RESEARCH研究

研究内容

アトピー性皮膚炎と悪性黒色腫(メラノーマ)の克服に取り組んでいます。アトピー性皮膚炎ではバリア機能の破綻が見られ、その原因としてフィラグリンタンパクの減少が考えられています。化合物ライブラリーから培養表皮細胞を用いてスクリーニングを行い、フィラグリンの発現を亢進する化合物を発見しました。これら研究成果を発展させ、製薬会社と共に開発を進めた結果、2020年、アトピー性皮膚炎の新規外用剤が上市されました。さらに、平成28年からは、AMED免疫アレルギー疾患等実用化研究事業の代表研究者となり、末梢神経の生体イメージングを用いた、アトピー性皮膚炎に対する新規止痒薬剤の開発を進めています。
進行期の悪性黒色腫に対しては免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)が使用されます。抗PD-1抗体のバイオマーカーをメラノーマ患者末梢血から探索する過程で、HLA-A26保有者では抗PD-1抗体の奏効率が有意に高いことを見出しました。免疫チェックポイント阻害剤の効果・副作用のバイオマーカー研究を行い、臨床現場への応用を目指した研究を進めています。