
先端に小型のポンプが付いたカテーテルを足の付け根にある動脈より挿入し、心臓の中に留置することで「血液を左心室から汲み上げ大動脈に送り出します。これにより心臓(特に左心室)を休めることができ、さらに全身にも十分な血液を送る」ことができます。この補助循環を行うことで以前の治療法に比べ、より少ない侵襲で心原性ショックを治療することができ、また救命率を上昇させることが期待されています。当院では2019年9月より、このデバイスを用いた治療を開始しました。
TAVI( transcatheter aortic valve implantation)は、大動脈弁狭窄症患者さんの傷んだ大動脈弁内側にステント付き生体弁をカテーテルを用いて留置する新しい治療法です。実施には厳しい施設基準がありますが、当院は2016年12月にTAVIの施設認定を受け、2017年2月から治療を開始しました。従来のように大きく胸を切らず、人工心肺装置を使用しない低侵襲な手術方法で、高齢で合併疾患を持たれている患者さんには特に有効な治療法です。
2011年から人工心臓を体内に装着する植込型補助人工心臓の保険治療が本邦でも可能となりました。
当院は国内でも数少ない補助人工心臓装着実施認定施設で、南大阪以南の近畿南東部では唯一の同治療実施施設です。
拡張型心筋症、虚血性心筋症、心筋炎などが原因で高度に心機能が低下し、内科的治療で十分に心機能が回復しない方には、植込型・体外設置型補助人工心臓装着などの重症心不全外科治療を24時間体制で積極的に取り組んでいます。
本邦で保険承認されている植込型補助人工心臓は4機種あり、この全てが当院で使用可能です。
大動脈解離に対するステントグラフト治療は保険適応外でしたが、本年から保険適応となりました。
大動脈解離に対する治療の選択肢が多くなり、患者の状態に応じた治療法を選ぶことができます。
また、B型解離では薬物治療が第一選択とされてきましたが、ステントグラフトの適応で治療指針そのものが大きく変化する可能性があります。
B型急性解離に対する早期のステント治療でB型大動脈解離の予後を改善できる可能性が生まれています。
当科は2015年から国内約30施設で行われる大動脈解離用の日本初保険適応デバイス初期臨床治験参加施設になりました。
より積極的に急性期の大動脈解離治療、慢性期の拡大予防への治療を行ってまいります。
心臓血管外科手術にチャレンジ!
今回は11名が参加した熱気あふれるWet Laboでした。
心臓血管外科手術にチャレンジ!
4学年、5学年、6学年合わせて15名が参加しました。
【心臓血管外科Wet Labo内容】
心臓血管外科教室員の指導で、心臓の解剖の学習・冠動脈バイパス術・大動脈弁置換術、豚心臓使用の模擬手術
などを体験しました。熱気あふれるWet Laboでした。
2010年度の手術統計を更新しました。
手術実績はこちらから >>2010年 年間ステントグラフト件数が50件を超えました
手術実績はこちらから >>MICS 低侵襲心臓手術は手術後の回復も早く、正面からはほとんど傷がわからない、などのメリットがあります。
詳細はこちらから >>