RESEARCH研究

研究内容

早期肺がんに対する縮小手術の開発

これまでに小型肺がんに対しては肺葉切除と比較して区域切除は同等以上の成績であることを報告してきました。実際に本邦での大規模臨床試験により、2cm以下の末梢型小型肺がんでは従来の肺葉切除よりも区域切除の方が生存を延長させることが証明され、区域切除が今後の主流となると考えられます。肺がんを根治させることを前提に、できるだけ肺を温存する縮小手術の適応拡大に向けて研究しています。当教室では日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)肺がん外科グループに所属しており、複数の大規模臨床試験の研究事務局を担当しています。

低侵襲アプローチの開発

肺がんの手術は従来の開胸手術から傷を小さくした低侵襲アプローチが主流となってきています。我々は胸腔鏡手術、単孔式手術、ロボット手術など多彩なアプローチについて研究を進めています。

肺がん周術期治療の開発

再発リスクの高い早期肺がんを対象に術前・術後薬物療法による成績改善を目指して研究をしています。新規薬剤による医師主導治験や国際共同治験の研究責任者などを担当しており、世界の肺がん治療を変えていくことを目指しています。

肺がんドライバー遺伝子についての基礎研究

肺腺がんではEGFR、ALK、K-ras、MET、ROS-1などの遺伝子変異が見つかることが多いですが、個別化治療に向けてこれらに対する分子標的薬の薬剤耐性について研究しています。

肺がんにおけるctDNAの研究

肺がん患者術後のminimal residual disease (MRD)の評価を目的に血漿中のctDNAを用いて癌関連遺伝子変異を測定しています。再発リスクの高い(低い)患者を特定し、術後補助療法の適応の決定につながる研究をしています。