柔道整復業界に大変な甘い汁を生み出すことになり、隠れていながら大金持ちの柔道整復業界であったし、平成19年度にはなんと3300億円以上の大盤振舞を許すところまで「発展」してきたのである。これが正当な医療に値するものに対する支払なら誰も文句は無い。しかし鍼灸マッサージ師たちは、おかしい、あまりにも不公平だと訴えたのである。なぜか。医療とは呼べない慰安施療に対する支払いだから、それなら自分たちも慰安施療なのだから同じ甘い汁を吸わせろと言うわけである。判決はその訴えを退けた。
余談になるが原告の鍼灸マッサージ師側はこの判決で完敗ではなく、乾杯しているのである。なぜかというと制度としての受領委任払は認められなかったが、それまでにもあった民法上の受領委任払い手続きに関してはむしろ公認されたと解釈したからで、事実、提訴以降はそれを認めない保険組合はほとんど無くなったと報告している。彼らにも受領委任払システムはちゃんとあるのである。
B 福岡地裁判決
昭和30年には柔道整復師養成専門学校数は5校にすぎず卒業生数は 121人であった。それが44年たった平成10年でも14校, 定員1050名であった。ところが福岡地裁で平成10年秋に柔整専門学校新設の必要性の不存在 (厚生省)に対し「柔道整復師数が増大することは、そのサービスを受ける国民にとっては、その施術内容その他 医療サービスの内容等により、柔道整復師を選択できることとなり、国民にとって利益になることはあっても、不利益にはならないものである」という判決が出たのである。柔道整復をあたかも医療サービスであると誤認した判決である。それで厚労省が敗訴した。それまでは学校数と卒業生数を厳しく制限し、維持されていた閉鎖業界に数千億円もの医療費が注ぎ込まれていたので柔道整復師達は大変な高収入を謳歌していた。その高収入ぶりはゴルフの掛け金にとどまらず、沢山の子弟・親族を私立医科大学に送りこみ、整形外科医にしたことに顕れている。そしてその甘い汁に学園産業が目を付けないはずがなく学校を作らせろと厚生省を相手に福岡で提訴し、勝訴したあとは当然のように柔道整復師専門学校が乱立し始めた。敗訴した厚労省は申請を認めないことが不作為であると“判断”して学校を認定し続け、なんと平成20年には 96校に8607名、そして平成21年には9205名が入学しているのである。 そして就業柔道整復師数は平成10年の29087名が20年には43946名と150%増。柔道整復の施術所(接骨院、整骨院)は平成10年の23114所が20年 34839所と、これまた150%増である。これほどの乱立が生み出した混乱を想像することはたやすい。不正の驚くほどの拡大と、深刻化である。金の流れの深刻化と、国民のいのちが脅かされる深刻化である。
C 全国保険医団体連合会の調査
柔道整復業界の実態をしるべく、保団連が調査した。すなわち平成19年度の柔道整復師のレセプト3680万件中99.2%が打撲捻挫であった。これが同時に行った整形外科診療所の5820万件のレセプト調査ではたった6.1%であった。また3部位以上の外傷が柔道整復レセプト中の何と50.5%を占めた。整形外科では2.4%である。接骨院が外傷センターとなって救急車が多発外傷患者を運びこんでいるのだろうか。そんな現場は誰も見たことがない。整形外科診療所に来る患者さんのうちけがで駆け込んでくるのが100人に6人程度というのは想像がつく。交通事故や転倒で3部位以上の診断が必要な患者がそのうち3人に一人というのは我々の経験でもある。
接骨院で打撲捻挫の病名がつけられているレセプトの少なくともその9割が判決文で言うところの「外傷性疾患ではなく発生原因が不明確なもの」に位置付けられるものであり、その半数が3部位以上の多発外傷であるとするのは、いままで誰もがやってきたことだから「ついでに」「慣習的」に請求している不正実態に他ならない。
D「慢性外傷」なる暴論
