Department of Environmental Medicine and Behavioral Science
Kindai University Faculty of Medicine

第4学年             2018年度

          Unit 1 社会医学
   平成30年4月2日〜5月26日

●コースの教育目標
コース責任者と担当者

時間割
●シラバス(教育要項)
●学生作成教材
●試験・レポートの解説
●参考書
●URL


●コースの教育目標

人間は1つの生命体として生きているだけではなく、取り巻く環境に影響され、また影響している。環境の中には物理的、化学的環境だけではなく、人間がつくり出してきた社会という環境もある。社会は本来、人間が健やかに、そして豊かに生きていくために形成してきたもので、確かに社会があることによって人間は生命を延長し、豊かな暮らしを享受してきた。しかし、その社会が原因となって人間の生命や健康が脅かされる事態も発生している。社会医学ユニットでは人間と社会との関わりを学び、より健康に、豊かに生きていくための方策と医師の役割を考える。

(1) 人々の健康と患者のよりよいケアのために
・健康の維持向上、健康増進の重要性を認識し、そのための基本的な知識と態度を習得する。
・患者の病気の発症や経過は、生活習慣病や職業病のように患者の生活習慣や社会階層、職業、生活環境などによって強く影響される。したがって、病気の治療をしても、患者を元の環境に戻せば 再発してしまう 。人の健康問題を「人の生物学的感受性−人を取り巻く環境中のリスク要因−人のリスク習慣やリスク行動」の相互作用の観点からとらえ、日常診療に活かせる眼を養う。

・患者のケアは医療だけが行っているのではない。身体・精神障害者、要介護高齢者、結核などの感染症、難病、未熟児など、保健・医療・福祉のシステムが患者を支えている。患者がそれらを適 切に利用できるように指導する基礎的知識と態度を身につける。
・地域における住民や患者のケアは保健・福祉に対する医師の理解で円滑にすすみ、正しくリーダ ーシップをとることで大きく進むことを理解する。

(2) 臨床医として科学的な判断をするために
・医学的診断にはいつも不確実性を伴う。これを確率的判断という。できるだけ正しい診断をするために、世界は「経験的判断」から「科学的判断」Evidence-based Medicine (EBM)へと移って いる。取り残されないためには、日々創出される膨大な医学情報をどう評価し、利用するかが重要なキーとなる。その基礎を養う。
EBMを実践するためには、医学論文を読み解き、個々の論文の重要性(Level of evidence)を評価する必要がある。基本になるのは多数のヒトを対象にした研究のデザインの評価である。その理論を与えるのが疫学で 、その基本を理解する。

(3) 保健医療福祉のあり方を考えるために
・援助を必要とする患者や障害者、高齢者に対する、日本の保健医療福祉のシステムは、公平性、経済性、専門性という観点から、先進国の中でも最も進んだ国の一つとなっている。いずれのシステムも当初は海外の事 例を参考に制度化されているが、現状では、保健医療福祉関係者の熱意や努力により成り立っている。基礎的な知識を得たところで、それぞれの問題点を整理し、国や自治体を含めた地域での政策・制度の立案などを 含め、個々の学生が、社会医学の課題について、常に自ら考える態度を身につける

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●責任者

【ユニット責任者】
   
奥村二郎
【週責任者】

奥村二郎(環境医学・行動科学教室、教授:内線3275)

伊木雅之(公衆衛生学教室、教授)

巽信二(法医学教室、教授)

【学習指導教員(環境医学・行動科学)】

奥村 二郎    (環境医学・行動科学教室、教授:内線3275)

安田 直史    (近畿大学社会連携研究センター 教授))


東 賢 一     (環境医学・行動科学教室、准教授:内線3274)

奥野 洋子    (近畿大学総合社会学部、准教授)

水越 厚史    (環境医学・行動科学教室、講師:内線3275)

俣野 良造    (環境医学・行動科学教室、非常勤講師/大阪府環境農林水産部事業指導課総括主査)

古閑 比斗志   (環境医学・行動科学教室、非常勤講師/春日部さくら病院 院長)

青野 明子    (環境医学・行動科学教室、非常勤講師/大阪国際大学、教授)

佐々木昌弘    (環境医学・行動科学教室、非常勤講師/厚生労働省健康局がん・疾病対策課 課長)

平原 嘉親     (環境医学・行動科学教室、非常勤講師/近畿厚生局医事課 薬事監視専門官)

公文 敦      (環境医学・行動科学教室、非常勤講師/康人会適寿リハビリテーション病院理事長)

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環境医学・行動科学総論、各論

 全体の一般目標(GIO)

環境医学・行動科学総論、各論の全容を理解し、個体要因と環境諸要因の健康への関わりを学ぶ。また、医療・保健に取り組む際の基本的な心構えや技術を学ぶ。
ケーススタディでは、症例ごとに社会医学的な課題を整理し、関連する制度の現状や問題点を学ぶ。また、発表・質疑では、発表の手法に加えて、個々の学生が、自ら考え、他者との論理的な意見交換を心がける態度を学ぶ

全体の行動目標(SBO)

