第22回病理勉強会

第25回

23.INHERITANCE PATTERNS　遺伝形式　

[重要用語]

a.Autosomal Dominant (AD)　常染色体優性遺伝

　　・disese produce in heterozygous stateホモ接合体状態の疾患

　　・no skipped generations --> parents affected (unless new mutation or reduced penetrance)

　世代を超えることなし(毎世代現れる)，つまり完全優勢（浸透率100%）であれば両親の一方は必ず形質をもつ．

　　・father-to-son transmission possible父から息子への伝搬あり

　　・males and females affected equally男女間の影響は等しい

　　・recurrence risk is 50 %(one parent usually affected and one normal)

　　　再現（形質発現）リスクは50%

b.Autosomal Recessive (AR)　常染色体劣性遺伝

・disease produce in homozygous stateホモ接合体状態の疾患

　　・heterozygous individuals are carriersヘテロ接合体は保因者となる

　　・generations may be skipped (not affected)世代を超える可能性あり

　　・father-to-son transmission possible父から息子への伝搬あり

　　・males and females affected equally男女間の影響は等しい

　　・recrrence risk is 25%(both parents are usually heterozygous carriers)

　　再現（形質発現）リスクは25%

c.X-Linked Dominant (XD)　伴性（X連鎖）優勢遺伝

　　・no skipped generations世代を超えることは無い

　　・no male-to-male transmission男性同士の伝搬はない

　　・females affected twice as often as males女性の影響は男性の２倍

d.X-Linked Recessive (XR)　伴性（X連鎖）劣性遺伝

　　・skipped generations世代を超えて伝搬

　　・no male-to-male transmissions男性同士の伝搬はない

　　・males affected more frequently than females男性が圧倒的に影響あり

e. Y Inheritance　Y連鎖遺伝

　　・only males affected男性のみ影響

　　・only male-to-male transmission女性間の伝搬なし

　　・all males affected患者はすべて男性

f. Mitochondrial　ミトコンドリア遺伝（メンデルの法則によらない遺伝）

　　・male and females equally affected男女間の影響は同じ

　　・only females transmit the disease女性のみが疾患を伝搬

[解説および参考資料]

1．常染色体劣性遺伝(AD)

ある形質を支配する常染色体上の遺伝子座の対立遺伝子A，aがあるとすると，3種類の遺伝子型AA，Aa，aaが生ずる．AAとAa型の表現型が同じでaaの表現型が異なっていれぱ，A遺伝子が1つあれぱ形質が発現することになり，A遺伝子は優性遺伝することになる。完全優性であれぱ，両親の少なくとも一方はこの形質をもち，この形質は毎世代現われる。

2．常染色体劣性遺伝（AR)

劣性遣伝子を2個有することで劣性遺伝形質は現われる。この場合，劣性遺伝子を1個だけ有するヘテロ個体は表現型は正常であるが，劣性遺伝子を次世代に残す可能性があるので保因者carrierという。同胞以外の血縁に患者が出現することは少なく，近親結婚である場合に多くみられる。

3．伴性遺伝（X‐linked inheritence)

伴性という言葉はX染色体上の遺伝子の遺伝様式に普通は使われる。伴性優性遺伝X‐linked dominant inheritanceとはX染色体上の優性遺伝子1つのみで，ある形質が発現する遺伝である。父親のみがX染色体に該当遺伝子をもつ場合，娘はすべて患者となる。母親のみの場合は息子，娘ともに半数が患者となる。伴性劣性遺伝X‐linked recessive inheritanceの場合，男子が対立遺伝子を1個だけもつへミ接合となるので，常染色体遺伝とは全く異なる遺伝形式を示すことになる。女子の場合は劣性遺伝子がへテロの場合は保因者となり，ホモの場合には形質が現われる。したがって，例外を除き男子の患者は保因者の母親から生まれ，患者は男子に集中することになる。