EDUCATION教育 / カリキュラム

カリキュラムの特徴

関節外科

本邦における変形性関節症患者は2500万人といわれ、本格的な高齢化社会にむかう日本にとって健康寿命の維持や生活の質の向上などの観点からも変形性関節症の治療の重要性は増しつつあります。そこで当関節外科グループでは変形性関節症、関節リウマチなどに代表される社会生活に関わる関節疾患の治療方法である人工関節の研究をしてきました。そのため最先端の人工関節器械や手技に触れることができます。またスポーツ医学については、スポーツ損傷に代表される前十字靭帯損傷、半月損傷や反復性肩関節脱臼などを対象とした低侵襲である関節鏡視下手術を実施しています。スポーツ選手がなぜ怪我をしてどのようにスポーツ復帰していくのかも学んでほしいと思います。

脊椎外科

頸椎から仙尾椎にいたる脊椎の機能的解剖、脊椎を構成する骨、椎間板、靭帯、筋肉などの名称、脊髄や馬尾神経の高位診断について学習します。当科では頸椎から仙椎にいたる全脊椎での圧迫性病変を治療対象とし、診断、保存的治療を厳格に行った後、無効例に対して手術を行うスタンスで系統的な治療を施行しています。扱う疾患は頸椎症性脊髄症、頸椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、リウマチ性頸髄症、頸椎後彎変形、転移性脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、感染性脊椎炎、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、成人脊柱変形、骨粗鬆症性椎体骨折、脊椎外傷など多岐にわたっています。手術に関しては、腰椎内視鏡下ヘルニア摘出術のような最小侵襲手術から、転移性脊椎腫瘍に対して行われる全脊椎摘出術、成人脊柱変形に対する矯正骨切り術、あるいは頸椎難治症例に対する頸椎再建固定術など、部位や手術の大小問わず、先端医療を学ぶことができます。

上肢、末梢神経外科

医学部3年生の講義では、当科で作成した「整形外科シラバス」をベースに、解剖学を復習し、そのうえで上肢疾患、末梢神経損傷に対する病態、治療の講義をしています。5年生から始まる臨床実習では、担当患者を決め、担当医と同等の立場で患者に接して頂くことをモットーにしています。6年生に対しては、国家試験問題に関連する知識の整理に関する講義をしています。研修医として整形外科研修を受ける先生には、上肢、末梢神経外科の全般的な知識、一般的技術を習得して頂きます。研修医を修了後,当教室のプログラムで整形外科専門医を目指される先生方は、上肢骨折手術の主手術者となれることを目標に指導しています。専門医試験のための知識の整理のために勉強会を行い、また顕微鏡下手術の指導も行っています。上肢外傷手術、手関節鏡手術、顕微鏡を使った組織移植、腕神経叢損傷に対する筋肉移植、交差神経移行術など最先端の治療を学ぶことができます。

腫瘍、外傷外科

骨軟部腫瘍と高エネルギー外傷を中心に治療を行っています。整形外科で取り扱う腫瘍は多様性に富み様々な病理学的な特異性があります。肉腫は”忘れ去られた癌”と言われ、希少癌として扱われており治療に当たる専門家も少ない分野ですが、これから発展していく分野でもあります。これから医師になられる皆さんにはこの希少癌に少しでも興味をもってもらえるように実際の症例を基にして臨床的な価値を学んで頂きたいと思います。外傷は骨盤骨折や開放骨折を中心に当院救命救急センターと協力して治療に当たっています。