近畿大学医学部公衆衛生学教室の紹介

教室運営の方針
教育
研究
教室の設備


●教室運営の方針 ▲上に戻る
  One for all and all for one.
   

基本的には教室員それぞれが独立して仕事をするが、人数が少ないので、学生教育や人手を要する調査などは全員が協力して行う。1+1を3にすることを目指す。

  Education comes first.
   

大学は教育機関です。研究にはもちろん力を入れるが、教育で手を抜くことは許さない。

  Make evidence with original papers.
   

地道に研究し、原著論文をコツコツ書くことで勝負しよう。



●教育 ▲上に戻る
  【1年】 後期に公衆衛生学実習的なものをearly exposureとして行っています。近隣の保健、福祉、公衆衛生関係施設の見学が主体です。教員1人が学生1班を受け持ちます。
 2年から始まる本格的なテュートリアル教育の前段階として、課題を与え、学生が自学自習する練習を、やはり後期行います。本教室でも1班8人を担当します。教員1人が回り持ちでテューターとしてつきます。
     
  【2年】  近畿大学医学部では新しい医学教育方略としてテュートリアル教育を取り入れています。カリキュラムは臓器系統別のコースからなり、1〜3週間を1つの単位として組み立てられています。教育上は教室の壁はなくなり、1つのコースを複数の教室で担当することもあります。基本は従来型の講義ですが、週に3回、各1コマのテュートリアルが組まれています。2年生のテュートリアルのテューターは基礎医学教室が出すことになっており、各教室が毎週1人、36週分出します。これを教室員で分担します。
     
  【4年】

衛生学・公衆衛生学コース

衛生学・公衆衛生学のコースが4週間あり、その内の2週間を公衆衛生学教室で担当します。コースの責任者は教授、週の責任者は助教授か講師です。1週目は予防医学と疫学、2週目は保健・医療・福祉のシステムで構成しています。週の責任者は1週ごとに完結するテュートリアル用の事例を作成し、それを基にテュートリアルを運営します。助手は演習とコース・テュートリアル運営の補助をします。

     
  【6年】  国家試験対策として公衆衛生学領域のまとめの冊子を作成しています。執筆は講師以上で行い、助手はその補助をします。
     
  【試験】  2、3、4年生の試験は各コースの終わりに行われます。また、4年生の最後にクリニカルクラークシップに入る資格試験である総合試験と共用試験CBT (Computer-based testing)を実施しています。5年生でも国家試験風の試験が2回あり、6年生では卒業試験が2回あります。試験は5者択一の国家試験式客観試験で、いずれにも公衆衛生学が出題します。問題は教室員が分担して作成します。試験が終わり次第、問題ごとに正解率と識別係数(その問題ができる学生とできない学生を識別できるかどうかの指標)が計算され、出題者が評価されます。
  【大学院教育】  大学院生は現在2人で、大学院特別研究生が1人います。講師以上で担当を決め、教育と研究指導をしています。
  【臨床研修】 臨床研修必修化に伴い、初期研修2年次の地域保健医療研修のプログラム責任者に伊木が就任しており、研修協力機関のコーディネイトをしています。


●研 究 ▲上に戻る
   本教室が中心になって実施している研究プロジェクトを挙げました。完成の域に近づいているものから取り掛かったばかりのものまでいろいろあり、新戦力を求めています。

【骨折・骨粗鬆症予防関係】

○骨粗鬆症の疫学的特性の解明とその予防をめざして、1996年に初めての全国調査JPOS Studyを実施。全国の7市町からの無作為標本約4000人について骨密度などの調査。骨密度の標準値や骨粗鬆症有病率を明らかに。1999年と2002年に追跡調査を実施。2006年は3地域の満10年になる追跡調査を実施中です。これは教室を挙げて取り組む調査です。 N Nutr (2006), Osteoporos Int (2006,2004,2001), Osteoporos Jpn (2001), Osteoporos Jpn (1998)など
  ○主にJPOS Studyのデータを用いて骨代謝への遺伝子多型とライフスタイル要因の複合影響を評価。主にビタミンD受容体遺伝子、Cdx-2欠同部位多型、エストロゲン受容体遺伝子、オステオカルシン遺伝子、TGF-β遺伝子など検討。まだまだ、他の遺伝子も検討予定。 Int J Epidemiol (2004), Calcif Tis Int (2005,2002), Arch Complex Environ Studies (2002), J Bone Miner Res (1998)
  ○JPOS Studyの対象地域の小学4年から高校3年の男女1300人を1996年に前腕骨骨密度を調査。若年者の骨量獲得要因を評価。1999年、2002年に追跡調査を実施。まだBaseline studyしか論文になっていません。 Osteoporos Int (2000), Ann Human Biol (2003)
  ○JPOS Studyの3回の調査時にHologic社製QDR4500Aによる胸腰椎のデジタルイメージングを実施し、椎体骨折の有病率、罹患率を把握すべくイメージの解析中。2002年調査時には問診で臨床的骨折を把握。これらより骨密度だけでなく、より重要な骨折のリスク要因を検討中。
  ○超音波骨密度測定器の精度の評価や測定環境温度の影響評価。日本人成人女性、小児の標準値、ならびに骨粗鬆症診断のためのcutoff値を提案 J Bone Miner Metab (2004, 2件), Calcif Tis Int (2002), Osteoporos Int (1999)
  ○大腿骨頸部骨折患者の退院後の状況を追跡し、超過死亡の実態とADLに影響する要因を明らかに。
Environ Health Prevent Med (2001, 2件)
○最新のエビデンスを地域保健の現場に届ける実践ガイドラインの1つとして骨折・骨粗鬆書予防ガイドラインを厚生労働科学研究などによって作成。2004年10月刊行。 日本衛生学雑誌(2003), 「地域保健におけるエビデンスに基づく骨折・骨粗鬆症予防ガイドライン」(日本公衆衛生協会から2004年10月出版)
○女子大生約400人の腰椎、大腿骨骨密度を入学時から3年間追跡。骨密度は30代女性より低く、すでに低下傾向。将来の骨粗鬆症増加と、若年成人女性の低カロリー、低カルシウム摂取、低体重の問題を指摘。
  ○中国内モンゴル自治区住民の骨代謝調査。草原住民ではフッ素暴露と骨吸収に正の関連を報告。これまでの常識と逆の結果。富山医薬大、富山衛生研究所、内モンゴル医学院との共同研究。
 Osteoporos Jpn (1999)、日本農村医学雑誌

