第9回
Granulomatous inflammation(肉芽腫性炎症)
CASEATING GRANULOMAS 乾酪性肉芽腫
・aggregates of activated macrophages (類上皮細胞epitheriod cells)
・tuberculosis(結核)
NON-CASEATING
GRANULOMAS 非乾酪性肉芽腫
・sarcoidosis(サルコイドーシス)
・fungal infection(真菌感染)
・foreign-body reaction(異物反応)
肉芽腫はマクロファージの増殖と変容が主役で,さらに線維芽細胞の増殖と膠原線維の増生を伴う.
主な病態はマクロファージの活性化とTリンパ球の活性化です.
類上皮細胞はマクロファージが自らの保有する酵素で処理しきれない物質を大量に貪食しした場合にできるもので,複合脂質が最も起こしやすいといわれています.
巨細胞は複数のマクロファージの融合によります.細胞膜の流動性に変化をきたすような脂質,ウィルス,化学物質を貪食したり,それに触れただけでも起こしうると考えられています.
代表的なものの肉芽腫をまとめますと
1. 結核:類上皮細胞+Langhans型巨細胞+乾酪壊死+リンパ球
2. 梅毒:形質細胞+線維芽細胞+新生毛細血管+ゴム腫様壊死
3. 真菌(放線菌):好中球+マクロファージ+線維芽細胞
4. 珪肺:線維芽細胞+膠原線維
肉芽腫性炎をきたす原因物質
1]生物:
1)真菌:Actinomyces, Blastomyces,
Cryptococcus, Aspergillus, Candida
2)細菌など:Tuberculosis,
Lepra, Brucellosis, Tularemia, Lues, Catscratch
disease,Toxoplasma, Chlamydia
3)ウィルス:Infectious
mononucleosis(EB virus), Lymphogranuloma venerum,
2]無機物など:Zr40, Ni28, Be4, Si14(SiO2),asbestos, Ti,
polyvinyl, Lipid, 異物
3]有機物:農夫肺,サトウキビ肺,養鶏肺など
4]原因不明:sarcoidosis, Lofller肉芽腫症,
Wegener肉芽腫症, Midline肉芽腫症,
Crohn病
5]アレルギー・自己免疫・膠原病:
1.血管炎群
1) PN, 2)MRA, 3)PSS, 4)SLE, 5)Churg-Strauss,
6)高安病, 7)梅毒, 8)側頭動脈炎,
9)川崎病
2.膠原病:1)RF,
2)RA, 3)PSS
3.疾患モデル:1)MRL/l, 2)SL/Ni,
3)adjuvant関節炎
[参考画像]
a. b.
c.
a.12歳,女児.眼瞼皮下の異物肉芽腫、 b.肺結核(結核結節).中心部に乾酪壊死がみられる.d.サルコイドーシス.非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がみられる.
[演習問題]
乾酪性肉芽腫がみられるものはどれか.
a. 梅毒
b. 異物反応
c. サルコイドーシス
d. 肺結核
e. クローン病
f. 珪肺
g. 原発性胆汁性肝硬変症
正解:d