近畿大学医学部 麻酔科学講座

手術中の麻酔科
手術中の麻酔科 2012年の当院の全手術症例数は8538例、全身麻酔症例数は5005例でした。症例としては、非常に幅広い分野の麻酔を行っており、100歳以上の高齢者から500g未満の低出生体重児の全身麻酔を行うこともあります。特に心臓血管外科領域では年間300例以上の開心術をこなし、食道癌手術や肺切除術でも西日本で有数の症例数を誇ります。小児の全身麻酔症例も非常に多く、複雑心奇形手術をはじめ、未熟児網膜症手術、カテーテルアブレーションなども行っております。一般外科領域では食道、肝臓、肺切除術はもちろんのこと、横隔膜ヘルニアや食道閉鎖などの小児外科症例も豊富です。 手術室において麻酔科専用の超音波装置を多数所有しており、心臓外科手術時の経食道心エコー、超音波ガイド下神経ブロックや中心静脈穿刺などの技術もいち早く取り入れ、後期研修医やローテーターへの指導も行なっております。
手術を行う前に麻酔科外来にてカルテや問診から患者さんの全身状態からリスク評価をし、その患者さんに合わせた麻酔方法を選択し麻酔計画をたてておきます。実際に患者さんが手術を受けるときには前室から広い廊下を通って各部屋に入り手術を受けて基本的には手術室にて目を覚まして回復室にて少し休んでから病棟に帰ることになります。手術中は常に麻酔科医が傍にいて血圧や心電図,鎮痛や麻酔の深さを常に調節し続けています。また術後集中治療を要する患者さんでは人工呼吸をしたまま速やかに集中治療室に移動することが出来ます。当院の救急救命センターとも隣接しており1本の廊下でつながっているため手術を要する場合にもすばやく手術への移行が可能になっています。