研究オプトアウト情報

2020年12月08日 掲載

固形がんの腫瘍微小免疫環境プロファイリングとその臨床的意義を検討する臨床研究

研究課題

固形がんの腫瘍微小免疫環境プロファイリングとその臨床的意義を検討する臨床研究

研究の背景

近年、多くの悪性腫瘍においてその治療が目覚ましい進歩を遂げました。この治療の進歩には免疫チェックポイント阻害薬の登場が大きく寄与しておりますが、免疫チェックポイント阻害薬はすべての患者さんに効果を発揮する訳ではないため、治療効果を予測するための情報に関心が集まっています。その中でも、腫瘍組織やその周囲に混在する免疫細胞などから構成される腫瘍微小免疫環境の解析が重要であると考えられております。この研究では、当院で診療をうけた固形がん患者さんの過去の診療録から得られた診療情報ならびに既に採取済みの腫瘍組織・非腫瘍組織・体液検体・末梢血検体を解析し、腫瘍微小免疫環境と臨床的特徴や予後の関連性を調べることで、固形がんの腫瘍微小免疫環境のデータを構築することを目的としています。この成果により、あらゆる固形がんの治療にとって有用な新しい知見が得られるのではないかと考えています。

研究の概要

対象:
固形がんと診断され、当院または共同研究機関にて診療を受けた患者さんで本研究のための資料(過去の通常診療で得られ診療録内に記録された臨床情報・診療情報)ならびに検体(過去の通常診療で得られた腫瘍組織、非腫瘍組織)の提供が可能である方を対象とします。
また、過去の当科の研究で採取・保管した血液検体、体液検体を将来の研究に二次利用することにあらかじめ同意を頂いていた方も対象とします。


施設:
近畿大学医学部腫瘍内科、市立岸和田市民病院、日本赤十字社和歌山医療センターでデータと検体の収集を行い、近畿大学医学部腫瘍内科、近畿大学医学部病理学教室、近畿大学医学部ゲノム生物学教室、京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室、京都府立医科大学分子病態病理学教室にて測定・解析します。


目的:
この研究は、固形がんの腫瘍微小免疫環境のデータを構築することを目的としています。この研究成果により、あなたと同様に固形がんと診断された方の免疫チェックポイント阻害薬をはじめとした治療をより適切に行うための足がかりとなることが期待されます。


方法:
この研究では、あなたの診療録に記載されている診療情報ならびに臨床検体の提供をお願いしています。診療録に記載されている情報の収集ならびに過去の手術・生検の保存検体を使用させて頂きます。
また、過去の当科の研究で採取・保管した血液検体・体液検体を将来の研究に二次利用することにあらかじめ同意を頂いていた場合には、その保存検体を使用させて頂きます。なお、必要に応じて共同研究機関へ試料・情報を匿名化して提供する可能性があります。

解析資料および試料

本研究では、過去の通常診療で得られた臨床情報・診療情報(性別・年齢・生年月・生検方法・病変の部位・病理所見・臨床的分類・喫煙歴・既往歴・家族歴・内服歴とその内容・身体所見・遺伝子異常の有無とその内容・検査結果・治療内容・治療効果・治療経過)を診療録より入手・収集し、各項目の関連性を統計学的手法により解析します。また、過去の通常診療で得られた腫瘍組織・非腫瘍組織・血液検体・体液検体の保存検体を用いてDNA・RNA・蛋白の測定を行い、腫瘍微小免疫環境と上記の情報との関連性を検討します。過去の当科の研究で採取・保管した血液検体・体液検体を将来の研究に二次利用することにあらかじめ同意を頂いていた場合にはその検体を利用させて頂きます。過去の通常診療または過去の研究で採取された保存検体を利用させて頂くため、本試験に伴って新たに生じる身体への危険はありません。ただし、過去に採取したがん組織が小さい場合、本研究での使用によって残存検体の消耗や稀に滅失の可能性があり、その後の追加検査に支障が生じたり追加検査が出来なくなったりすることが稀にあります(そのようなことが無いように細心の注意を払います)。本研究では、あなたやあなたの血縁者の方に関する遺伝的背景を予測可能とする解析を含む可能性があります。この研究での遺伝子解析に関する不安に対して相談したい方は、まず腫瘍内科担当医師が担当いたしますが、さらに詳細な説明をご希望される場合、担当医から近畿大学病院遺伝子診療部のカウンセリングを担当する専門のスタッフをご紹介いたしますので、腫瘍内科担当医師にその旨をお伝えください。また、解析結果に関しては原則あなたにお知らせしませんが、どうしても知りたい場合は、その意思を尊重致します。詳しくは腫瘍内科担当医師に御相談下さい。
この掲示をご覧頂き、「ご自身の臨床情報・診療情報に関するデータならびに保存検体の利用を希望しない」とのお申し出がない場合には、ご同意頂いたものとして、検討させて頂きたいと存じます。もし、データ及び保存検体の利用をご希望されない場合には、下記連絡先までご連絡くださいますようお願い申し上げます。なお、今回の研究課題につきましては、すでに当施設の倫理委員会にて承認されております。

個人情報保護に関する配慮

個人情報の取り扱いにつきましては、本研究に関係する全ての研究者は、個人情報保護法に基づいて、研究対象者の個人情報を厳重に管理します。本研究は固形がんと診断された患者さんの診療録に基づいた臨床情報・診療情報を用いて行います。個人情報に関しては、本研究のみに使用します。個人識別情報管理者を置き、対象患者さんに対して独自の番号をつけ、個人情報は全て匿名化されますので、いかなる個人情報も院外に出ることはありません。ご自身の診療情報が利用されているかも知れないと思われる個々の研究について詳細を知りたい時は、いつでも情報を提供致します。患者さんの個人情報の管理は十分慎重に行い、漏洩することがないように致します。

ご質問や研究に対する拒否の自由

その他に本研究に関してお聞きになりたいことがありましたら、遠慮なくいつでも担当医または下記のお問い合わせ先まで御相談下さい。患者さんからのご希望があれば、その方の臨床データは研究に利用しないように致します。そのご要望を頂いたとしても、患者さんの不利益となることはありません。

研究責任者及びお問い合わせ先

【研究代表者】
中川 和彦
近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門
〒589-8511  大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL: 072-366-0221   Fax: 072-360-5000

【研究責任者】
原谷 浩司
近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門
〒589-8511  大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL: 072-366-0221   Fax: 072-360-5000
E-mail:haratani_k★med.kindai.ac.jp
※上記の「★」記号を「@」記号に置き換えて下さい。

【研究事務局 / 当院におけるお問い合わせ先】
磯本 晃佑
近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門
〒589-8511  大阪府大阪狭山市大野東377-2
TEL: 072-366-0221   Fax: 072-360-5000
E-mail:k.isomoto★med.kindai.ac.jp
※上記の「★」記号を「@」記号に置き換えて下さい。

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