Department of Environmental Medicine and Behavioral Science
Kindai University Faculty of Medicine

                                                                     2年 社会医学Ⅰ                    

                                                              

●教員名  
●教育目標
●授業計画
●講義・レポート
●評価
●発表会

1.教員名

        教 授     ○ 奥村 二郎(環境医学・行動科学)伊木 雅之(公衆衛生学)巽 信二(法医学)
      
准教授      東 賢一
      講 師      水越 厚史
      助 教      中間 千香子


      
非常勤講師    公文 敦(医療法人康人会 適寿リハビリテーション病院 理事長)
              青野 明子(大阪国際大学人間科学部心理コミュニケーション学科 教授)
              佐々木昌弘(文部科学省高等教育局医学教育課 企画官
              早渕 仁美(奈良女子大学 特任教授)  
              柏樹悦郎(厚生労働省関西空港検疫所 所長)
              古閑 比斗志(千代田化工建設グローバル本社 産業医

      
                                                     

2.教育目標

1.関連ディプロマポリシー ?
 ①受講者は、プロフェッショナルとしての高い使命感と倫理観を持ち、人に愛され、人に信頼され、人に尊敬される医師を目指す。?
 ②受講者は、患者に対する思いやりと奉仕の精神、また、チームワークにおける協調精神を身につける。?
 ③受講者は、医師になるために必要な医学の知識と技能を修得し、さらに日々向上に努める。?
2.受講者は、以下の関連教育アウトカムを身につける。?
 ①倫理とプロフェッショナリズム?
 ②医学的知識?
 ③医療の社会性の理解
3.受講者は、キーワードについて学習する。
 社会医学、行動科学、環境医学、環境・衛生行政、健康リスク
4.学士力との関連性
①受講者は、医学、医療の歴史と現状を広い視野から学ぶことによって、今後学習する専門的医学や医療の社会全体における位置づけを体系的に理解する。
②受講者は、患者や住民と共同して地域医療を円滑に進めるために、いわゆる社会性を身につけ、人権を理解し、患者の苦しみや家族の気持ちを汲み取る素地を育成する。
③受講者は、臨床医として働く上で必要な健康管理や医療を動かす社会的な仕組みのあり方について、自ら考え、革新する態度を身につける。
④受講者は、筆記試験とレポート発表との両方の合格点取得を必須とする。
注)受講者は、期間中、1.を目指して、カリキュラムツリー全体の中の本コースについて、2.については既定の学習成果を得るため、行動医学における3.の各項目について、4.の観点から学習する。

受講者は、行動医学において、個体要因と環境諸要因の健康への関わりを学ぶとともに、医療・保健に取り組む際の健康づくりに対する行動をどう理解し、どのように働きかけを行うかを学ぶ。
ケーススタディでは、症例ごとに社会医学的な課題を整理し、関連する制度の現状や問題点を行動科学の観点を交えて学ぶ。また、発表・質疑では、発表の手法に加えて、個人個人が、自ら考え、他者との論理的な意見交換を心がける態度を学ぶ。

