令和3年度 卒業生の声 No. 2
近畿大学大学院 医学研究科 臨床医学系 放射線腫瘍学専攻を修了して
令和4年3月修了 博士(医学) 和田祐太郎

私は近畿大学病院 放射線科 放射線腫瘍学部門への入局と同時に近畿大学大学院へ入学しました。医学生時代の授業内容や臨床研修医での経験を通して、西村教授の「切らずに治す癌治療」という言葉に強く惹かれ入局に至りました。初期臨床研修医を終了した直後であり、放射線治療や癌治療についての知識が非常に乏しい中で入学したため、1年目に受講した『がんプロ』での共通特論は、各領域の先生方から学べる貴重で有意義な時間となりました。
2年目以降に研究テーマを「前立腺癌に対するVMATにおいて直腸ガス除去および再治療計画によるDVH解析」に決定しました。当院では治療装置:Halcyon linac(Varian Medical Systems)が導入されたタイミングであり、装置の特性からdaily CBCTを用いた研究を行うこととしました。日常臨床では前立腺癌に対する放射線治療を行う際には、直腸ガスの影響で照射野に著しい変化を伴い、用手的にガス除去を行う必要があります。ガス除去前後のCBCT画像を用いて適応放射線治療(ART)を行っていた場合の線量分布を評価することで、IGRTの重要性や照射の不確実性などを検討し、Medical Dossimetryにアクセプトされ学位論文として提出いたしました。
当院では社会人大学院生としての入学が可能であるため、臨床業務に従事しつつ研究を行うことが可能です。両立するには時間や労力は必要であり苦労も多々ありますが、指導教官の先生方をはじめサポートいただき、放射線腫瘍医として学びつつ研究する環境が整っていると思います。この4年の経験は何事にも代えがたいものになりました。
お知らせ
2022/04/01 10:00