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臨地実習

基礎看護学

到達目標

基礎看護学は、看護における基礎的知識・技術をはじめ、看護師としての自分のあり方を考えるための基礎となり、看護学の基礎として各看護学への発展もさせていく教科です。

看護についての基本的知識とともに、対象となる人間や健康についての理解を深め、様々な対象の個別性を尊重した看護の実践ができる能力を身につけることに到達目標を置いています。

到達目標を果たすための実習内容や方法

基礎看護学は、全ての看護学の基礎・土台となる教科です。
看護学に必要な専門的知識に基づき、講義・学内実習・臨地実習を通して、さまざまな対象の個別性を尊重した看護の実践ができる能力の素地を育成することを目指しています。

1・2年次では、講義が中心となります。
講義は入学後すぐより始まります。講義では看護の対象となる人間を身体的・精神的・社会的側面から統合的に理解するために必要となる知識や看護の役割・機能について学びます。

1年次の5月後半からは学内実習が始まります。講義で学んだ基礎的な知識・技術・態度を統合し、科学的根拠に基づいた看護技術を習得します。基本的な原理・原則に基づいて、設定条件に応じた看護技術を実施すると同時に、模擬患者の体験を通して、患者の気持ちを理解した上で看護師としての行動ができることを目標としていいます。

2年次の終わりより、近畿大学病院での臨地実習が始まります。実際に患者さまを受け持たせていただき、患者さまの健康状態に応じた看護を展開できる基礎的能力を身につけることを目標としています。 また、患者さまを取り巻く様々な職種の人たちの相互関連を知ることによって、看護師に求められる能力についても理解することを目標として実習を進めていきます。

看護学を通して学んで欲しいこと

患者さま個人の意思を尊重し、患者さま自身が決定できるように援助することの大切さを学んでもらえたら、と思います。
その人その人の価値観や幸福基準は異なるということ、それが形成されるのは生活環境や人が発達・成長していく中であるということを知り、謙虚にその人の気持ちに近づく努力をしながら自分が援助できることは何かを常に考える姿勢を持ち続けるようになって欲しいです。

成人看護学

到達目標

家庭や仕事などそれぞれの生活を営む成人期の人を対象にします。

身体的に生命の危機状態にある人、生涯にわたり疾患コントロールが必要な人、終末期において症状の苦痛緩和が必要な人など健康状態は様々です。

成人看護学では、成人期にある対象のライフサイクルや健康状態レベルに合わせて必要な看護を提供できるようになることを目標としています。

到達目標を果たすための実習内容や方法

成人看護学総論では、青年期・壮年期・向老期と変化していく成人期の特徴やその年代に起こりやすい健康問題や対象がどのような社会的・文化的時代を生きてきたかを考え対象を理解することを学んでいきます。

講義、学内演習について

成人看護学方法論では、さまざまな健康状態にある対象の身体面・精神面・社会面の特徴と看護について考えます。実際の対象をイメージし、それぞれの疾患の経過で何が問題になるのか、実際にどのような看護が必要になるのかを考えていきます。具体的な援助方法については、事前課題で調べたことを用いて思考を深めたり、グループで話し合ったりしながら学びを深めていきます。グループ活動では、自分一人では考えられなかったことに気づいたり、皆で協力して1つのことに取り組むことで協調性も養われます。

実習について

実習では、実際に病院で病気の経過の異なる対象を担当させて頂きます。それぞれの治療経過や病状から身体面を理解するとともに、対象の生活背景や生活習慣、健康への考え方など精神面や社会面を理解し、一人一人の対象に必要な看護を考えていきます。1・2年生で学んだ知識・技術・態度を統合し、社会的な生活を送る成人期にある対象を支える看護を実践する中で、看護の基礎的能力を養っていきます。

