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多目的コホート研究で収集されたアンケート・健診・追跡・食事記録などの匿名化された既存情報を用いたデータ解析研究

1. 研究の対象

 平成元年度において、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部(旧石川)、葛飾区(旧東京都葛飾)の各保健所管内在住のその当時40-59歳だった約6万人 (コホートⅠ)、および、平成4年度において、茨城県水戸(旧笠間)、新潟県長岡(旧柏崎)、高知県中央東(旧土佐山田)、長崎県上五島(旧有川)、沖縄県宮古、 大阪府吹田の各保健所管内在住のその当時40-69歳だった約8万人(コホートⅡ)の多目的コホート研究(JPHC Study)に参加された合計約14万人です。

2. 研究目的・方法

 本研究計画は、平成元年度より継続されている多目的コホート研究(JPHC Study)で収集された情報データを用いた解析研究に関する研究計画書です。本研究では、生活習慣とがん・循環器疾患などとの関連について、 より正確かつ豊富な科学的情報を得るために、研究対象者に対して、①5年毎のアンケート調査(計4回)、②ヘモグロビンA1c、歯科検診の追加測定などを含む健診データ収集、③収集された血液検体からの生化学項目・栄養素項目などのデータ測定、 ④詳細な身体活動記録調査、食事記録調査・血中および尿中の栄養素などデータ測定、を行い、また、研究開始後30年間の計画で、以下の追跡調査、すなわち、①死亡の確認と死因の把握、②住所異動の有無の確認と異動の際の異動先の把握、 ③がん、循環器疾患(脳卒中、心筋梗塞)などの罹患の有無の確認と罹患の際の医療情報の把握(循環器疾患の把握は追跡後20年間の登録で終了)、④健康状態確認を主な目的とした追加アンケート調査、⑤介護認定情報による要介護認知症の把握を実施しています。 以上の調査データから得られる情報、居住地などから得られる社会・環境情報などと追跡調査から得られる死亡や疾病罹患との関連について、匿名化した集団として解析し、生活習慣病における予防要因・危険要因を明らかにすることを目的としています。 国立がん研究センター予防研究グループが研究事務局を担当し、解析にあたる人員は、医師・大学教員をはじめとする予防医学などの知識のある研究者です。この解析で得られた情報を通じて、日本人における生活習慣予防の要因を明らかにしてきます。
研究実施期間は2028年12月31日までを予定しています。

3. 研究に用いる試料・情報の種類
  • 生活習慣や健康状態に関するアンケート
  • ヘモグロビンA1c、歯科検診の追加測定などを含む健診データ
  • 測定された、血中生化学項目・栄養素項目などのデータ
  • 詳細な身体活動記録・食事記録調査・血中および尿中の栄養素などデータ
  • 追跡情報(生死、死因、がん、循環器罹患情報、要介護認知症情報、居住地情報)
  • 生体試料を用いて別研究計画を立てて測定したが、研究課題が終了した測定済みデータ

※多目的コホート研究で収集された生体試料などを用いた研究は、個別の研究計画をたてて測定を行い、血液中の物質と疾病との関連を研究してきたが、それらの研究課題のうち、現在、終了した課題が存在する。近年、媒介分析などによる新しい解析方法や、 Reduced Rank Regressionによるパターン抽出など新たな曝露評価方法により、新たな知見を得ることができるようになってきた。これらの状況から、終了した課題による測定済みのデータを用いて検証を行える方法が存在するため、多目的コホート研究の目的の範囲内で、新たな知見を得ることができる可能性が出てきたため

【終了した課題】

  • (15-3)多目的コホートにおける血液を用いた乳がんのコホート内症例・対照研究
  • (19-97)多目的コホートにおける血液を用いた肺がんのコホート内症例・対照研究
  • (2015-287)食事記録票および食物摂取頻度調査票による食事由来の抗酸化能・炎症能評価の妥当性研究)
  • (2016-428)食物摂取頻度調査票による単純糖質摂取量の妥当性研究
4. 外部への試料・情報の提供

提供

 国内外への情報の送付は、書留・配達記録など、受取人の手元に確実に届くことを保証する仕組みを用いる。電子媒体では、暗号化・パスワード管理など、第三者がファイルを容易に閲覧できない仕組みを施す。

公開

 研究で得られた成果は国民へ広く情報を還元するために、ホームページで公開しますが、集団の値が公開され、個人を特定できるような情報は公開されない。

5. 研究組織

 多目的コホート研究 公式ホームページ データ解析研究者
 https://epi.ncc.go.jp/jphc/22/7903.html

6. 問い合わせ先

 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて、対象者ご本人、もしくは対象者の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。
この場合も対象者ご本人に不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
 〒589-8511大阪府大阪狭山市大野東377-2
 近畿大学医学部公衆衛生学教室 松村
 TEL:072-366-0221(内線3272)
 E-mail:jphcadminml.res.ncc.go.jp

研究代表者
 国立がん研究センター 予防研究グループ 澤田典絵

研究責任者
 近畿大学医学部公衆衛生学教室 松村拓実