近畿大学医学部 放射線医学教室 放射線腫瘍学部門

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Kindai University Faculty of Medicine Department of Radiation Oncology
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世界核医学会 参加報告

2018年4月20日よりオーストラリアのメルボルンで開催された世界核医学会に参加しました。メルボルンはオーストラリアで最も南に位置する州都であり、事前の情報では日本の気温と大きな差は無いとのことでしたが、海が近く天気が良かったこともあり、心地よい風が吹く中、快適に学会期間の滞在をすることができました。
 今回私は、「Static and moving phantom studies for radiation treatment planning in a 4-dimentional PET/CT」というタイトルで、FDG PET/CTを用いた放射線治療における4D収集に関する研究結果を臨床データとともにポスター発表しました (Fig. 1)。3日間あるポスター発表日程のうち初日に当たり、多くの研究者と議論することができました。中でもBiological Target VolumeとしてのFDGの集積を放射線治療に用いる際のマージンの設定に関する議論を複数の国からの研究者と議論できたのことは貴重な経験となりました。
 Theranostics Australia Breakfast Workshop Sessionでは、オーストラリアにおけるRI製造や輸入の現状や今後の取り組みを知ることができました。欧米と地理的に離れているという面からいえば日本とよく似た部分もありますが、開発から臨床研究への時間や国内にRI製造が可能な原子炉を有するという点では、日本より同分野で先行していることが伺えました。Alpha Radiopharmaceutical Therapyのセッションでは、Alpha camera imagingと呼ばれる装置および技術を用いてアルファ線内用療法における線量が評価されており、さらには内用療法におけるシミュレーションベースのMicrodosimetryの概念が提案されていました。内用療法における線量評価は、効果判定や適応基準に有用であるとされていますが、リニアックを始めとする外照射放射線治療で行われている線量計算・線量評価に比べるとそれらの精度と方法に大きな課題が残されています。今後は、細胞レベルの線量評価結果とPETやSPECTで得られる核医学画像やその定量値との関係性が明らかになっていくことが期待されています。
 世界核医学会は2022年には京都で開催されることが決定しています。日本らしさとしての核医学・核医学技術の成果をおもてなしできるように準備を進めていきたいと思います。(K.H.)

Fig. 1ポスター発表前の筆者

Fig. 2 世界一美しい海岸線、メルボルン郊外のグレートオーシャンロード

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2018/05/21 12:24