RESEARCH研究

研究内容

腫瘍内科では、基礎実験から、臨床試験まで、「がん」についての研究を幅広く行っています。なぜ研究が必要なのか?それは患者さんに新しい治療を提供するためです。我々は日々患者さんから学び、それを研究に結びつけ、答えを出そうと努力し続けています。
基礎実験としては、主に抗がん剤、分子標的薬、最近では免疫チェックポイント阻害剤の効果および治療抵抗性に関わる機序に焦点を当てて細胞やマウスを使って研究を行っています。多くの大学院生は2年ほど臨床を離れて基礎研究に没頭する日々を過ごします。研究の楽しさに目覚め、海外留学をされるケースも少なくありません。最近は製薬企業とも共同で研究を行い、基礎レベルから新薬の開発に携わっています。
腫瘍内科では多くの患者さんを診療させていただく中で、しばしば非常に示唆に富む症例を経験することがあります。こうした臨床での経験を広く、しかもタイムリーに共有することを目的としたケースレポートは、臨床家にとって重要な視点を養うものであり、若手医師・大学院生に必要なスキルです。
臨床医である我々は、患者さんから多くのことを教わります。そうした中で抱いた疑問に答えを出す方法の一つに臨床研究があります。過去の患者さんのデータを後ろ向きに解析することは、新しい治療を考える上で欠かすことのできない大切な研究です。さらにそうした疑問に最終的な結論を出すのが、前向き臨床試験です。臨床試験には高い倫理性が求められます。腫瘍内科は積極的に臨床研究に取り組んできた歴史があり、若手医師・大学院生にも日常的に教育を行っています。
がんに対する治療は残念ながら未だ満足できるものではなく、すべて発展途上であり、新しい治療の開発が急務です。新薬を含む新しい治療の開発は、我々にとって最も大切なことであり積極的に取り組んでいます。 
がん治療の最前線に身を置き、様々な経験を通して「がん」についての研鑽を積んでいく、という研究環境を腫瘍内科は提供します。英文論文の質の高さをあらわす指標の一つとして、インパクトファクターが世界中で使われています。インパクトファクターが5点以上の雑誌にパブリケーションされたら、近畿大学大学院では3年で卒業できるという独自のシステムがあり、これを「早卒」と呼んでいます。近畿大学全体で毎年一人出るか出ないかという割合ですが、腫瘍内科からは毎年のように輩出されています。