看護学を通して学んで欲しいこと

成人期は人生の中で一番長期で、成長・成熟・衰退の過程をたどる時期です。自立した社会的存在である成人では、生活習慣、発達段階の達成や加齢に伴い、健康に関しての課題は多様で、その健康問題が社会生活へ及ぼす影響は大きいといわざるを得ません。
成人期の特徴と健康を害することによるライフサイクルに及ぼす影響や生活の場に生じる問題を理解し、健康の保持・増進、疾病の予防・健康レベルの回復に関わる看護を学んで欲しいと思います。

老年看護学

到達目標

超高齢社会という言葉を聞いたことがありますか。我が国では2020年に65才以上の方が人口の30%を越え、多くの高齢者の方たちが生活する社会となります。

この社会背景をふまえて、講義では、まず高齢者の理解を深めると同時に介護保険制度を含めた社会制度を学びます。次に看護の方法について学習し、3年次には臨地実習で学びを深めます。 老年看護学では、老年期にある対象を理解し、その方たちに合わせた看護の方法を考え、提供できるように学習していきます。

到達目標を果たすための実習内容や方法

老年看護学総論では、高齢の方たちを理解するために、「老化」についていろいろな側面から考えていきます。身体の老化を実感できる装具をつけ疑似体験を通して、高齢者の心理面の理解も深めます。 また、65歳以上の方が人口の30%を占める超高齢社会の現状についての学習もしていきます。多くの高齢者を支えるため、介護保険制度をはじめとして、様々な社会福祉保険制度についても学びます。

老年看護学方法論Ⅰ・方法論Ⅱでは、高齢の患者さまを看護する方法を学びます。食事や身体の移動、身体を清潔にするための方法など、日常生活の援助技術を授業や学内実習を通して学んでいきます。

また、看護技術の習得だけでなく、高齢の患者さまにとって適切な看護を考える授業もあります。高齢の方を尊重しながら、その人に合わせた看護を提供する方法を考えていきます。 そして、認知症の高齢者の看護についても学習します。まず、認知症を理解し、認知症の高齢者との関わり方を学びます。高齢者が増加の一途をたどっている中、認知症高齢者も増加しています。しかし、関わり方によって、その人らしく生きていただくことが可能であり、そのような看護の方法について、学習していきます。

3年次になると、高齢の患者さまを受け持たせていただき、実際に援助を提供します。高齢の患者さまに合わせた看護を実践できるよう、臨地実習で学習を深めていくのです。

看護学を通して学んで欲しいこと

人生の先輩である高齢者の方から、多くのことを学んで欲しいと思います。目上の人としてその人を尊重する態度や姿勢を習得して下さい。

老化による様々な影響を受けている方や、認知症のある方たちを『弱者』としてとらえるのではなく、そういった方たちが最後までその人らしく生きていただくため、看護としてどのように関わっていくのかを常に考えられるよう、学習を続けて欲しいと思います。

小児看護学

到達目標

0歳から18歳までの小児期と思春期を対象に、身体の成長や運動機能・精神発達の過程を学び、子どもの健全な人間形成のための関わりの理解を目標としています。

最近の子どもの健康問題(生活習慣病など)についても学習し、看護師として何ができるのかを考えていく力を身につけていきます。

もちろん病気で苦しむ子どもや家族によりよい入院環境や援助を提供するための知識や技術を身につけることも大切な到達目標です。

到達目標を果たすための実習内容や方法

子どもの成長発達の理解について

子どもの成長過程は、ビデオ学習や幼稚園実習などから、実際の子どもの姿を通して学んでいきます。また、幼稚園実習では子どもと触れ合ったり、幼稚園の先生方の関わりを見てはコミュニケーション技術を学習します。

病院実習では一人の子どもを受け持ち、その子どもの成長段階を知り、それに合わせた関わりを学びます。実習病院の小児病棟には保育士がいるので、子どもたちとのコミュニケーションや遊びの工夫などについてアドバイスなどももらっています。

またNICU(新生児集中治療室)での見学実習では、胎外生活適応にむけての援助とともに、治療にともなうストレスを軽減し、子どもの成長を守る環境づくりを学びます。

病気の子どもや家族に対する看護について

子どもにとって病気になる、入院するといったことは大変な苦痛です。病院の環境は子どもにとって未知の世界であり、注射など傷みのある治療を受けると怖くて不安な場となります。小児の看護はそんな不安や苦痛を取り除くことから始まります。

