ご挨拶

現在、国民の約2人に1人は気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレルギー性結膜炎、食物アレルギーなどのアレルギーに罹患していると言われ、このような患者数の増加が社会問題となっています。また、アレルギー疾患は一度発症すると、複数の臓器にアレルギー疾患を合併しうることや、新たなアレルギー疾患に罹患することが特徴であることから、内科、小児科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、皮膚科、眼科など多岐にわたる診療科が専門的な知識と技能を提供するだけでなく、包括的な治療を患者および地域や社会に提供する必要が求められています。
これら拡大するアレルギー疾患の問題に対応すべく、「アレルギー疾患対策基本法(平成26年6月成立:平成27年12月施行)」が発効され、平成29年にアレルギー疾患対策基本指針、および医療体制の提供の在り方が示されました。
このように定められた施策に対応するために、近畿大学病院では平成29年にアレルギーセンターを設立し、呼吸器・アレルギー内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、眼科の各専門医による臓器特異的アレルギー疾患、および多臓器に及ぶ複合的アレルギー疾患の診療と治療に対応し、アレルギー疾患の基幹病院として活動しています。また、私たちの活動が評価され、当センターは平成31年6月1日に大阪府アレルギー疾患医療拠点病院に指定され、令和元年6月25日には、厚生労働省よりアレルギー疾患対策都道府県拠点病院モデル事業法人に指定されています。
呼吸器内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉・頭頸部外科、眼科の各専門医が定期的に症例カンファレンスを行うことによって、診断だけではなく病態把握が正確になり、適切な治療が行えるようになります。また、医師だけではなく、アレルギーに精通した看護師、薬剤師、栄養士による生活指導や服薬指導、食事指導も行っていますので、アレルギーで困っている方の受診をお待ちしています。

アレルギーセンター長 東田 有智

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