令和5年度 卒業生の声 No. 1
令和6年3月修了 博士(医学) 中村 憲治

高校・大学時代、スポーツに没頭していた私は、卒業後に営業職として社会人の一歩を踏み出します。一念発起し、養成校に入学、診療放射線技師として新たな道を歩み始めたのは30歳の時でした。医療現場での経験を積みながら、学会発表なども行い、知識と研究手法を習得してきましたが、大学院進学という道は当時の私の頭にはありませんでした。臨床経験8年目のある日、近大病院の二人の先生から個別かつ同日に研究室への誘いを受けました。運命を感じた私は、研究室を訪れ、門前先生のプレゼンに衝撃を受けることとなります。きっと今と全く違う世界がみえる、という直感を信じて入学を決意しました。
結果としてその直感は、当時の予想を超えて的中していました。違う世界がみえるという言葉には二つの意味があります。成長することで視座が高まり、客観的かつ相対的に物事を捉えるというマクロな視点。もう一つは、事象を深く考えることにより、膨張な情報の中から本質を見抜いて、問題点やその解決策を導き出すというミクロな視点。この二つの「みる」能力は、今後の人生にとって必ず価値をもたらすと確信しています。それに加えて、研究者としてのマインドセット、情報をストーリーとして伝える力、仕事・研究だけでなくプライベートも全力投球する姿勢など、本研究室では本当に多くの学びがあります。
患者さんのために日々業務に励みながら、研究活動を同時並行で進めていくのは決して容易ではないとは思います。また、家族や職場の理解・協力も必要となるでしょう。しかし、ここまで私の文章を読んでいただいたあなたと私は、きっと何かの縁があると信じています。いつ終わるか誰にも分からない、一回きりの人生。すべて自分次第です。少しでも心が動いたのなら、挑戦してみませんか。違う世界をみてみませんか。多くの仲間が待っています。
お知らせ
2024/03/14 13:30