1.環境医学総論について、体系的に理解し、説明できる。
2.公衆衛生の歴史、方法論、実務について、概要や区分を説明できる。
3.健康の概念と疾病予防の外苑を理解し説明できる。
4.保健医療行政における保健所や医療機関、医療計画について、その根拠法や機能について説明できる。。
5.医療政策の概念を理解し、説明できる。
6.日本人の食事摂取基準、国民栄養調査の動向について説明できる。
7.主要な食中毒の種類と特徴、予防法について説明できる。
8.生活習慣病予防に係わる食品やその成分、栄養素の働きを分子生物学的側面より概説できる。
9.主要な生活習慣病の動向、リスクファクターについて説明できる。
10.生活習慣と関連した疾患と予防について説明できる。
11.環境要因と健康について、総論的体系的に理解し、説明できる。
12.環境汚染の歴史と取り組みについて説明できる。
13.地球環境の変化と健康影響について説明できる。
14.内分泌攪乱物質、ダイオキシン類について説明できる。
15.廃棄物処理について説明できる。
16.健康と環境にかかる実習事項を理解し、いくつかの測定機器の操作を行うことができる。
17.憲法、医師法、医療法、医療関連の法律について、それぞれの体系や概要を説明できる。
18.プライマリヘルスケアとヘルスプロモーションについて説明できる。
19.臨床倫理における、4分割法を理解し説明できる。
20.患者・家族の心理、健康の心理、医療従事者の心理について説明できる。
21.生物統計について説明できる。
22.医療コミュニケーションの基礎について説明できる。また、現場での対応について例をあげて説明できる。
23.厚生労働行政について、例をあげて説明できる。
24.屋内環境の管理の必要性、衣服の機能と健康との関わりについて説明できる。
25.高齢者や障害者に対する環境整備の意義について説明できる。
26.ケースについて概要を理解し、必要な検索を行い発表・説明ができる。
27.感染症について、成立の要因、感染経路、免疫、流行について説明できる。
28.感染症法、予防接種法、免疫法について説明できる。
29.感染症対策の実施について、例をあげて説明できる。
30.国際的な感染症対策の仕組みについて、実例をあげて説明できる。
31.医師として、患者・家族に接する際のポイントについて説明できる。
32.終末期ケアに関する具体的な手法・手続きについて説明できる。
33.医の倫理、患者の権利、インフォームドコンセントについて説明できる。
34.リスボン宣言、及び個人情報保護法、種々の倫理指針について説明できる。
35.医師の責務を定める法律について説明できる。
36・高齢者に対する医療福祉の制度や現状、課題、歴史について説明できる。
37・わが国の社会保障制度について理解し、その役割について説明できる。
38・障害者福祉、自立支援、新障害者プラン、障害者基本計画について説明できる。
39.老人福祉施設、老人保健福祉計画、介護保険制度について説明できる。

40.医薬品の開発や研究振興について理解し説明できる。
41.チーム医療について理解し説明できる。
42.医療関連法規について、その概要と役割について説明できる。
43.精神保健福祉施策について、総合的に理解し、説明できる。
44.障害の概念・自立支援、ノーマライゼーション、バリアフリーについて説明できる。
45.生物統計の主要な各論について説明できる。
46.都道府県における保健医療福祉行政について、課題や実例をあげて説明できる。
47.ケースに関する行政施策や課題について自分の考えを論理的に説明できる。


● 学生作成教材



● 学生作成教材




● 学生掲示板

●試験他:テスト問題及び解説
 環境医学・行動科学コースでは、最終日の試験の他に、レポート提出を行います。これは成績に加味します。その他、講義室で席を指定された場合は、その場所に着席すること。試験は、遅刻した場合、試験を受けることができない場合があります。また、試験時間中は、いかなる事由によっても席を離れられない場合があります。
 ※テストの詳細や合否判定、講義・実習・発表・質疑の出席については、コース初日の「環境医学・行動科学総論」の講義の際に説明しますので注意すること。試験やレポートの一部を班ごとにまとめて返却することがありますので、希望しない者は第1週の間に申し出てください。(月〜金:9:30〜16:00)再試験前までの成績には影響されません。

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●参考書

 教科書は特定しませんが、参考書として以下を推薦します。なお、「国民衛生の動向」は必見です。

       1.     New予防医学・公衆衛生学/南江堂
   2.     産業保健マニュアル/南山堂
  3.     産業医活動マニュアル/医学書院
  4.     厚生の指標・臨時増刊「国民衛生の動向」/厚生統計協会編
  5.     衛生試験法・注解/日本薬学会編
 6.     感染症予防必携/(財)日本公衆衛生協会
 7.     生活習慣病予防マニュアル/南山堂
8.     ケースで学ぶ公衆衛生学/篠原出版新社
9.     社会医学がわかる公衆衛生テキスト/新興医学出版社
10. CHART 公衆衛生/医学評論社
11.     シンプル衛生公衆衛生学(鈴木庄亮,久道茂偏)/南江堂
12.     環境衛生科学(大沢基保,内海英雄編) 南江堂
13.     科学者・技術者のための英語論文の書き方(R. Lewis et al著)/東京化学同人
14.     文献検索と整理(諏訪邦夫著)/克誠堂出版
15.     衛生学公衆衛生学実習(松久保隆,中垣晴男,山中すみへ著)/医歯薬出版
16.     衛生学実習書(近畿大学医学部衛生学教室編)

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●URL

1.  国立感染症研究所               http://www.nih.go.jp/niid/index.html
2.  厚生労働省ホームページ         http://www.mhlw.go.jp/
3.  厚生労働省法令等データベース     http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/
4.  厚生労働省統計表データベース   http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/index.html
5.  健康日本21                http://www.kenkounippon21.gr.jp/
6.  健やか親子21              http://rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/
7.  大阪府がん登録            http://www.mc.pref.osaka.jp/ocr/registration/
8.  WHO homepage             http://www.who.ch/
9 PubMed               http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=PubMed
10.環境医学・行動科学教室         http://www.med.kindai.ac.jp/hygie/


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