EDUCATION教育 / カリキュラム

カリキュラムの特徴

近畿大学医学部の救急医学講座は、国際競争力をもった医師・研究者・教育者を育成します。研究と臨床をこなす医師をphysician-scientistと呼びます。以下の世界をリードするphysician-scientistと、近畿大学の救急医学講座は強い絆で結ばれており、海外で活躍する日本人医師の育成を推進します。

1.グローバル化の推進

Lance B. Becker (近畿大学医学部 特別招聘研究教授)
ニューヨークのZucker Schoolf of Medicine at Hofstra/Northwellの救急医学講座の主任教授であり、ミトコンドリア異常の病態解明と治療応用を専門とする。世界を牽引する蘇生科学の権威である救急医かつphysician-scientistであって、篠崎教授が米国で10年師事したメンター。

Simon C. Robson (近畿大学医学部 特別招聘研究教授)
ボストンのHarvard Medical Schoolの免疫・侵襲学の教授で、Beth Israel Deaconess Medical Centerの麻酔学に籍を置く、消化器内科医かつphysician-scientist。酸素代謝・侵襲の分野だけでなく、細胞外のATPの機能を解析した"purinergic signaling"という新しい研究分野のパイオニアのひとり。篠崎教授が師事するメンターでもある。

Betty Diamond
ニューヨークのFeinstein Institutes for Medical Researchの分子病態研究所(Institute of Molecular Medicine: IOMM)を率いる所長であり、免疫学の教授。Harvard Medical Schoolを卒業後、膠原病内科医となったのちに、免疫学の教授となった。医学の世界最高権威の一つとされる、米国 National Academy of Medicineのメンバーのひとり。IOMMは篠崎教授が客員として在籍する研究所で、Diamond教授はメンターでもある。

その他、近畿大学救急医学講座と関わりの深い海外の臨床医・研究者・教育者
David F. Gaieski(University of Pittsburgh Medical Center,救急医・教授)
Mark J. Richman(Long Island Jewish Medical Center,救急医・講師)
Thomas B. Perera(North Shore University Hospital,救急医・講師)
Harshal Nandurkar(Monash University,血液内科医・教授)
Chih-Hsien Wang(National Taiwain University,心臓外科医・准教授)
Sun-Jung Kim(Feinstein Institutes for Medical Research,免疫学博士・准教授)
Ping Wang(Feinstein Institutes for Medical Research,侵襲学博士・教授)
Willard Sharp(University of Chicago,救急医・准教授)

近畿大学医学部救急医学講座を訪れた海外の臨床医・研究者
2023/5/2 Khizer Rizvi(Hackensack Meridian Health,救急医)
2023/7/11 Lance Becker(Zucker Schoolf of Medicine,救急医・教授)
2023/8/31 Justin Zhao(UT Southwestern,救急医)
2023/9/11 Jonathan Gong(Long Island Jewish Medical Center,救急医・講師)
2023/10/19 Kanami Mori(North Shore University Hospital,救急医)
2023/11/22 Ray Hou(Montefiore Health System,救急医)
2024/3/8 David Gaieski(University of Pittsburgh Medical Center,救急医・教授)

2.救急処置

2学年では一次救命処置を小グループで学んでいただきます。一次救命処置は、中高生の時や自動車教習所でも学んだ人も多いと思います。医学部における実習では単に処置を行うのではなく、ブリーフィングとデブリーフィングを行って、自分たちで考えながら行動することで的確な処置ができることを目指していきます。
4学年では前半に行われる座学の授業に加え、後半でのOSCEの実習では、意識障害の傷病者に対する診察法や小児や成人の一次救命処置や気管挿管、二次救命処置など多岐に渡る実習を行い医学生として身に着けるべき救急処置を身に着けます。

3.救急疾患

救急医学は小児から超高齢者までの急性疾患を広く扱う分野です。そのため、従来の縦割りに細分化された医学の分野を橋渡しする意味で幅広く急性期疾患の診断から治療について、4年生の座学で学ぶこととなります。本邦における救急医療の問題点を理解することに始まり、蘇生処置の理論、熱傷や特殊な感染症、体幹部や四肢の救急疾患、重症病態の把握や治療などに関して、それぞれの専門家がわかりやすく授業を進めていきます。

4.災害医療

4年生の座学での講義により、災害時の医療体制やトリアージ、救急処置、DMATなどの知識を身に着けることを目標とします。また、希望すれば毎年実施している病院内の災害訓練に模擬患者として参加することもでき、身をもって災害時の医療体制や医療従事者の診療対応を学ぶことができます。

5.臨床実習

救命救急センターに搬送された傷病者について搬入時の初期治療から入院後の集中治療まで、一人の患者を受け持って深く学ぶことにより救急疾患についての理解を深めていきます。また、臨床実習の合間に4学年の座学では十分に学ぶことができなかった、救急領域についての講義を行うことにより、広く深く知識を身に着けることができます。