【小児保健関係】

  ○大阪府内の全公立小学生(最大80万人、少子化の現在でも45万人!)の自覚症状調査を過去30年にわたって実施中。古くは大気汚染の影響評価、最近ではアトピー性皮膚炎の動向とリスク要因などを明らかに。 Environ Res (2004), Clin Exp Allergy (2003), Br J Dermatol (2001)
  ○大阪府某市の中学生の自覚症状調査。道路からの距離と自覚症状との関係、母乳栄養とアトピー性皮膚炎の関係などを明らかに。
Acta Paediatr (2004), J Epidemiol (2002)
  ○京都の某私立中学高等学校の中学1年男女約400人を対象に腰椎、大腿骨頸部骨密度を調査。現在5年目の追跡を完了。最大骨量獲得に重要な要因を明らかになる予定。 J Bone Miner Metab (2005)
  ○福島県の某町では2001年に小学4年から中学3年の男女600人の腰椎、大腿骨頸部骨密度を調査。我が国初めての小児の中軸骨断面調査。2004年には追跡調査を成功裏に実施。骨密度上昇だけでなく、骨折リスクの低減に寄与する要因を解析中。 Osteoporos Jpn (2003)

【自殺の疫学関係】

  ○1998年の自殺率急上昇の原因を探るため大阪府と全国のecological studyを実施。経済要因の重要性を確認。J Epidemiol (2002, 2003)

【最近の研究費取得状況

講座研究費は毎年約450万円ですが、運営経費を差し引くと研究費は300万程度です。研究費の割り振りはプロジェクト制ですから、よい研究には多くの研究費が割り振られ、黙っている人には割り振られません。伊木が教授就任後、本教室で学外より獲得した研究費は以下のとおりです。
2006年 科研890万(伊木) 科研160万(甲田) 科研310万(玉置) 科研110万(由良)
科研220万(池田) 厚労科研800万(伊木) 牛乳栄養学術研究150万(伊木)
健康管理事業団50万(玉置)
2005年 科研60万(伊木) 科研90万(森田) 科研50万(由良) 科研70万(池田)
牛乳栄養学術研究150万(伊木) 骨粗鬆症財団80万(池田)科研150万(玉置)
2004年 科研300万(伊木) 科研270万(森田) 科研110万(由良) 科研160万(池田) 厚労科研長寿科学100万(伊木) 牛乳栄養学術研究150万(伊木) 健康管理事業団50万(玉置)
2003年 科研450万(伊木) 厚労科研長寿科学100万(伊木) 牛乳栄養学術研究150万(伊木) 三井住友海上福祉財団100万(伊木) 千代田保健福祉財団100万(森田)
2002年 科研760万(伊木) 厚労科研800万(伊木) 科研50万(森田) 科研80万(由良) 科研240万(相原) 明治生命100万(相原)
2001年 厚生科研800万(伊木) 代謝性骨疾患研100万(伊木) 科研150万(森田) 科研170万(由良)
2000年 科研150万(伊木) 日本医師会150万(伊木) 代謝性骨疾研100万(伊木) 科研110万+特定C400万(森田)
1999年 科研450万(伊木) 千代田生命100万(伊木) 代謝性骨疾研100万(伊木) 科研100万(森田) 明治生命100万(森田)
1998年 科研640万(伊木) 厚生科研 560万(伊木)


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  ○教授室、助教授室、講師室、助手室、図書集会室、セミナー室各1
  ○実験室1 JPOS StudyのDNA、血清等を保管。遺伝子多型決定等実験機材(ABI Prizm7700、PCRタカラTP3000、ファルマシアバイオテク GenePhor電気泳動ユニット、ゲル撮影装置UVP GDS-7500など)。
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