EDUCATION教育 / カリキュラム

カリキュラムの特徴

当教室は血液学ならびに膠原病内科学を専門分野としています。
血液グループでは主に各種造血器腫瘍に対する造血幹細胞移植や分子標的療法を実施しています。血液疾患の患者は治療過程において極めて多彩な症状を呈し、全身の臓器に病変を合併します。血液腫瘍に対する新規治療法が次々と開発され、恩恵がもたらされる患者がいる一方で、いまだに非常に予後の悪い疾患群が存在するのも現実です。そのため疾患の予後を勘案した患者に対する精神的支援も重要になってきます。そこで、当教室での学習、研修の内容は自ずから専門的な知識の習得と相まって幅広い診療能力を必要とする総合内科学の色彩が強くなります。その守備範囲は、全身状態の速やかな把握、救急時の対応、免疫抑制状態の重症感染症管理、水・電解質の管理、血液製剤の扱い方から心療内科的な重症患者の精神支援まで多岐に及ぶため、早期の医師としての基礎力を修得するのに格好の場を提供できると確信しています。
血液グループでは日本血液学会、特定非営利活動法人 成人白血病治療共同研究機構(JALSG)や日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)などの全国規模の多施設共同研究に参画しており、全日本レベルでのエビデンスの構築に貢献し、世界に向けて情報発信することができます。
膠原病グループでは関西地区の膠原病治療センターとして、個々の膠原病の病態に沿った効果的な治療法の開発を目指して診療を行っています。多くの膠原病は免疫異常を背景に持ち、慢性に経過する全身性疾患であるため、全身管理と合併症の早期発見に留意するとともにQuality of Lifeを重視した治療が必要になります。そのため血液疾患と同様に総合内科学的な特徴を色濃く備えています。従って、膠原病患者の診療を通じて免疫学的な検査法およびその意義を学習するとともに総合内科学的な知識と技能を習得することができます。また、膠原病グループでは補助療法として副作用の少ない血液浄化療法(血漿交換、免疫吸着、エンドトキシン吸着、白血球除去など)も併用し治療成績の向上を目指しています。さらに地域医療の一環として地区医師会や保健所、全国膠原病友の会やリウマチ友の会などの医療相談会にも参加しています。厚生労働省 災害時リウマチ患者支援ネットワーク大阪府幹事機関にも登録されています。
また、当教室には14名の血液内科専門医、7名のリウマチ専門医、11名の総合内科専門医が在籍し、初期研修医、内科専攻医、血液疾患、膠原病の研修指導体制は万全です。