明らかな不正であるのに、堂々とそれが請求され続けていることを示している上の調査結果は何を意味しているのであろうか。外傷は誰が考えても、医学的にも受傷機転や日時が明らかなものであり、それが打撲や捻挫というものである。打撲・捻挫は受診患者さんの6.1%。そして転倒事故や交通事故などで3部位の多発外傷が2.4%というのが上述したように著者の外来実感であり、医学的にも法的にも正当な数字である。患者さんの6.1%の打撲・捻挫をどうやれば接骨院で99.2%まで膨らませる事が出来るのだろうか。それは微小な外力が慢性的に加わって発生した症状はすべて「外傷」なのだという「暴」論に立つからである。もちろん医学的にはそのような原因によって発生する変性疾患は外傷の範疇に入るはずもない。変形性関節症や変形性脊椎症、また柔道整復師に縁が深いはずの、繰り返す外力による、いわゆるoveruseに基づくスポーツ障害ですら独立した疾患単位である。柔道整復では本来骨折・脱臼などしか保険取り扱いしてはいけないので、受診者の大多数を占める「外傷性疾患ではなく発生原因が不明確な」腰痛や肩こりを療養費請求できる正当な項目がない。そこで仕方なく肩コリは頚椎捻挫、腰痛は腰部捻挫にする、そして「習慣的に」3・4部位まで施療したと請求しているのである。はじめは良心的に請求していた柔道整復師がいるとしても、これほど簡単に収入が増えるのなら、そしてだれもがやってきたのならと誘惑に負けて不正請求に手を染める。さらに患者さんに「満身創痍」「被虐待」病名や請求額を知られないですむ受領委任払という特例のおかげで、こういう不正な異様な請求実態が見て見ぬふりをされ、これも「習慣的」に保険組合から支払われ続け、そして柔道整復師のかっての法外な収入、そして今も生活の糧であり続けているのである。平成19年度にはなけなしの医療保険資産の中からこれに3377億円もが出費された。
E 後始末需要
上記の3377億円が、患者の疾病に対する正当な医療費なら問題は無い。柔道整復業界や統合医療業界が主張するようにそれによって医療費の節約になっているのならなおさら結構である。
しかしそうではない、全くの無駄金として支出されているだけではなく、本来の治療の医療費コストを一層押し上げているから問題なのである。 それが基礎疾患の見落としによる手遅れや不適切な施療によるあらたな傷害に対する後始末重要であり、これが増え続けていると言わざるを得ない。私が10年前にこの業界に関心を持たざるを得なくなったのも、自分の外来で医業類似行為による被害例があまりにも目立ったからである。たとえば肝臓がんの上腕骨転移にマッサージして骨折させたり、転移性骨盤腫瘍があるのに受診前電気治療し続け入院4ヶ月後に死亡したり、頚椎椎間板ヘルニアで接骨施術以降麻痺例、腰椎巨大ヘルニアがあるのにもんで膀胱直腸傷害をきたした例など枚挙にいとまがないのである。これが全国調査となるとさらに膨大である。つまり医業類似行為の名のもとに、しかも公的資格と医療保険により逆に国民が被害者となり、命を危険にさらされ、そのために貴重な医療費が2重に消費されているという構図なのである。
F 柔道整復師の業態
柔道整復という職種は戦前の退職警察官達の退職後の食いぶちになるようにと与えられたものである。彼らは柔道家であったから、当然脱臼、骨折の治療はお手のものであった。そして「骨接ぎ」の名のもとに戦後も医療の陰に隠れて存在していたのである。そして途方もない高収入を維持するために、世間から隠れておれるように、できるだけ新しく柔道整復師を作らないようにと柔道整復師養成学校の数を制限し、入学できるのは柔道整復師の子弟縁者だけにしてきた。その頃はもちろん柔道が必修であり、入学や開業に際しての長期の無料奉公や徒弟制度もきびしく、実習も十分行われていたからそれなりに安心でもあった。私が若いころ有名な柔道整復師からの紹介が大学にあるたびにその正確な診断に上司が一目置いていたのを思い出す。彼らには自分たちのテリトリーに属さない、あぶない病態を感じとる技術があったのである。
