教育 / カリキュラム

当科の特徴

近畿大学形成外科では、マイクロサージャリーをはじめとする様々な組織移植術を用いた各種組織の再建術を中心に、豊富な治療経験と実績を有しております。また、乳腺内分泌外科（乳房再建）、耳鼻咽喉・頭頸部外科（頭頸部再建）、外科（食道再建）をはじめ、救急科、脳神経外科、婦人科、泌尿器科、整形外科など、複数の外科系教室と連携して、再建外科治療を数多く実施しています。さらに、リンパ節廓清後などに生じる上肢・下肢リンパ浮腫に対しては、リンパ管静脈吻合をはじめとする外科治療を積極的に行っております。その他、様々な要因で生じる難治性皮膚潰瘍の治療などに対しても対応しております。

1. 乳腺外科との連携
   専門外来を有し、乳がん切除後に対する乳房再建を行っております。自家組織、人工物、あるいはそれらを併用した方法など、患者さんの希望や状況に応じて対応することを心がけております。特に、最近普及しつつある脂肪注入を併用することで、再建の質が向上するだけでなく、追加皮膚切開の無い自家組織再建も可能となっています。乳癌手術と同時手術（1次再建）はもちろんですが、既に手術を終えた患者さん（2次再建）に対しても、あらゆる選択肢を提供しています。
2. 耳鼻咽喉・頭頸部外科との連携
   頭頸部がん（舌、喉頭、咽頭、上顎、耳下腺など）における機能的、形態的再建を行っております。マイクロサージャリーを用いた遊離皮弁や、有茎皮弁を駆使することで、食事や発声など、患者さんが日常生活を送る上で必要な機能を可能な限り温存できるよう努めております。
3. 外科との連携
   外科手術における手術支援（遊離組織移植や血管付加）、腹壁の再建などを行っております。
4. 歯科口腔外科との連携
   口腔がん、歯肉がんなどに対する再建を行っております。
5. 救命センターとの連携
   顔面骨骨折、切断指、熱傷などの救急外傷に対して積極的に対応をしております。熱傷に関しては、救命救急科が急性期治療を担当し、形成外科がQOL維持に重要な部位（顔面、手、関節部など）に対する局所治療を実施しています。
6. 脳神経外科との連携
   頭蓋底再建、眼窩深部腫瘍などで共同手術を行っております。
7. 皮膚良性腫瘍・悪性腫瘍
   近畿大学病院は皮膚良性・悪性腫瘍手術の取扱件数が全国で最も多い施設の1つです。2020年には、皮膚科および形成外科が共同運営する「スキンサージャリーセンター」が開設されました。皮膚科、形成外科および関連科（腫瘍内科など）のスタッフが緊密に連携して皮膚悪性腫瘍、皮膚良性腫瘍の包括的かつ最先端治療を行っています。皮膚病変の診断から外科的治療、退院後の局所および全身管理などの一連の治療過程において、高いレベルで迅速に対応することを目指しています。
8. 手の外科
   専門外来を有し、切断指再接着を救急にて受け入れております。外傷後や先天異常による機能不全や形態異常に対する修復手術を行っております。
9. リンパ外科
   専門外来を有し、乳がん手術や婦人科手術のリンパ節廓清後に生じる上肢・下肢リンパ浮腫や、原因不明の特発性リンパ浮腫に対する外科的治療を行っております。リンパ浮腫に対する治療としては圧迫療法やマッサージが基本ですが、リンパ管と静脈を顕微鏡下において吻合する方法（リンパ管静脈吻合術）や、鼠径部のリンパ節を腋窩へ移植する方法などにより、根本的な改善を目指しております。
10. 眼瞼・眼窩疾患
    専門外来を有し、先天性・後天性の眼瞼下垂や眼瞼の内外反治療を行っております。また、眼窩内に生じた腫瘍の治療も、様々なアプローチ法を駆使した摘出術を行っております。