教室について
教室理念
法医学教育を通じて、特に今後急速に進む在宅医療分野において、社会に貢献できる医師を育てることに尽力する。具体的には、死体現象や死亡時間推定といった能力を培うことにより、死亡診断能力を涵養し、在宅看取りの推進に貢献する医師の育成を目指す。
教授メッセージ
法医学教室は、2021年に垣内康宏が主任教授に昇任し、新たなスタートを切りました。「法医学」は、テレビドラマや小説の影響もあって、世間の皆さんに比較的よく知られている分野であるように思います。そのように世間の皆さんには比較的なじみのある法医学ですが、その認定医は全国で約200人以下しか存在せず、医師不足が長年問題視されている小児科・産婦人科以上の「絶滅危惧種」となっています。法医学が、世間の皆さんの認知度に反して、医学の世界でここまで人気がないのは様々な理由があると思います。例えば、医師になったからには生きた方々の健康向上や救命に従事したい、それこそは医師としての最大のやりがいであり、死者の死因究明には同等のモティベーションが感じられない、という若手医師の声をよく聞きます。実際には、死者の死因究明から得られた知見は、生者の健康寿命延伸に非常に重要な示唆を与えてくれるのですが、そういった醍醐味を十分に伝えてくることができなかった我々法医学者の責任も無視できないように思います。そのような批判の声に謙虚に耳を傾けつつ、それら問題点を微力ながら一つずつ解決しながら、自身のライフワークである法医学と公衆衛生学の学際領域に関する研究を、この南大阪地域でも進めていきたいと考えています。

- 垣内 康宏
- KAKIUCHI Yasuhiro
- 主任教授