RESEARCH研究

研究内容

当教室では神経免疫学、神経遺伝学、臨床神経生理学をはじめとする研究が行われています。研究テーマについては本人の希望を尊重し、他施設との共同研究も視野に入れて進めています。当科の最近の主な研究成果は研究業績の項目を参照して下さい。
神経免疫学は、当科が最も得意とする分野です。特にGuillain-Barré(ギラン・バレー)症候群に関する研究は世界が注目する成果をあげています。従来から、診断に有用な抗ガングリオシド抗体を教室内で測定しており、早期の診断と治療開始に役立っています。抗体測定は全国の施設から検査依頼が来ており、年間4000件を超えています。この蓄積された膨大な検体と臨床データによって、新たな病態メカニズムの解明や病気の重症度や予後を予測するマーカーの開発にむけた研究を行っています。
疾患動物モデルを用いた研究も盛んにおこなっています。中枢神経の免疫疾患である多発性硬化症の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)や末梢神経の免疫疾患の動物モデルである実験的自己免疫性ニューロパチー(EAN)を用いて、病態解明や新規治療薬の開発を行っています。
神経変性疾患は、近年、遺伝子解析が進み、より系統的に病態解明が進み、治療が可能な疾患も増えてきました。当教室では、筋萎縮性側索硬化症や脊髄小脳変性症などの神経変性疾患の診断に有用な遺伝子検査を行っており、病態に関与する新たな遺伝子を次々に見つけて報告しています。また、嚥下機能評価や自律神経検査など、臨床にすぐに役立つ項目を対象にした研究も行っています。
臨床研究は、大学病院ならではの様々な神経疾患を対象とした医師主導型を含めた臨床治験を積極的に進めています。その成果から、神経難病に対する新たな治療法が確立されています。また、希な疾患の症例報告も精力的に行っており、症例をまとめた研究成果も医学雑誌や学会で報告して、学外に発信しています。
現医局員には、エール大学、メイヨークリニック、ハーバード大学、カリフォルニア大学、ユタ大学、グラスゴー大学などへの留学経験者がおり、海外留学の希望がある医局員には積極的に対応しています。