ひるがえって今は大都会では違法接骨院チェーンが花盛りである。おそらく裏社会もかかわって不正は大規模化している。チェーンには属していない個々の接骨院も、違法であることを知って癒しやエステの看板まで掲げ、無料マッサージ券を配るようになっている。そしてそれに惹かれた来院者を患者にしたてて不正に療養費請求するようになっている。一旦来院した人は医家に紹介することなどなく、ずーっと金蔓として取り込んでしまいたくなるような過当競争状態である。ここに基礎病態の見逃しや、漫然施療により正当な医療をうける機会を奪われる患者が増加し、さらに傷害該当事例も増えるのである。
G 柔道整復師の法的限界
柔道整復師が法に定められた骨折・脱臼、そして打撲捻挫といった急性外傷に応急処置をした場合に限り、本人や家族が上記の傷害事例などを告発しても過失傷害や過失殺人は適用されないであろう。たとえ裁かれたとしても「業務上」の罪となろう。
しかし急性外傷以外、すなわち柔整レセプトの99%を超える打撲・捻挫患者はおそらく急性外傷ではないので、もしその施療などで傷害事例や見逃し事例が発生すると、これからは捜査され刑事告発されかねない時代になっている。これまでもこのようなトラブルは常態化していたが、柔整師の所属する団体の長が登場し、あの手この手で説得し示談和解で済ませてきたわけである。しかし昨今、異常死が喧伝され、医師によるまっとうな医療行為ですらお粗末にも刑事告発される時代である。柔道整復師らの業務は非常に危ういと言わざるを得ない。患者が「誤診であった、医師と柔道整復師の違いを教えてくれなかった、柔道整復師が診てはいけない慢性病態であるのに漫然と通わされ悪化した、癌の転移が見逃されて寿命が縮められた」等々、クレーマーにとっては何でもありである。よほど後始末状態が悪性であれば医師も告発に協力せざるを得ない。警察が乗り出して捜査され「業務上」がつかない傷害罪、殺人罪に柔道整復師はこれから問われる流れのように思える。
H 療術系の医業類似行為
本稿は医業類似行為についての依頼であるから、いわゆる療術系の代替医療全体に触れざるを得ない。運動器愁訴に携わる代替医療には国家免許を付与されている職種として上述した柔道整復師、そして鍼師、灸師、あんまマッサージ指圧師などがある。そして、外国では国家資格であるが日本では名前だけで実態は民間療術であるカイロプラクティークなどあり、整体、リフレクソロジー、ほか無資格マッサージや無数の療術が存在している。医学博士から3日間促成カイロまで参入し、階層化、差別化は激しいが一般国民にはそれらの違いはなかなかわからない。
Eでも述べたが、無視できないのはそれらによる施術被害、あるいは見落とされ被害というべきものである。整形外科外来患者の1−2割は類似行為を経由して来院し、よくならなかっただけならまだしも、カイロ、整体、療術では脊椎・骨盤のずれ、ゆがみを矯正するといわれて暴力的施術をうけ、椎体骨折や横突起骨折、脊髄麻痺、脊椎、神経損傷をきたすことがまれではなく、マッサージ・指圧では「もみおこし」と称して施療を続け悪化や異常な慢性化を誘導している。柔道整復による骨折の見落し、骨折のマッサージによる変形・偽関節、そして悪性腫瘍転移の見落としから手遅れ例も含め、その後始末需要の増加も本来の運動器医療にとって大きな問題である。
I カイロプラクティック
2005年のデータであるが米国には16のカレッジがあり、ドクター・オブ・カイロプラクティック(D.C.)が4万8千人いる。40ヶ月の教育後、各州で開業試験が行われ、米国では地域で開業し、コストの安い運動器治療者として重宝されている。しかし日本のカイロプラクティックの実態は上述したアメリカで正規の教育をうけた者もわずかながら存在するとはいえ、15000人程度が自称、自認し、13000施設を擁する業界であり、そして資格商法とマルチ商法を組み合わせた詐欺団体も暗躍するような、法的無資格で危険な業界である。柔道整復師でカイロや療術の看板をかかげて慢性運動器疾患に対応しようとしているものもいるが、柔道整復師の急増を背景に、ここからもさらに療術被害が発生する素地がある。
J はり・きゅう業界
