募集案内

博士課程学生・研究生募集

免疫チェックポイント阻害剤が様々ながん種において承認されているが、多くの患者はいまだにこれらの治療法に反応しないか、治療効果が認められても後に耐性になる。免疫チェックポイント阻害剤の適応を合理的に判断し、また治療抵抗性のポイントを明らかにするためには、個々の患者において、免疫チェックポイント阻害剤に対する反応性を決定する分子メカニズムを明らかにすることが必要である。これまで蓄積された臨床経験から、腫瘍固有の因子、免疫を含めた腫瘍の微小環境、宿主に関連する因子、そして治療に伴う動的な変化など、免疫チェックポイント阻害剤に対する反応性を規定する因子に関する情報が次第に蓄積されてきた。さらにシングルセルレベルでの高次解析が可能になり、詳細かつ膨大な情報を包括し、それらを統合して効果を予測し、治療抵抗性を克服する鍵を探索することが可能であり必要になってきた。免疫チェックポイント阻害剤治療において、単一のバイオマーカーから、統合的バイオマーカーの時代へと突入しつつある。

免疫学教室では、「がんに対する免疫応答を、いかに制御して治療に役立てるか？」をテーマに、腫瘍に対する免疫応答を詳細に解析し、新しい免疫治療法の開発や免疫治療の効果を予測するバイオマーカーの探索を行っています。

これまでの免疫学は、詳細な観察をもとに、仮説とその検証を積み重ねて様々な病態を解明してきました。一方、バイオインフォマティクスやコンピューターサイエンスを駆使した解析では、網羅的な情報を先入観にとらわれることなく回答を探索します。我々は、両者が一致した時、はじめて抗腫瘍免疫応答の評価に確信を持つことが可能になる。免疫細胞治療学講座で実施する腫瘍免疫研究は、まさにこの両者を融合する新しい腫瘍免疫研究として、統合的解析に注力しています。

大学院生や企業からの研究生、さらに、臨床の現場で解析したい検体や試してみたいアイデアをお持ちの先生、ぜひ免疫学教室を覗いてみてください。