1.?受講者は、行動科学の理論と応用について、総論的に理解し、説明できる。
2.?受講者は、以下の公衆衛生の方法論、実務について、行動科学の観点を交えて説明できる。
 1)健康の概念と疾病予防について
 2)保健医療行政における保健所や医療機関、医療計画について
 3)医療政策の概念
 4)日本人の食事摂取基準、国民栄養調査の動向
 5)主要な食中毒の種類と特徴、予防法
 6)生活習慣病予防に係わる食品やその成分、栄養素の働き
 7)主要な生活習慣病の動向、リスクファクター
 8)生活習慣と関連した疾患と予防(糖尿病)
 9)環境要因と健康について
 10)環境汚染の歴史と取り組み
 11)地球環境の変化と健康影響
 12)内分泌攪乱物質、ダイオキシン類
 13)廃棄物処理
 14)憲法、医師法、医療法、医療関連の法律
 15)プライマリヘルスケアとヘルスプロモーション
 16)患者・家族の心理、健康の心理、医療従事者の心理
 17)心理コミュニケーション 20).感染症について、成立の要因、感染経路、免疫、流行
 18)屋内環境の管理の必要性
 19)高齢者や障害者に対する環境整備
 20)感染症について、成立の要因、感染経路、免疫、流行
 21)感染症法、予防接種法
 22)医師として、患者・家族に接する際のポイント
 23)終末期ケアに関する具体的な手法・手続き(COPD)
 24)医の倫理、患者の権利、インフォームドコンセント
 25)リスボン宣言、及び個人情報保護法、種々の倫理指針
 26)医師の責務を定める法律
 27)高齢者に対する医療福祉の制度や現状、課題
 28)わが国の社会保障制度
 29)障害者福祉、自立支援、新障害者プラン、障害者基本計画
 30)老人福祉施設、老人保健福祉計画、介護保険制度
 31)チーム医療(脳卒中)
 32)医療関連法規
 33)精神保健福祉施策(統合失調症、うつ)
 34)障害の概念・自立支援、ノーマライゼーション、バリアフリー
3.受講者は、健康と環境にかかる実習事項を理解し、いくつかの測定機器の操作を行うことができる。
4.行動科学の観点を交えて医療コミュニケーションの基礎及び現場での対応について例をあげて説明できる。
5.行動科学の観点を交えて厚生労働行政について、例をあげて説明できる。
6.受講者は、ケースについて概要を理解し、必要な検索を行い行動科学の観点を交えて発表・説明ができる。
7.受講者は、感染症対策の実施について、例をあげて説明できる。
8.受講者は、国際的な感染症対策の仕組みについて、実例をあげて説明できる。
9.受講者は、都道府県における保健医療福祉行政について、課題や実例をあげて行動科学の観点を交えて説明できる。
10.受講者は、ケースに関する行政施策や課題について自分の考えを論理的に行動科学の観点を交えて説明できる。

                                                                 

3.授業計画

【概要】
2年の行動医学は、カリキュラムツリーの上で、1年の学外施設実習と総合医学、3年の環境医学及び臨床実習の行動医学と垂直統合された科目で、医学部医学科の基幹科目です。卒業後必要となる公衆衛生学の全般及び医師国家試験に出題されるものと同等の事例や多彩な講師による実務事例を基に受講者自らが調べて考え発表し討論することにより講義を進めます。
【背景】
講義の背景としては、援助を必要とする患者や障害者、高齢者に対する日本の保健医療福祉のシステムが、公平性、経済性、専門性という観点から、先進国の中でも最も進んだ国の一つとなっているもののいずれのシステムも海外の事例を参考に制度化された後、国民経済と社会保障との関係性をはじめ、保健医療福祉関係者の熱意や努力に多くを依存する現状など、多くの課題をかかえている。介護保険や障害者福祉、難病の制度など海外では望んでも構築出来ない制度も多く、海外の先進事例に頼ることも選択枝になく、医療関係者を始め国民の英知や先進的な思考によるわが国独自の改革が求められている。このため、基礎的な現状に関する知識を得たところで、それぞれの問題点を整理し、国や自治体を含めた地域の政策・制度の立案などを含め、将来の制度運用を担い、また医師としてのリーダーシップを求められる個々の学生が、環境医学や行動科学、衛生行政の課題について、常に自ら考える態度や習慣を身につける必要がある。
【授業の事前準備や事後の展開に必要な学習の方法】
(1)グループごとに図書を貸与します。
(2)行動医学発表・討論では、班全員出席の上、学会口頭発表形式の事例発表・討論会を開催します。
(3)レポートの提出や筆記試験では、①わかったこと、②①について自ら考えたことを、他者に理解してもらうことを目的として論理的に記載するなど、指示に従ってください。
なお、講義・発表などでは、席を指定します。カードリーダーに加えて、着席の有無により出欠をとりますので、指定外の席や、遅刻、途中退出は講師からの特段の指示ががある場合以外は欠席となります。

