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入局を決意されたきっかけは何ですか?

2020年に金沢医科大学医学部を卒業した後、地元の大阪に戻ってきて市中病院で研修をしながら皮膚科の入局先を探していました。ですが、日本全国で感染症が蔓延している時期だったために、見学を受け入れている大学病院があまりなくて。そうした時に、近畿大学で研修をしている子から近大の皮膚科は「先生がみんな優しくて雰囲気がいい。教授が変わられたタイミングなのでフレッシュで勢いがある。」という話を聞いたので、その噂を信じて見学もせずに入局を決意しました(笑)。

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実際に入局された印象はどうですか?

どの先生も仕事に対して真摯に向き合いながらプライベートをきちんと両立されていて、余裕を持って仕事をされています。そのためか、話しかけづらい雰囲気の先生が一人もいらっしゃらなくて、わからないことがあればなんでも聞ける恵まれた環境で仕事ができています。同じくアトピー性皮膚炎を専攻されている先輩の松尾先生は、いつも笑顔で何かあれば積極的にフォローしてくれる素敵な先生です。あの時、噂を信じて良かったと思います。

現在、担当されているお仕事は何ですか?

近大の皮膚科では教育入院を受け入れていて、そこでの病棟業務を中心に行っています。アトピーの治療に興味をもつようになったのも、元々、専攻したいサブスペシャルが決まっていなかった時期に、たまたま教育入院の資料づくりのサポートを頼まれたことがきっかけでした。ここでは興味のあることに積極的に関われれるようにバックアップしていただけるので、私は現在、他の同期よりアトピーの治療に多く携わっています。その他には、外来診療も任せていただいています。

近年、アトピー性皮膚炎の治療は大きな変革の中にあると聞きます。実際に医療現場におられる先生からみて、いかがでしょうか?

アトピー性皮膚炎の治療薬は2018年頃からさまざまな新薬が登場していて、私が入局した2022年では注射薬であるネモリズマブのミチーガ、塗り薬でありジファミラストであるモイゼルト軟膏が日本で使用開始となりました。2018年以降に発売された薬剤とこれまでを比べて私が実感した大きな違いは、副作用が起きにくい薬がでてきたことで長期処方がしやすくなった点です。その他にも様々な特徴を持つ治療薬がどんどん生まれているので、患者さんに提案できる選択肢が増えて、より適した治療につながっていると思います。

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どんな時にやりがいを感じますか?

アトピー性皮膚炎の治療は、医師と患者さんが一緒に取り組むものなのでコミュニケーションが重要だと感じています。例えば、正しい薬の塗り方を教えただけで症状が改善していく患者さんも一定数います。そのため、外用指導もとても大切。一人ひとりの生活スタイルや背景を考えてどう伝えるのがわかりやすく、続けやすいのかを常に考えながら工夫しています。アトピーの治療は、患者さんと一緒になって疾患と向き合うことができて、その結果が目に見えてわかりやすいのが良いところ。そこが、やりがいを感じる部分でもあります。

近大でアトピー性皮膚炎の医療に携わることの魅力はなんですか?

皮膚科の研修は大学病院で行う必要がありますが、一般的にこういった大きな病院の場合、若手の専攻医が診療する機会は少ないかもしれません。ですが、近大では教育入院のプログラムがあるので専攻医1年目でも担当医となって患者さんと接する機会や診療する機会があって、そこが一番の魅力であると感じています。またアトピー性皮膚炎のスペシャリストである大塚先生、中嶋先生のご指導を受けることができるので、とても恵まれた環境だと思います。

最後に、アトピー性皮膚炎の医療に携わっておられる先生方のご紹介をお願いします。

近大では、主任教授の大塚先生と中嶋先生のお二人がアトピー性皮膚炎をサブスペシャルにされておられます。中嶋先生は先述の「教育入院」導入を主導された先生でもあり、専門外来を担当されている他に研究分野にも熟達されていて、とても優秀でありながら優しくて謙虚。私の憧れの存在です。現在は、大塚先生と共に論文作成や学術発表についてご指導いただいています。松尾先生は4つ上の先輩。いつも明るくてパワフル、他の先生からの信頼も厚い先生です。

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ご自身が取り組まれているアトピー性皮膚炎の医療についてお聞かせください。

アトピー性皮膚炎の治療は、2018年に発売されたデュピクセントという生物学的製剤を皮切りに、その後も次々と新薬が登場して治療の選択肢が大幅に増えました。アトピー性皮膚炎の治療は劇的に変わろうとしています。基本の保湿や外用剤の使い方を大事にしつつ、個々のライフスタイルや価値観を大切にしていきながら、適切な医療を届けられるように心がけています。

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近大が目指すアトピー性皮膚炎の医療についてお聞かせください。

大切にしているのは患者さんfirstです。新しい治療も含めたたくさんの選択肢を提供しながら、患者さんと伴走できる存在であり続けること。地域の基幹病院として重症患者を受け入れ最新の治療を提供できること。現状では、中等症以上の症状であっても病院を受診しない患者さんも多くおられます。そのような患者さんやその家族と医療のかけはしとなるべくアトピー性皮膚炎に関する情報を発信し、適切な医療に結び付ける役割を担っていきたいと考えています。

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これからアトピー性皮膚炎の医療に携わる方へメッセージをお願いいたします。

近大には、軽症から重症までさまざまなレベルの患者さんが来院されます。アトピー性皮膚炎は慢性の病気であり、ライフイベントに応じて必要な対応も変わってきます。ここでは外来・入院診療を通して、疾患重症度や患者さんの背景を考えながら基本の外用治療はもちろん、最新の治療まで学ぶことができます。

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