EDUCATION教育 / カリキュラム

カリキュラムの特徴

画像診断学の講義は臓器別、各種検査法によって分かれています。

中枢神経系および頚部:

中枢神経領域には、生検による侵襲が大きい、機能変化の重要性が高いといった特徴があります。したがって(1)非侵襲的な診断の重要性 (2)形態変化と機能変化をあわせた病態の理解の2点を重視した内容で学習をすすめてもらいます。 脳と体幹部の隘路である頸部は、非常に複雑な解剖構造を示します。したがって頸部領域では、臨床上キーポイントとなる画像解剖の習得に重点をおき、学習をすすめてもらいます。

胸部:

胸部画像診断領域では、レントゲン撮影やコンピュータートモグラフィー(CT)検査を中心に、悪性腫瘍、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患、冠動脈疾患を含めた心疾患、大血管疾患に加え、新生児の先天性心疾患など幅広い疾患の画像診断を学んでもらいます。

腹部:

腹部(上腹部)では、消化管・肝臓・胆道・膵臓といった消化器系臓器と脾臓や腎臓、大動脈などが近接し、ときに連結しています。このため、腹部疾患の画像診断では、病態と解剖学的知識を結びつけて考えることが重要です。本カリキュラムでは、(1)腹部臓器の正常解剖とそのバリエーション、(2)造影ダイナミックCTやMRCPといった特殊検査の利用法、 (3)各疾患の画像所見を機能・形態の両面から理解することを目指します。

骨盤:

骨盤(下腹部)には、女性であれば子宮や卵巣、男性であれば前立腺といった、性差を反映した臓器が存在します。これらの臓器は性ホルモンの影響を受けるため、正常の画像に幅広いバリエーションが見られます。カリキュラムでは、(1) 骨盤内臓器の正常像を理解し、(2) 子宮、卵巣、前立腺に特有の疾患の画像所見を理解し、(3) この領域で頻用されるMRI画像の基礎を身につけることを目標とします。

画像全般:

画像診断において、超音波、単純X 線、CT、MRI、核医学検査(SPECT、PET)などが日常臨床で活用されている。またそれらの検査は、頭部、胸部、腹部、骨盤、骨軟部と全身のあらゆる領域で用いられ、現在日常臨床で不可欠なものとなっている。各検査は、領域や疾患ごとに適切な検査を選択することが重要である。そのため、各々の検査の特徴、造影剤の使用方法から各疾患の画像的特徴を解説し、より低侵襲に早期診断するための検査の活用方法を理解してもらいます。

インターベンショナル・ラジオロジー(IVR):

血管系では肝細胞癌や腎細胞癌などに行われる血管塞栓術や血管の狭窄や閉塞性病変に対する経皮的血管形成術などがあり、非血管系では胆道系や膿瘍に対する穿刺、ドレナージが行われています。それぞれの手技の内容や適応を学習してもらいます。

核医学:

放射性同位元素で標識した薬剤を用いて診断や治療を行う医学の分野について学習してもらいます。SPECTやPETによる脳血管障害、てんかんなどの脳疾患、虚血性心疾患などの循環器疾患の診断、骨シンチや甲状腺シンチといった一般核医学検査に関する知識を習得してもらいます。さらにFDG PET-CT を中心にした腫瘍診断や、悪性腫瘍や内分泌疾患に対するβ線やα線を用いたRI内用療法についても学んでもらいます。