●事例における行動目標
1.      エビデンスレベルについて説明できる
2.      コホート研究(要因対照研究)の概要を説明できる
3.      コホート研究(要因対照研究)の限界を説明できる
4.      バイアスとその種類について説明できる
5.      無作為化の目的を説明できる


● 事例における行動目標とその解説

1.エビデンスレベルについて説明できる(2006年まとめp70)
 根拠としての確かさを「エビデンスレベル」としてランクづけしたレベルをさす。エビ
根拠としての確かさは研究デザインによって決まる。以下のようなレベルを示す。

《研究デザインとエビデンスレベル》
無作為比較対照試験のメタアナリシスやシステマティック・レビュー
無作為比較対照試験
非無作為比較対照試験、介入試験
コホート研究(要因対照研究)
患者対照研究
断面研究
記述疫学研究、実態研究、症例研究、動物実験
専門家の意見


2.コホート研究(要因対照研究)の概要を説明できる(講義24、28、2006年まとめp64)
ある集団を長期間追跡して、その集団における問題としている疾患の発生状況を把握し、対象者の様々な特性と罹患との関係を調べるもの。通常、下表に示すように仮説要因を持つ要因曝露群と持たない対照群を設定し、両者での罹患率や死亡率を比較する。時間的に現在から未来に向かって行われることが多いので、前向き研究に分類される。




3. コホート研究(要因対照研究)の限界を説明できる(講義24)
コホート研究(要因対照研究)では、未知の交絡要因の影響を排除して研究を行うことは困難である。
 


交絡要因とは、原因と疾患の関係に影響を与え、真の関係とは異なる観察結果をもたらす要因のこと。ある要因が交絡要因となるのは、問題とする疾患のリスク要因で、調べたい要因と関連しており、調べたい要因の効果を歪曲するもの。性と年齢は多くの場合、交絡要因として作用する。
(「臨床疫学 EBM実践のための必須知識」監訳 福井次矢
メディカル・サイエンス・インターナショナルより引用)



4. バイアス(系統誤差)とその種類について説明できる(講義29、2006年まとめp66)
誤差とは真の値と測定値の違いをいう。バイアス(系統誤差)とはある方向をもった
測定値の変位である。主なバイアスの種類を以下に示す。
・対象者バイアス  情報源の対象そのものが偏っている場合
・Healthy people bias (Self-selecition bias) 経過の不良な患者は転医し、良好な患者のみ残るので、治療の効果を過大評価
・レングスバイアス 進行の遅い(経過の長い、予後がよい)疾患の方が進行の早い(経過の短い、予後が悪い)疾患より検診で発見されやすく、検診によって予後が改善されたように見える。
・情報バイアス 情報の取り方によって生じるバイアス 
・測定バイアス 測定法により生じる真の値からのずれ
・リコールバイアス Recall bias 患者は病気に関連していろいろなことを健常者よりよく覚えている。
・リードタイムバイアス 検診発見癌と外来発見癌を比べると前者の方が早期に発見されるので、早期に発見された分、生存期間が長く見えること。
・交絡バイアス 見えない真の原因や有力な要因が見かけの関係を作り出すこと。交絡バイアスを作る要因を交絡要因(上述)と言う。



5. 無作為化の目的を説明できる(講義24、2006年まとめp65)
無作為割付は、調査者の個人的な判断や患者の好みが割り付けに影響しないことを保証す
るものであり、無作為に割り付ける目的は、検討したい特性(事例の治療効果など)以外の全ての特性(未知の要因の特性を含む)について群間の差をなくすことである。





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