一般・患者の方へ

ゲノム医療部門

Q&A

がんであればすべての患者がゲノム検査を受けることができるのでしょうか。

当院の「がんゲノムプロファイリング検査」は標準治療が終了したがん患者さま、あるいは標準治療がないがん患者さまが対象です。検査を希望される場合、まずはご自身の主治医に相談をして頂くのが良いと思います。

検査を受けるとどのような治療方法がみつかるのでしょうか。

個々の患者さまの病状にもよりますが、承認済みの治療薬、治験治療等を提案しています。治療は当院で行う場合、紹介元の病院で行う場合、治験等を実施可能な他院で行う場合があります。検査により今後の治療選択に役立つ情報が得られますが、使用できる治療薬がない場合もございます。

ゲノム検査でみつかる異常は子供に遺伝するのでしょうか。

あくまで一部の方ですが、がんになりやすい遺伝子がみつかり、それが血のつながりのある方に遺伝する場合があります。これを二次的所見と呼びます。希望があれば二次的所見について患者さま、ご家族にお伝えし、必要に応じて遺伝専門医、遺伝カウンセラーによりカウンセリングを行って将来の健康について相談を行っています。

ゲノム検査は健康保険などの公的医療保険の対象でしょうか。

ゲノム検査は保険診療として行われています。患者さまの自己負担割合は年齢、所得等により1~3割程度となります。

ゲノム検査は近畿大学病院以外でも受けることは可能でしょうか。

限られた少数の遺伝子を調べることは一般病院でも一部可能です。ただし300個以上のたくさんの遺伝子を調べ(「がんゲノムプロファイリング検査」)、かつ検査結果に基づく専門的な治療方法の検討は当院のようながんゲノム医療拠点病院、中核拠点病院やその連携病院(国立病院機構大阪南医療センター、市立岸和田市民病院、和泉市立総合医療センター、近畿大学奈良病院など)でのみ可能です。

遺伝子診療部門

Q&A

二次的所見で遺伝子の変化があると言われたのですが、どういうことでしょうか?

がん遺伝子パネル検査はがん細胞の遺伝子変異を調べ、治療の選択肢を見つけることが目的です。治療薬につながる所見を一次所見と呼びます。一方、検査対象となるがん関連遺伝子の変異が、がん細胞だけでなく生まれつき持った体質(生殖細胞)として遺伝子の変化の可能性が認められることを二次的所見といいます。遺伝性腫瘍の可能性が考えられるということになります。遺伝性の可能性を伝えられると心配や不安になる方が多いため、遺伝カウンセリングを受けていただく機会を提供しています。どのような心配があり、どのようなことを不安に思うのかは患者さま1人1人異なりますので、遺伝カウンセリングの中で、遺伝性腫瘍について正確な情報提供を行い、患者さまの納得のいく選択ができるよう一緒に考えて行きます。

遺伝子の検査の方法は?

遺伝子の検査(遺伝学的検査)は基本的に採血により行われます。検査項目により異なりますが、採血後おおむね3~4週間で検査結果がわかります。検査前の説明から結果開示まで、臨床遺伝専門医・遺伝カウンセラーと共に遺伝カウンセリングを行っていきます。

家族でがんになっている人が多く、自分もがんになった。がん家系なのではないか と思うので何かできることはないか知りたい。

遺伝性腫瘍は家族への伝わり方や、がんの種類、原因遺伝子など、さまざまな要因が関係しています。生殖細胞に遺伝子の変化が認められた場合に、はじめて遺伝性(腫瘍)と診断されます。遺伝学的検査は、誰もが必要な検査ではありません。そのため、遺伝カウンセリングを受けていただき、ご相談ください。

家族の誰かが遺伝性腫瘍であると診断を受けた。自分や自分の子ども達もがんに なりやすい体質であるかどうか知りたい。

ご家族の中に遺伝性腫瘍と診断された方がいる場合、ご自身や血縁者が遺伝性腫瘍であるかどうかは、発端者の遺伝学的検査の結果が判明している場合、検査が可能となります。しかし、未発症者が遺伝学的検査を希望する場合の多くは、自費診療になります。発症者が検査を希望する場合は自費診療か、保険適応内かも遺伝カウンセリングの中でご相談ください。

遺伝子の検査を受けるかどうか決まっていないけど、遺伝カウンセリングで相談 することはできますか?

遺伝に関する相談はいつでも、どんな内容でも可能です。遺伝学的検査を受ける前でも、もし患者さまの希望があれば、いつでも遺伝カウンセリングを受けて頂くことはできます。遺伝子は一生不変のため、遺伝学的検査はいつ受けていただいても結果は変わりません。時間をかけてゆっくりと遺伝学的検査について考えていただき、ご納得の上で遺伝学的検査を受けていただく事が大切です。そのため、遺伝学的検査の受けるまでに何度も遺伝カウンセリングを行う場合もあります。