ABOUT US教室について

教室理念

臨床面では、患者さんにとって何が一番幸せなのかを全員で議論し、妥協することなく、常にそれぞれの患者さんにとって最善の医療を提供します。大学病院ならではの最先端の医療、高度な医療を積極的に取り入れるとともに、それらを安全に提供できるように努力しています。
教育面では、患者さんに寄り添い、優れた技術を持つ産婦人科医師の育成を目標とし、一人一人のニーズに応じた教育を行います。また、未来の医療を担う医学生の教育にも注力し、産婦人科医療の面白さ、大切さを伝えます。
研究面では、充実した指導により優れた若手研究者を育成するようつとめています。常にリサーチマインドを持ちながら診療にあたることをモットーとしており、診療上の疑問点と、それを解決するためにどうするべきかを熟慮し、総合大学の強みを生かして他領域とも協力しながら、産婦人科臨床に直結する研究を行い、成果を上げることを目指します。

教授メッセージ

生殖活動は、生物としての根源的な欲求ですが、女性には生殖に関して多様な疾患が生じます。妊娠の高齢化と少子化により、子宮内膜症などの病気が多くの女性を苦しめています。そして、出産の際には、ヒトは二足歩行による骨盤の変化と大きな頭脳をもつ児を胎内で育てるための代償として、難産になる宿命を持っています。また、性ホルモンの変動により生殖器のみならず全身の多くの臓器が大きく変化することで、女性のQOLを損なう様々な疾患が生じます。さらに、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどの婦人科悪性腫瘍の発生率は年々増加していて、現在、日本人女性の婦人科悪性腫瘍の罹患率は5%以上となっています。産婦人科は、時に緊急の対応も行いながら、それらの女性の苦しみを解決すべく取り組み、患者さんに喜びをもたらすことのできる診療科です。
私は、患者本位の医療にこだわってきました。患者さんにとってベストの医療を行うためには、まず患者さんに何でも言ってもらうことが必要で、さらに、若い医師や、学生、看護師などの他職種からも、遠慮なく意見を言ってもらえる環境づくりが重要です。私は教室内のあらゆる局面で権威主義を排除することを目指していて、それが安全な医療にもつながると考えています。
手術中においても、若い医師に遠慮なく発言してもらうようにしています。婦人科手術において、当教室では良性疾患であっても悪性疾患であっても腹腔鏡下手術にこだわってきました。腹腔鏡下手術は患者さんの侵襲が少ないのみならず、手術に参加している者が全員で拡大した視野を共有し、しかもその画像を後で振り返ることができるという点で、教育ツールとしても優れています。そして、手術中に気づいたことを若い医師からも言ってもらうことで、ダブルチェックが働き、手術がより安全になります。手術中のディスカッションを繰り返すことで、知識が深まり医師も成長していきます。
研究面においては、当教室では医局員と相談しながらテーマを一緒に探すようにしています。私は、臨床医が研究を行う際は楽しくなくてはいけない、と考えています。研究においては、一見ネガティブに見えるデータであっても必ず意味があります。私にとって研究とは、データを見て驚き、仮説を作り直す、ということの繰り返しでした。研究は、予想通りに進むことはほとんどなく、紆余曲折の中で苦しいこともあるのですが、データに導かれながら次第に新しい道が拓けていくことはとても楽しいものです。
医学部学生の方、研修医の方、そしてすでに産婦人科医として働いている方、当教室の仲間に加わりませんか?純粋に患者本位の医療を目指せること、最短コースで医療技術を磨くこと、自分が本当にやりたい研究をすること、そういうことのできる環境が、まさにここにあります。

松村 謙臣
MATSUMURA Noriomi
主任教授