平成22年度各種学校の入学定員を調べると鍼灸学校は3990人。あんまマッサージ指圧1563人の入学者である。鍼灸業界の構成人数は約15万人であるがあんまマッサージ指圧も含めると23万人で、しかもこれも学校産業のターゲットになっており、上記のように毎年5500人ずつ乱造される状況は柔道整復師と変わらない。実習経験も乏しい新人晴眼鍼灸師などがこの数でそのまま参入すると、鍼刺入という明らかに患者への侵襲施術であるので、多くの副作用や、気胸など既に報告されている合併症が増加し、それこそ国民の健康を損なう。医療保険からは6つの慢性病態(腰痛、50肩、頚腕症候群、リウマチ、神経痛、頚椎捻挫後遺症)に対して療養費が支払われる。しかしそれには厳格に医師の同意が必要とされ、療養費支給額は柔整療養費の約1割程度であるために、やっていることは変わらないのに不公平すぎると@で述べた千葉地裁国家賠償訴訟のような訴えになるのである。彼らは政治家を動員して同意書の発行条件文言(西洋医学では手段なし)を削除して形骸化させ、発行をスムースにすること、医科との併給を可能にすること、また変形性関節症など運動器疾患への適応を広げるようにと運動中である。また運動器以外の適応として癌性疼痛、膠原病、いわゆる難病、緩和医療、糖尿病性神経障害などにも適応を広げつつあり、小児鍼も盛んである。現在20余の大学病院をはじめ、多数の病院で主に麻酔科・ペインクリニックを中心に鍼灸の導入が図られている。鍼灸は混合診療の端緒となる領域の一つであり、たとえば東大病院では自由診療という形で数年前には一回4000円を材料費名目で費用を患者から徴収し、鍼治療を行っていたが、ほかでも無料サービスや条件付き診療などが導入されつつある。しかしこれによって患者を奪われることになる開業鍼灸師にとっては、あるいは団体にとってにがにがしくもある大きな問題なのである。
K あんま・マッサージ・指圧業界
この業界も多くの問題を抱えている。 国民のニーズに対して供給が少ないことも問題かもしれない。すなわち鍼灸学校や柔道整復学校は作りたい放題で、両者共に乱立しているが、あんまマッサージ指圧だけは、上述の入学定員1500人程度で推移している。視力障害者の保護のために学校の新規開設があまり認められていないのである。その結果、もともと真似しやすい技術であり柔道整復師も柔整マッサージと名乗り、スポーツ、クイック、足つぼ、タイ式とありとあらゆる接頭語のつく無資格マッサージが百花繚乱である。マッサージでも医師の同意により保険が適用されるが、昨今はこの同意をやはり形骸化させるように政治家が動かされている。そしてこれまでせいぜい医療マッサージ255円で請求していたものを、さらに高度な拘縮軽減のための変形徒手矯正術530円で一律に不正請求したり、そう指導する団体まで現れ、マッサージ療養費がこれまた急増しているのである。
L 終わりに
運動器の症状や痛みというものはもともと個人的で主観的なものである。痛みを発症する基礎状態、痛みを意識する精神心理状態はヒトすべて異なると言ってよい。そのために伝統的に様々の医業類似行為が生み出され、超高齢社会のこれからは放送・マスコミなどにあおられて一層膨大な需要が喚起されるに違いない。これは疲労したら起こる毎度の症状だから病院に行くほどではない、気持ちのよい慰安施療をしてもらおう、それに保険がきけばなおさら結構という確信的受診者が増え、医業類似行為は肥大し続けるであろう。
もちろん医業側も問題なしとはしない。癌性疼痛に許されている鎮痛加療を運動器の慢性疼痛にも過剰に適用させようと狙う部分が医学会にも、製薬会社にもある。医業類似行為にしても医業にしても、運動器の痛みに対し不安感の強いヒトをターゲットに設定して商売しようという事に変わりは無い。しかし医業本来の治療は単純な鎮痛ではない。その不安をターゲットにし、痛みに対して自分で戦えるという意識変化を患者にもたらすものでなければならない。こういった手段は医業類似行為者たちが口八丁手八丁で駆使してきたのである。それこそ、すなわち心療医学的治療こそ医業が取り戻さなければならないし、それが報いられる制度にならねばならない。