pin 研究
主なテーマはアトピー性皮膚炎、悪性黒色腫、乾癬、色素異常症、自己免疫性水疱症、紫外線及びレーザー治療、皮膚病理などです。いずれのテーマにおいても国内外の皮膚科教室や基礎医学教室との共同研究を積極的に行っており、多くの研究成果を挙げています。
近畿大学医学部 皮膚科学教室   
業績・論文
2023 Mar;50(3):280-289.
Chisa Nakashima, Maiko Kato, Atsushi Ostuka
Cutaneous manifestations of COVID-19 and COVID-19 vaccination
COVID-19とCOVID-19ワクチンに関連した皮膚症状をまとめた総説です。
Allergol Int. 2021 Nov 20;S1323-8930(21)00139-8.
Chisa Nakashima, Shigeto Yanagihara, Atsushi Otsuka
Innovation in the treatment of atopic dermatitis: Emerging topical and oral Janus kinase inhibitors
アトピー性皮膚炎では新薬ラッシュが続いています。その中で注目を集めているのがJAK阻害剤です。JAK阻害剤はTh2サイトカインを広く阻害し、アトピー性皮膚炎のかゆみ、免疫、バリア機能破綻の全てに作用します。本論文では、JAK阻害剤のメカニズムとその作用についてわかりやすくまとめました。
J Dermatol 2014; 41: 459-461.
Kato M, Oiso N, Itoh T, Sato M, Matsuo K, Nakayama T, Satou T, Kawada A.
Necrobiosis lipoidica with infiltration of Th17 cells into vascular lesions.
近畿大学病理部、近畿大学薬学部とともに脂肪類壊死症の病変部血管周囲にTh17細胞が浸潤することを示しました。
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主任教授/診療部長 大塚 篤司
業績・論文
J Allergy Clin Immunol 2014; 133: 139-46.
Otsuka A, Doi H, Egawa G, Maekawa A, Fujita T, Nakamizo S, Nakashima C, Nakajima S, Watanabe T, Miyachi Y, Narumiya S, Kabashima K.
Possible new therapeutic strategy to regulate atopic dermatitis via upregulating filaggrin.
アトピー性皮膚炎ではバリア機能の破綻が見られ、その原因としてフィラグリンタンパクの減少が考えられています。私は、化合物ライブラリーから培養表皮細胞を用いてスクリーニングを行い、フィラグリンの発現を亢進する化合物を発見しました。この化合物は、フィラグリン蛋白の発現をin vivoでも亢進し、マウスアトピー性皮膚炎が軽快することを発見しました。バリア機能の改善を促す化合物はアトピー性皮膚炎の新規治療となり得ます。この成果は社会的にも強いインパクトを与え、朝日新聞をはじめ多くの新聞紙面で紹介されました。また、国際特許を取得し、アトピー性皮膚炎の新薬開発に大きく貢献しました。
Nat Commun 2013; 4: 1739.
Otsuka A. Nakajima S. Kubo M. Egawa G. Honda T. Kitoh K. Nomura T. Hanakawa S. Moniaga C. Kim B. Matsuoka S. Watanabe T. Miyachi Y. Kabashima K.
Basophils are required for the induction of Th2 immunity to haptens and peptide antigens.
好塩基球におけるTh2型免疫応答の関与の有無は、免疫学領域全体で議論となる研究課題でした。本研究では、好塩基球特異的ノックアウトマウスを活用し、抗原の種類で好塩基球依存性のTh2免疫応答誘導に差異が出ることを明らかとしました。また、この原因が好塩基球の貪食能力による違いであることを見出しました。さらに、樹状細胞が好塩基球の抗原提示を補助するメカニズムを発見しました。本論文は国際的にも高く評価され、第15回ガルデルマ賞を受賞しました。
Clin Cancer Res 2015; 15;21(6):1289-97.
Otsuka A, Dreier J, Cheng PF, Nägeli M, Lehmann H, Felderer L, Frew IJ, Matsushita S, Levesque MP, Dummer R.
Hedgehog pathway inhibitors promote adaptive immune responses in basal cell carcinoma.
基底細胞癌は皮膚科領域では最も頻度の高い悪性腫瘍です。予後の良い腫瘍ですが稀に転移を来たし生命を脅かします。本研究では、治験中であった基底細胞癌に対するヘッジホッグ伝達経路阻害剤の患者サンプルを用いて解析を行いました。その結果、ヘッジホッグ伝達経路阻害剤が腫瘍の増大を直接抑制する以外に、獲得免疫を増強する作用を有することを発見しました。ヘッジホッグ伝達経路阻害剤の新規作用メカニズムを活用した治療法開発につながる研究として注目され、本研究が掲載誌の表紙を飾りました。
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