分子生物学 (平成29年度)


■ 教員名 ■
西尾 和人 (教授)
坂井 和子 (講師)
藤田 至彦 (医学部講師)
デベラスコ マルコ (助教)
澤田 貴宏 (助教)
大森 亨  (非常勤講師)

■ 教育目標 ■
分子生物学は、全ての生物に共通して存在する遺伝物質DNAを基盤として生命の諸現象を解明しようとする学問である。
講義や実習を通して、細胞生物学や遺伝学を統合的に理解し、生命現象の基本から諸疾患の病因等医学的事象に至るまで分子生物学的理解を深め、臨床へ向けての礎とする。

■ 学習・教育目標及び到達目標 ■
受講者は、この授業を履修することによって、以下のことができるようになります。

【導入講義・遺伝子の構造と機能】
1. 核・染色体・DNA・クロマチンの構造を説明できる。
2. 染色体の複製・分配について説明できる。
【DNAと染色体】
1. 遺伝子発現の仕組みの概要を説明できる。
2. DNAやヒストンの修飾について説明できる。
【モデル生物】
1. 微生物モデルとして大腸菌や酵母の有用性を理解する。
2. 動物モデルとしてハエ・線虫・ゼブラフィッシュ・マウスの有用性を理解する。
【DNAの複製】
DNAの複製過程・誤対合修復について説明できる。
【DNAの修復・組換】
1. 一塩基・多塩基変異の原因・修復・疾患との関連について説明できる。
2. 相同組換えや動く遺伝因子について説明できる。
【遺伝子倫理】
1. 遺伝子に関する生命倫理、個人情報の取り扱いについて説明できる。
2. インフォームドコンセントと遺伝子検査の関連について説明できる。
3. ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関わる倫理指針・ヘルシンキ宣言について説明できる。
【安全・実習講義】
実習の具体的な内容や方法・技術・危険性について説明できる。
【DNAの転写】
1. mRNAの合成と成熟プロセス・転写機構を説明できる。
2. エクソン、イントロンについて説明できる。
【ゲノムの進化】
1. 進化に関係する遺伝子の変化について説明できる。
2. 遺伝子ファミリーについて説明できる。
3. 相同遺伝子と生命の系統樹について説明できる。
【RNAの翻訳】
1. 翻訳過程でのtRNA、mRNA、アミノ酸の関係を説明できる。
2. コドンとゆらぎについて説明できる。
3. タンパクの折りたたみや分解の仕組みについて説明できる。
【遺伝学の基礎】
1. 遺伝に関する用語を理解する。
2. 各種遺伝病の遺伝パターンについて説明できる。
3. 家系図を作成できる。
4. 集団遺伝学の基礎について概説できる。
【遺伝子発現調節】
1. 転写を調節するDNA構造、機能について説明できる。
2. 転写基本因子やプロモーターについて説明できる。
【細胞内輸送 1 & 2】
1. 分泌・膜タンパクの生成・小胞への輸送について説明できる。
2. 細胞内区画について説明できる。
3. エンドサイトーシス、エキソサイトーシス、オートファジーについて説明できる。
【細胞周期1】
1. 細胞周期制御系を説明できる。
2. S期・M期の仕組みを説明できる。
【細胞周期2】
1. 有糸分裂や細胞質分裂について説明できる。
2. 細胞周期とその制御の仕組み・チェックポイントの役割を説明できる。
【遺伝子とがん】
1. がん遺伝子・がん抑制遺伝子について説明できる。
2. がんの発生、増殖、浸潤、転移について説明できる。
3. がんにおける遺伝子発現の変化について説明できる。
4. 遺伝子の増幅、欠失およびその検出について説明できる。
5. 各種のがんにおける特徴的な遺伝子変異について説明できる。
【シグナル伝達(1)・細胞死】
1. 細胞表面にある受容体について説明できる。
2. 細胞間および細胞内シグナル伝達の仕組みを説明できる。
3. アポトーシスについて説明できる。
【シグナル伝達(2)】
1. Gタンパク連結型および酵素連結型受容体を介するシグナル伝達の仕組みを説明できる。
2. 環状AMPについて説明できる。
3. マップキナーゼカスケードについて説明できる。
【細胞骨格】
1. 中間径フィラメント・アクチンフィラメントについて説明できる。
2. 微小管の構造について説明できる。
3. 筋収縮について説明できる。
【生殖細胞と受精】
1. 減数分裂について説明できる。
2. 配偶子(精子、卵子)の形成過程、受精のメカニズムを説明できる。
【核酸・蛋白質の操作】
1. 細胞の単離と培養について説明できる。
2. 遺伝子・タンパクの発現と機能の解析方法について説明できる。
3. 制限酵素、PCR、塩基配列決定について説明できる。
【遺伝病】
1. 各種遺伝病の概念・分類・発症メカニズムについて説明できる。
2. 突然変異の分類について説明できる。
3. 疾患の遺伝様式について説明できる。
4. 生殖細胞と体細胞における変異の違いを説明できる。
5. 各種の遺伝病に特徴的な遺伝子変異について説明できる。
【Interactive Education】
医療現場で外国人とのコミュニケーションを円滑に進行できる。
【遺伝子検査】
遺伝子検査の方法・必要性について説明できる。
【遺伝情報に基づく医学】
1. 遺伝医学関連情報へのアクセスができる。
2. 遺伝カウンセリングの意義と方法を説明できる。
3. 遺伝学的検査の目的と意義を概説できる。

【成績評価方法および基準】
定期試験(80%) ・ 実習レポート(10%) ・ 講義毎の小テスト、レポート(10%)

【試験・課題に対するフィードバック方法】
試験終了後(試験期間終了後)に模範答案(印刷物)を配布します。
小テストやレポートの要点と概要は翌回の授業時間に解説します。

【教科書】配布テキストを使用します。
参考文献 ;[ISBN]9784524261994『Essential細胞生物学(原書第4版)』(南江堂:2016)

【関連科目】生命科学、生化学

【授業評価アンケート実施方法】医学部実施規定に準拠して行います。

【研究室・メールアドレス】genome@med.kindai.ac.jp

【オフィスアワー】火曜日の授業終了後19:00位まで。

【授業計画の内容及び時間外学修の内容・時間】
「学生実習」
日時:2~6週目の火曜日3,4限
場所:2~5週目:専門棟4階生化学実習室
     6週目 : 第一講義室(レポート作成)
内容:1)各自の耳垢決定遺伝子(ABCC11)の遺伝子型
    2)肺がん細胞における変異のタイプ
以上の2点を実験により調べる予定である。

注意事項
毎回必ず配布実験書および白衣を持参すること。
予習内容
実験書を毎回読み、次回の実習手順のイメージを掴んでおく。(60分)
復習内容
実験書を見ながら実習内容を再度整理する。疑問点が生じたら、参考書で調べるか、担当教員に質問する。(60分)