実習では環境に慣れ、検査や治療以外の時間を楽しく過ごし、成長できるよう、それぞれの子どもに合った援助や遊びの提供をしていきます。

看護学を通して学んで欲しいこと

小児看護学は、入院の場だけでなく、子どもが社会の中で問題なく生活できるようにすることが一番の目標であり、そのためには子どもがどのように成長していくのかを知ることが大切です。その知識は看護師として必要であるばかりではなく、子どもを育てていくといった、人としての役割にも必要なものとして学んで欲しいものです。

また、子どもを想う親の気持ちを受け止め、今の自分を大切にする気持ちを持って欲しいと思います。

母性看護学

到達目標

  1. 妊産褥婦の身体的・心理的・社会的特徴および新生児の胎外生活適応課程を理解する。
  2. 妊産褥婦および新生児とその家族の看護上の問題を把握し、必要な援助を計画・実践できる能力を養う
  3. 妊娠・分娩・産褥各期の保健指導を理解する。
  4. 地域社会における母子保健管理の実際を学ぶ。

到達目標を果たすための実習内容や方法

母性看護学実習では対象の理解と看護を学んでいくために、産婦人科外来・分娩室・褥室(産婦人科病棟)の3ヶ所で実習を行っています。

分娩室実習では、実習時間内に出産見学が必ずできるとは限りませんが、出産がある時は、ご本人の了解を得て学生数名で立ち会わせていただいています。生命の誕生に立ち会う感動はなにものにも代え難い体験です。実際、出産の見学ができなかった場合は、出産後の褥婦から出産時の様子を聞かせて頂いたり、見学できた学生から状況を聞くなどして、情報を得ています。

周産期の正常な経過をたどる対象への看護は、問題点を見つけ出そうとしても困難な場合があります。対象が健康であるからこそ、今後も母子共に元気で過ごすことができ、育児もスムースにスタートできるよう援助していくことが大切です。このことは、母性看護学実習ならではの内容で、実習の醍醐味でもあります。

褥室実習では、母子一組を受け持って、授乳指導やオムツ交換、乳房の手当て方法や沐浴指導(赤ちゃん用お風呂に入れる)等を看護者とともに行っていきます。もちろん学生も初めての経験のことが多いので、学内実習で練習したうえで、臨んでいます。

母親も初めての育児で、不安を伴うことが多いので、技術的な指導にとどまらず、心理面への配慮が育児支援へとつながっていきます。

看護学を通して学んで欲しいこと

母性看護学実習では、一人の女性がわが子への思いを育みながら、出産・育児を通して母親へと成長していく姿を目の当たりに体験できる貴重な実習です。

また、妊娠・出産に関する知識や体験は、将来学生自身にも役立つ内容であり興味深い実習となっています。
実習を通して、生命の尊さを改めた実感することで、自分自身もまた尊い命を持った一人の人として大切にできる心を育んでいって欲しいと願っています。

精神看護学

到達目標

  1. こころの健康について、不健康の側面だけでなく、健康や予防の側面を学びます。
  2. 対象のストレングス(強み)をとらえ、ひとりの人間を理解し尊重する態度を育みます。
  3. 対象と看護師の関係の発展過程を理解し、治療的関わりについて学びます。
  4. 対象を取り巻く家族や地域におけるサポートシステムを知り、自律と自己決定を支援し、その人らしい生活を支える方法を学びます。

到達目標を果たすための実習内容や方法

こころを病む人と初めて接する学生が大半なので、11日間の実習開始時は「私のひと言で傷つけたらどうしよう」など、それぞれがもつイメージによる緊張や戸惑いから始まります。そして、対象を理解したいという思いで、対象と関わるのですが、距離の取り方がわからず、遠すぎたり近すぎたりする状況から、関係の構築が始まります。また、何かしなければいけないという思いから、症状の問題点ばかりに着目しすぎ、対象が負担を感じ学生との関係の構築が難しくなることもあります。

