機能的脳神経外科疾患
三叉神経痛とは、顔の半分に耐えがたい痛みの出る病気です。顔の感覚(痛み、触る、冷たい、熱い)を脳に伝える神経が三叉神経です。
三叉神経痛の原因としては、頭の中の脳幹の近くの血管と神経が接触して、神経が圧迫され、血管の拍動がその神経につたわり、神経が異常に発火し、三叉神経痛を引き起こします。
診断は、痛みの出現しぐあい、経過が大事です。三叉神経は、左右あり、おでこ、頬、下あごと神経がわかれており、どの部位が痛いのかをお聞きします。
また、よく似た病気として帯状疱疹からの三叉神経痛があり、これはウイルスが神経に潜んでいて時に症状をだすもので、皮膚の症状も一緒に出現します。
画像検査は、三叉神経を圧迫しているのが血管以外の脳腫瘍や脳動脈瘤の場合もあるので、MRIを行います。
MRIにて、三叉神経と接触している血管を見つけることができます。
治療は①内服治療と②神経と血管の接触をとるための手術法、③定位放射線治療、④神経ブロックがあります。
神経の発火を押さえるために抗てんかん剤であるカルバマゼピンが痛みの軽減、消失に効果があります。ただ、薬の副作用もありますので、慎重に経過を見る必要があります。他のお薬もありますが、効果には個人差があります。
全身麻酔にて、耳の後ろで頭蓋骨に穴をあけて(鍵穴、キーホール、keyhole)、顔面神経とその周囲の血管を確認し、接触した部位を離す手術を行います。当科では、血管と神経の間にクッションは極力いれずに、神経と血管を離すような方法をとります。時間経過で神経に癒着などがおこらないようにし,神経をできる限り保護する方針です。
三叉神経にピンポイントに強い放射線をあてる方法です。痛みの改善には平均1か月はかかります。
神経に局所麻酔薬や神経破壊薬を注射する方法です。また、高周波の電流で神経を焼く方法もあります。ただし,三叉神経のすべての感覚を低下させることになります。
☆当科では,他院で手術されたあとの再発例に対しても、手術加療を行っています。
専門の担当医師
准教授 眞田 寧皓
脳神経外科における手術の実績は関西だけでなく国内でもトップクラス
南大阪で最先端医療を受けるなら近畿大学医学部脳神経外科へ
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