近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線腫瘍学部門

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Kindai University Faculty of Medicine Department of Radiation Oncology
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AAPM2017出張報告

 2017年7月30日から8月3日にアメリカのコロラドコンベンショナルセンターで開催されたAmerican Association of Physicists in Medicine (AAPM) Annual Meeting and Exhibitionに参加しました(写真1)。この学会では、医学物理教室にて開発されたHMボードに関するポスター発表を行いました。従来、放射線治療に用いられているカーボン製の寝台は、背中の皮膚線量を増加させてしまい、Grade2以上の皮膚の急性障害が起こること可能性があることが報告されているが、より放射線透過力の高く、Saggingの小さい新たなボードを使用することが解決方法の一つであり、このHMボードを用いることで皮膚の線量を低減させることができ、深部線量分布を深い位置までシフトさせられることを報告しましたが、ポスター会場では参加者の数もまばらであり、今後は口頭発表に選ばれるように努力したいと感じました(写真2)。しかし、機器展示にて最新のカーボン製の寝台を見ることができ、本研究の寝台を適用することができることが示唆できました。メーカーの方ともなんとか英語で話すことができ、今後の寝台適用に進めていければと考えています。またポスターの回収の際、海外の方の名刺が入っており、自分の研究に興味を持ってくれている方もいることを嬉しく思いました。
 他にも機器展示では、VARIANの新たな放射線治療装置”HLCYON”の説明を受けることができました。さらに、動物実験用の最新装置では、Cone Beam CTも撮影可能で、動物実験が実際の放射線治療を想定したものになってきていることを実感しました。
 演題発表では、AIを用いたKnowledge Based Planning (KBP)を用いた放射線治療計画が海外では実際に臨床に用いられており、使用方法はIMRTやVMATにおいてOriginal Planと比較し、今以上の最適化の改善の有無の判断をしているようです。また、本学会は医学物理学会ではありますが、動物実験への介入が重要になっている現状を知ることができました。例えば、Monte Carloを放射線生物学に応用させるようなセッションも多いように感じました。今後の医学物理においては、ますます生物学的な考え方も重要になってくることを実感しました。
 今回の出張では、大変貴重な経験ができ、収穫もかなりあったと思います。お忙しい中、出張に行かせて頂きありがとうございました。 (M. T.)

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2017/08/09 11:33