近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線腫瘍学部門

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Kindai University Faculty of Medicine Department of Radiation Oncology
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第11回JBMP放射線治療品質管理・医学物理講習会 参加記

 令和4年9月14日に長崎ブリックホールで開催された、第11回JBMP放射線治療品質管理・医学物理講習会に参加しました。門前先生の講演では、核医学治療は新たなリガンドの発見やリガンドと核種を結合させる技術の向上により、核医学治療薬の開発が進む注目の分野だという紹介がありました。近年では、神経内分泌腫瘍に対するルタテラの使用が国内で開始されたものの、核医学治療における線量測定の手法には飛躍的な進歩が見られなかったため、核医学治療薬を投与された患者体内線量の推定には改善の必要があることを紹介していました。また、薬剤開発技術は核医学検査の診断向上にも寄与し、外照射による局所治療ではなく核医学治療による全身治療が正解である時代が近くに訪れるだろうという話もありました。受講者に向けてClinical questionを発信したことから、核医学治療の技術革新を医学物理学会でコミットするようにというメッセージを感じました。
最後に、現地開催ということで長崎の夜景も楽しむこともでき思い出に残る一日でした(KO)。

 私は昨年より医学物理士認定機構で核医学分野担当の教育委員を務めております。今回の医学物理講習会では、近年注目されている核医学治療について取り上げることになり、門前一教授の講演の座長として参加しました。核医学治療は、放射性同位元素を標識した薬剤で全身の腫瘍に対して特異的に治療を行うもので、内用療法・内照射療法・アイソトープ治療などとも呼ばれています。その高い治療効果から、2017年10月に閣議決定された「第3期がん対策推進基本計画」内においても核医学治療に関する記載が盛り込まれております。核医学治療では、診断と治療の融合を意味する「Theranostics」における線量評価が重要なキーワードとして取り上げられておりますが、線量評価の具体的な方法や精度については未だ結論に至っておりませんでした。今回の門前一教授の講演では、核医学治療の線量評価に対する医学物理的なアプローチの必要性が示されました。近い将来、核医学治療分野ではさらに新規薬剤が導入され、適応が拡大することが予測されます。それまでに関連する職種や団体で力を併せ、万全の状態で患者さんにやさしい治療を届けられるようになればと感じました。(KH)


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稲佐山からの夜景


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出島にて


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長崎の海の幸

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