RESEARCH研究

研究内容

当教室では、精緻な症候学的評価にバイオマーカーを加えた精神疾患の客観的診断法の開発と病態解明を目指して、光トポグラフィーなどによる神経画像学的研究や薬理学的遺伝子研究など、主に臨床的な視点から多角的な研究をおこなっています。

NIRS(光トポグラフィー):
精神症状・精神疾患の客観的評価法の開発

ヒトの脳がどのような働きをしているかは、いまだに解明されていません。近年急速に発展してきた脳の機能を可視化する脳機能イメージングの一つである、近赤外線分光法(near‐infrared spectroscopy:NIRS)は脳機能を解明していく1つの手段として期待されています。当科ではNIRSを用いて様々な研究をおこなっています

児童思春期精神医学 :
専門外来を軸とした臨床研究

子どもが示す多彩な問題行動や精神身体症状に対して発達的視点を重視した診断を行い、治療と予防を行っています。また、様々な臨床研究をおこなっており、児童思春期の精神的健康の達成を目的としています。

臨床精神薬理学的研究 :
気分障害に対する合理的薬物療法の開発

薬理学の一分野で、主に向精神薬の薬理作用について扱う学問分野です。それぞれの向精神薬の特徴を踏まえ、多剤併用療法を避けより奏功率の高い新しい薬物療法の開発をおこなっています。

認知症診断法研究 :
認知症の早期診断法の開発を目的とした臨床研究

超高齢社会に伴い、認知症の診断法と治療法の探索が急務です。認知症と言ってもアルツハイマー型認知症だけではなく、様々なタイプのものがあります。当科では、主として心理検査と画像検査を用いて、変性疾患による認知症の早期診断法の開発を行っています。

リエゾン精神医学 :
院内各科と連携した臨床研究

総合病院である当院では、術後せん妄や身体疾患合併精神疾患の症例が多くあります。身体科主治医との連携はもちろん、薬剤師・看護師・臨床心理士と一緒に患者さんの治療が円滑に進むように精神科医が参加します。より有効なリエゾン精神医学の開発研究をおこなっています。

遺伝子薬理学研究 :
双極性障害・統合失調症に対する遺伝子薬理研究

治療効果と副作用の両面で薬物に対する個々の人々の応答に影響を与える遺伝的差異の研究を、双極性障害と統合失調症を対象におこなっています。研究に参加して頂いた患者さんから提供されたサンプルを用いての遺伝子解析を他施設と共同でおこなっています。

精神医学と社会科学 :
精神医学と社会科学の相関研究

精神医学は裾野の広い領域です。心理学や生物学のみならず、社会科学との関連もあります。当科では、社会科学的な観点からの精神医学へのアプローチと、精神医学と社会科学との学際的な研究をおこなっています。