注1)「レポート作成など」の時間は、学外に出ないでください。
2)遅刻した場合には、レポート用紙や試験用紙を配布しないことがあります。
3)学生の提出した全てのレポート及び発表スライド、発言内容などは、教室ファイルに記録されるとともに、教室HPや製本資料などにおいて公表・公開される場合があります。(個人名がわからないように、イニシャルをつける場合もあります。)本文または個人名の掲載・公表をなどを希望しない学生は1回目の講義が始まるまでに申し出ること。申し出があっても評価には影響しません。申し出がない場合は了解したものとみなしますので、よく注意してください。

4.講義日程 

日   時 講義内容 担当教員
12月2日(月)   1時限目  オリエンテーション 伊木、奥村、巽 
4時限目 健康日本21①  奥村
5時限目   医療福祉施設の経営管理① 公文 
 6時限目  医療福祉施設の経営管理②  公文 
4日(水)   1時限目  心理コミュニケーション①  青野 
2時限目  心理コミュニケーション②  青野
3時限目  グループワーク/Q&A  奥村、東、水越、中間 
 5日(木)   4時限目  医療関連法規  東
5時限目   医療法・医療計画  東
 6時限目 健康危機管理   東
 7日(土)   1時限目  食品・栄養と健康 奥村 
2時限目  グループワーク/Q&A  奥村、東、水越、中間 
3時限目   厚生労働施策の企画立案 佐々木 
 10日(火)   1時限目  グループワーク/Q&A  奥村、東、水越、中間 
2時限目   実践栄養学① 早渕 
3時限目    実践栄養学②  早渕
 11日(水)   4時限目  高齢者(介護保険) 中間
5時限目   国際的な感染症対策①  柏樹
 6時限目  国際的な感染症対策②  柏樹
 13日(金)   1時限目  グループワーク/Q&A  奥村、東、水越、中間 
2時限目   精神保健・障害者福祉 奥村
3時限目    健康日本21② 奥村
 16日(月)   1時限目  筆記試験  奥村、東、水越、中間   
2時限目    医と倫理 奥村
3時限目    脳卒中 地域連携・医療保険 奥村
17日(火) 4時限目 グループワーク/Q&A   奥村、東、水越、中間 
5時限目  海外トラベル外来①  古閑
 6時限目 海外トラベル外来②  古閑
19日(木) 2時限目  環境と健康①  水越
3時限目  環境と健康② 水越
20日(金) 4時限目  ケース発表討論・Q/A (第2講義室) 奥村、東、水越、中間
5時限目  ケース発表討論・Q/A (第2講義室)  奥村、東、水越、中間
 6時限目  ケース発表討論・Q/A (第2講義室) 奥村、東、水越、中間 
12月25日(水) 10:00~11:30 試験  奥村、東、水越、中間 

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5.レポート作成
   指示された場合、指定日までに提出
 

6.評価
   オリエンテーションからの受講状況、発表・質疑の内容と合わせて評価します
  レポートが指定の期日までに提出されていない場合や発表会での出席や発表・質問状況などによっては、再・追試験
  (筆記試験)なしに不合格となる場合がありますので、進級に不安のある人は十分注意すること。
  講義・発表などで、席が指定された場合は、指定された席に着席してください。出欠は、随時行います。出欠をとる時間帯に指定の
  席に着席していないと、その時間全て欠席扱いとなります。なお、講師からの特段の指示がある場合は、それに従ってください。


スライド①

  ケース①、ケース②、ケース③、ケース④、ケース⑤、ケース⑥、ケース⑦、ケース⑧、ケース⑨、ケース⑩

  ケース⑪、ケース⑫、ケース⑬、ケース⑭、ケース⑮、ケース⑯、ケース⑰、ケース⑱、ケース⑲、ケース⑳、ケース㉑


スライド②

  ケース①、ケース②、ケース③、ケース④、ケース⑤、ケース⑥、ケース⑦、ケース⑧、ケース⑨、ケース⑩
  
  ケース⑪、ケース⑫、ケース⑬、ケース⑭、ケース⑮、ケース⑯、ケース⑰、ケース⑱、ケース⑲、ケース⑳、ケース㉑





                                                 

                       環境医学・行動科学教室

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