ABOUT US教室について

教室理念

当科では「為成」を教室訓として定めています。この「為成」は江戸時代中期の米沢藩主の上杉鷹山の言葉である「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」から引用しています。また、西洋のことわざにも「Where there is a will, there is a way」という言葉があり、「意志のあるところに必ず道は開ける」という指針は洋の東西を問わず物事の本質に迫る言葉だと考えています。「優れた知識や技術を身につけて多くの患者さんを救いたい」「臨床研究で新しい治療法や診断法を確立したい」「我々が得た結果を学会で発表することで日本の医療を変えていきたい」「国際学会での発表や英文論文で世界に発信したい、世界の医療を変えたい」など強い意志を持てば必ずその思いは成し遂げられます。

教授メッセージ

各医学分野における専門性の細分化は例外なく進められてきており、消化器内科からさらに上部消化管、下部消化管、肝臓、胆膵と細分化の傾向が世の趨勢です。しかし、内科学を包括的学問分野と捉えると知識の連携と統合が正道であり、狭い領域しか知らない医師は真の消化器内科医とは言えません。信頼される医師とは広い知識を持ちつつ、ある領域については深い見識と技術を兼ね備えた総合的な判断ができる者と考えています。私たちは内科学全体の広い知識(generalist)に裏打ちされたorgan specialistとしての消化器内科医の育成を目指しています。当診療科は1999年に消化器内科学教室として新設され開講致しましたが約20年の間に日本あるいは世界の中でも有数の消化器内科学教室に成長しました。消化管内視鏡、肝臓および胆膵グループの大きく3つのグループに分かれていますが、いずれも国内あるいは国際学会等で活躍する人材が多数在籍しております。教室からの英文論文は平均60~100編毎年出版しておりますし、最先端の医療を実践しています。海外からの留学生も毎年多数受け入れています。現在では、当教室は国内でも有数の消化器内科学教室であると自負しています。消化器疾患に興味のある受験生や在学生はもちろんのこと、消化器内科医を目指す研修医、世界で活躍したいというモチベーションを持つ人にはぜひ入局していただきたいと考えております。もちろん英文論文を書くことは臨床医として重要なことですが、上下部消化管内視鏡や超音波などの手技も学べますので一般病院勤務や開業を目指す場合にもこの消化器内科教室で身に着けた知識や技術は必ず役に立ちます。また一般内科の患者さんの半分以上は消化器疾患の患者さんですのでその意味でも多くの疾患や救急を経験することができます。また消化器内科の特徴として広い領域をカバーする、すなわち食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管、および肝臓、膵臓といった実質臓器、あるいは胆道、胆嚢病変に至るまで守備範囲が極めて広い領域でありますのでさまざまな知識や技術が学べ、かつ消化器癌が右肩上がりに増えている現状においては社会から求められるニーズも大きいものがあります。消化器内視鏡や超音波を使って早期診断から内視鏡的治療あるいは超音波ガイド下のラジオ波治療・カテーテルを使った径動脈性インターベンション治療(TACE)や薬物療法(分子標的薬・免疫療法)などで悪性腫瘍を内科医自らが根治的に治療できるというやりがいも自ら感じることができます。その意味では、自分のやりがいを感じたい、あるいは内視鏡技術や超音波技術を駆使して患者さんを救いたいといった情熱を持つ人の入局をぜひ望みたいと思っております。

工藤 正俊
KUDO Masatoshi
主任教授