学生はここで、自分のペースや価値観を中心に関わっていたことに気づきます。人を理解する時、問題となる部分にだけ目を向けるのではなく、ストレングス(強み)に着目し、ありのままのその人を理解しようとする姿勢が大切です。そこで、改めて対象のことを知ろうと、対象の一つひとつ言葉を真剣に聴き、行動を観察し、思いを考えます。そして、対象から「この学生にわかってもらえた」という言葉が聞かれるなど、関係が発展します。

対象者の目標に向かい、症状と付き合いながら生活できるように、共に考え、その人らしい生活を支えられるように看護することを目指していきます。

精神看護学実習は、対象と学生との関係の発展が大きな柱となります。対象の目標に向かって、日々の関わりを通して<場と時間を共有>し、共に喜び、共に苦しみ、<お互いの気持ちを共有>します。その中で、学生は自分自身を見つめる機会にもなり、対象と共に成長することをめざします。

看護学を通して学んで欲しいこと

症状による日常生活への影響と、同時にできる部分(健康な部分)、ストレングス(強み)を知り、対象の自立と自己決定に向けた援助を学んでもらいたい。それは、対象の思いや言動をありのままに受けいれることから始まり、対象に「わかってもらえた」と思える話の聴き方や、学生自身の感情や対人関係の持ち方を振り返り、治療的関わりについて学んでもらいたい。

また、対象の目標に向けて、その人らしい生活ができるように、地域生活をイメージした関わりについて学んで欲しい。

在宅看護論

到達目標

在宅看護の特徴は、対象となる人々の生活の場で展開するという点にあり、看護においては、人々がそれぞれにもつ生き方、生活・健康に対する価値観や主体性を尊重しながら、自立支援や自己決定という視点をもち、健康を維持・増進することが目的となります。

そして、在宅療養生活をおくる対象者の特徴や支援方法を学ぶとともに、在宅ケアシステムや社会資源の活用・調整方法について理解することを目標としています。

狭い部屋で一人で暮らす人、家族と一緒に暮らす人など、様々な環境で生活している人がいます。生活の様式や考え方、価値観には、実に多くの個性が存在します。

到達目標を果たすための実習内容や方法

講義・演習内容に関して

在宅看護概論

在宅看護が必要とされる社会状況や在宅看護の特性、対象を理解するための概念や、在宅ケアシステム、訪問看護サービス、社会資源・制度について学びます。地域看護との関連から保健師による講義も行なっています。

在宅看護方法論Ⅰ

対象者がおかれている様々な状態や状況に応じた看護過程を学びます。具体的な事例について訪問看護師による講義を行っています。

在宅看護方法論Ⅱ

訪問マナーやケアマネジメント技術、相談・指導技術のほか、在宅における日常生活援助方法や医療処置を伴う援助技術を学びます。ケアマネジメントの具体例についてケアマネージャーによる講義を行なっていま

在宅看護方法論Ⅱ演習

「家庭用品を活用した臥床患者への洗髪」「自己啓発」「訪問看護場面のロールプレイング」を行ない、援助方法における創意工夫の必要性や自己のものの見方や対人関係の傾向、対象者とのコミュニケーションについて学びます。

臨地実習に関して

訪問看護ステーションでは、訪問看護師とともに同行訪問を行ない、個々の家庭に応じた看護の実際について学びます。また、介護老人施設では、通所や入所サービスの実際を知り、施設を利用する高齢者へのケアのあり方について学ぶ機会となっています。

看護学を通して学んで欲しいこと

健康問題や介護を抱えながら生活を営むことに対する考え方、感じ方は人により違い、また、家族との関係のありようも1つ1つの家庭で異なります。

在宅看護という学びを通して、対象となる人とその家族の生活に対応した個別的な援助方法について理解を深め、多様な価値観と向き合い受けとめていく資質や、福祉など他の領域・職種と連携していくための協調性を育んでほしいと考えています。