115回日本医学物理学会参加報告
4月12日から15日まで、神奈川県横浜市にて行われた第115回日本医学物理学会学術大会に参加しました。今回私は、「Application of knowledge-based VMAT treatment planning for prostate cancer to clinical delivery」という演題で口頭発表をしました。人工知能を利用したKnowledge Based Planning (KBP)は、計画者間の知識や経験のばらつきが治療計画の質の低下を招く、という問題を有しています。今回我々は、前立腺癌に対して一度の最適化で作成されたKBPの治療計画を臨床適応するために、過去にVMATにて照射された治療計画(Clinical Plan)との比較検証を行いました。線量分布やDVHの比較から、前立腺癌に対して治療計画上、KBPを臨床に適応できることがわかりました。またKBPは、治療計画と実測の線量分布の誤差はClinical Planと同等であり、物理的に照射可能であることが分かりました。英語での発表も、前日までのDo-Kun Yoon先生の講義や会話のおかげで無事に終えることができました。学会中もコミュニケーションを取り続け、英語漬けになることができました。
本学会では、小線源治療の吸収線量の標準測定法の改訂や電離箱と電位計の校正が従来の同時校正から分離校正への変更、Deformable Imaging Registration (DIR) の3つのガイドラインについての説明がなされていたことが印象に残っています。特にDIRは、数年前まで研究段階であったが、現在ではすでに臨床に入りつつあることが感じられました。また、研究では人工知能を用いた発表が多く見受けられました。これらの研究も近い内に臨床に導入されることが予想されます。放射線治療の技術は日々急激に進歩しており、研究や学会等への積極的な参加の重要性を改めて実感しました。
(M.T)
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図1 会場にて
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図2 近畿大学のメンバー、Do-Kun Yoon先生との夕食会
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図3 チュラロンコン大学のAnchali先生主催のウォーターフェスティバル
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図4 筆者の発表風景
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2018/05/01 11:04