PUBLICATIONS

Go to List of articles →

2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

近畿大学脳神経内科の代表的な論文 【簡単な解説と論文リンクつき】

神経変性疾患部門~

蛋白質安定化作用を持つアルギニンが異常伸長ポリグルタミン蛋白質の異常βシート構造転移・凝集を阻害して、ポリグルタミン病モデルマウスへの治療効果を発揮することを見出しました。現在、脊髄小脳失調症6型患者さんを対象とした医師主導治験を実施しています。

 

脊髄小脳失調31型(SCA31)の原因となるUGGAAリピートRNAに結合するTDP-43が、RNAシャペロンとして働いてRNA fociおよびRAN翻訳を抑制し、神経変性を抑制することを見出しました。

 

蛋白質のミスフォールディングを防ぐ分子シャペロンが、エクソソーム経路を介して細胞外に分泌されて遠隔の細胞・組織における神経変性を抑制することを示し、非細胞自律的な治療効果を発揮することを初めて見出しました。

 

異常伸長ポリグルタミン蛋白質は、アミロイド凝集体を形成する前のモノマーの段階でβシート構造への異常構造転移を生じて細胞毒性を獲得することを初めて明らかにし、QBP1は異常βシート構造転移・凝集を阻害して神経変性を抑制することを示しました。

 

異常伸長ポリグルタミン鎖に結合するペプチドQBP1を同定し、異常伸長ポリグルタミン蛋白質の凝集阻害による細胞毒性抑制効果を初めて証明しました。

 

 

神経免疫疾患部門~

本邦のギラン・バレー症候群の後ろ向き調査においてGD1a抗体が長期予後に関連し、mEGOSと組み合わせることでより高率に予後不良例を抽出できることを見出しました。

 

GQ1b抗体陽性のビッカースタッフ脳幹脳炎の特徴として、先行する上気道感染や感覚障害が多く、脳脊髄液の細胞数や蛋白値が低く、頭部MRIでは異常が少なく、意識障害の回復が早いことを報告しました。

 

インフルエンザウィルス感染後のギラン・バレー症候群関連疾患ではGQ1b抗体陽性例が多く、ギラン・バレー症候群では脱髄型を呈することが多いことを報告しました。

 

LM1関連抗体陽性の慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーの特徴として、脳神経麻痺が少なく運動失調を呈することが多く、免疫治療の反応が良好であることを見出しました。

 近畿大学脳神経内科としての代表的な業績(説明つき)

2023/03/31 17:05

Top