ABOUT US教室について

教室理念

血液疾患や膠原病の多くは、これまでは難治性疾患とされてきました。しかし、近年、これらの疾患の原因となる遺伝子異常や分子病態が明らかにされ、これらの異常に対する分子標的薬や生物学的製剤などの新規治療薬が数多く開発されてまいりました。その結果、これらの難治性疾患の治療成績は大きく改善し、一部の造血器腫瘍では治癒も期待されております。
当教室では、日常診療において、最新の医学的エビデンスに基づいた先進的な診療を実践しています。標準的な治療法が確立されていない疾患については、臨床試験、未承認薬の臨床治験に積極的に参加し、新たなエビデンスの構築、治療法の開発に邁進しております。また、これら難治性疾患の病因解明、新しい治療法開発に向けての基礎研究にも積極的に取り組んでおります。われわれ医局員一同、難治性疾患に苦しむ患者様に寄り添い、少しでもお役に立てるよう、日々励んでおります。

教授メッセージ

当教室は、昭和49年近畿大学医学部創立時に第三内科として設立され、初代教授が堀内 篤先生、第二代教授が金丸 昭久先生で、平成22年4月に私が第三代教授として赴任致しました。講座名は、血液・腎臓・膠原病内科、血液内科を経て、平成23年からは血液・膠原病内科となっております。当教室には、約30名の医師が所属し、血液グループと膠原病グループに分かれ、それぞれが独立して専門診療を行うとともに、研究や学生教育などについては、1つの講座として共働しています。
血液グループは、主に造血器悪性疾患の診療にあたり、エビデンスに基いて分子標的薬、治療用細胞製剤などの新規薬剤を用いた治療を行うとともに、自己末梢血幹細胞や同種造血幹細胞を用いた移植術も積極的に行っております。膠原病グループは、従来からの主流であったステロイド治療に加えて、免疫抑制剤や生物学的製剤、分子標的薬を積極的に使用し、重症例に対しては血液浄化療法(血漿交換、免疫吸着など)も行い、良好な治療成績をあげています。当科は、院内での治療にとどまらず、近隣の多くの病院に専門医を派遣し、連携病院とともに大阪南部の血液疾患、膠原病の治療の中心的役割を担っております。また、当院での治療を希望する和歌山県、奈良県などからの患者様も数多く受け入れ、社会的責務を果たしています。
研究については、造血器疾患、膠原病についての臨床研究や新薬の臨床治験を多数行っております。また、大学院生やポスドクが中心となって、造血器腫瘍の分子異常を解明するための基礎研究(血液グループ)や膠原病の病態生理、分子病態を明らかにするための基礎研究(膠原病グループ)を積極的に行っています。
当科では、初期、後期の研修医に対して、マンツーマンで指導し、初期研修医には内科学全般にわたる幅広い知識と技術を習得させ、後期研修医には血液領域、膠原病領域の専門性の高い診療を教育しています。 当教室は、誰もが自由に意見を発することができる自由な空気に包まれています。医局員一人一人がそれぞれの目標に向かって努力しつつ、しかも、全体としてまとまっていることが特徴であります。臨床研修や入局についてのご相談は随時受け付けておりますので、関心のある先生は是非遠慮なくお問い合わせください。

松村 到
MATSUMURA Itaru
学長/主任教授/学部長