EDUCATION教育 / カリキュラム

カリキュラムの特徴

脳腫瘍

  1. 神経膠腫(グリオーマ)に対して、通常の画像診断に加え、functional MRI, MR tractography, PETなどを用いて詳細な検討を行います。手術はナビゲーション、モニタリングに加え術中蛍光色素を使用し安全確実な手術を行います。術後は病理組織や特殊染色に加え、遺伝子診断を行い術後の化学療法、放射線療法を行います。
  2. 下垂体腫瘍、鞍上部腫瘍に対して、経鼻的に内視鏡手術を行っております。
  3. 髄膜腫や聴神経腫瘍など良性腫瘍に対して、頭蓋底の確実な骨削除やモニタリングを行い、確実な治療を行っております。

脳血管外科

  1. 脳出血に対して解剖にもとづいた正確な開閉頭による血腫除去術や、内視鏡的血腫除去術を行っています。
  2. 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対して、繊細な顕微鏡手技(シルビウス裂、大脳半球間裂の剥離)を行っています。
  3. 治療困難な巨大・大型動脈瘤に対して、浅側頭動脈や橈骨動脈などを用い、正確なバイパス術を用いた治療を行っています。
  4. もやもや病に対して理論に基づいた直接・間接血行再建術を行っています。
  5. 血管内治療・放射線治療を併用し、脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻に対する集学的治療を行っております。

脳血管内手術

  1. 急性期脳梗塞に対してステントや吸引を用いた血栓回収療法を行い、高い再開通率を得ています。t-PAの静注療法と併用して行うこともあります。
  2. 大きくは塞栓する手技と開通させる手技があります。塞栓術はコイルや液体塞栓物質などを用いて、脳動脈瘤、動静脈奇形、動静脈瘻、腫瘍栄養血管などに行います。開通させる手技はバルーンやステントなどを用いて、頭蓋内血管狭窄・閉塞症、頚動脈狭窄症などに行います。
  3. 救命救急センターではドクターカーが超急性期治療に運用されています。

脳卒中内科

  1. 脳卒中のうち、脳梗塞、脳出血、TIAに関しては内科的保存療法が適応となることがあります。脳血管障害に至る背景には、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった動脈硬化の原因となる疾患だけでなく、心房細動や弁膜症といった心疾患、膠原病や内分泌疾患が関与することもあり、さらに悪性腫瘍が原因となる場合があります。これらの内科疾患についての診断、治療、全身管理を脳血管障害とともに学びます。

てんかん外科 機能的外科

  1. 難治てんかんセンターでは持続脳波モニタリング、functional MRI, SPECT, PET, MEG(他院)などの機器を用いててんかんに対する診断を行っています。
  2. 外科的治療可能なものに対して、焦点切除術や脳梁離断術を行っています。
  3. 難治てんかんに対する補助療法として、迷走神経刺激療法を行っています。
  4. パーキンソン病や不随意運動に対して深部脳刺激療法を行っております。

三叉神経痛、顔面けいれん

  1. 神経血管減圧術で血管の末梢神経への圧迫を解除することで根治を得ることができます。解剖に基づき開頭が小さなkey hole surgeryを行っています。

痙縮、水頭症に対する治療 

  1. 中枢神経損傷後の運動麻痺に合併する痙縮に対する髄腔内バクロフェン投与療法(ITB療法)・A型ボツリヌス療法・選択的末梢神経縮小術は全国でも有数な中核施設となっており、痙縮において日本定位・機能外科学会治療ガイドラインを担当しています。
  2. 国民病ともいえる認知症の中に、特発性正常圧水頭症(iNPH)があります。MRI、SPECTやPETを用いた詳細な診断の上、腰椎腹腔短絡術(L-Pシャント術)や脳室腹腔短絡術(V-Pシャント術)を行っており、閉塞性水頭症に対する神経内視鏡による治療もあわせ高い治療成績を収めています。
  3. 難治性神経障害性疼痛に対する脊髄硬膜外電気刺激療法(SCS)・中枢性神経障害性疼痛に対する大脳皮質運動野電気刺激療法(MCS)など神経を傷つけることなく疼痛を緩和させる最新の治療である、ニューロモデュレーション治療にも高い実績があります。

頭部外傷

  1. 急性硬膜外血腫、硬膜下血腫、頭蓋骨骨折など急性期の手術を学びます。
  2. 慢性硬膜下血腫の穿頭術は、脳神経外科手術で初めて担当する手術となることが多い疾患です。解剖、開創、穿頭、閉創、縫合の基本的技術を確実に習得します。

脊髄外科

  1. 脊椎変性疾患に対する前方・後方除圧固定術に対して、顕微鏡を使用した正確で安全な治療を行っています。
  2. 硬膜内外脊髄腫瘍に対する髄液漏れのない確実な治療を行います。
  3. 脊髄硬膜動静脈瘻に対するハイブリッド手術室での治療を行います。
  4. 不安定性(脊椎のずれ)のある疾患は、スクリューなどのインストルメントを用いて固定を行っています。

小児疾患

  1. 水頭症に対して脳室腹腔シャント術などの治療を行っています。
  2. 小児疾患は脳神経外科でも専門性の高い領域で、関西医科大学脳神経外科と連携し治療を行っています。